裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

14日

土曜日

ガンプラだ中野

「やはりガンプラを買うなら中野ブロードウェイでしょう!」

※NHK−BS『私の1冊日本の100冊』収録 トンデモ本大賞打ち合わせ

いろいろと脳も体もくたびれていると見え、
夢も断続的。
巨大なミル貝(?)の身を切る、
踏み切りの遮断機が上がって、その上に載せておいた荷物が
落ちる、柿の木の下でビートたけしが宮本武蔵を演じる、
などなど。

朝6時、目が覚めると喉、やはり腫れている。
バファリンのみ、ヴィックス舐めるなどして対処。
部屋の乾燥はなはだしいので、洗面器にお湯を満たしたものと
濡れタオル二枚をベッド脇において湿度を上げることを
はかる。

9時半、朝食。
母に小青竜湯をもらってのむ。
全身倦怠状態あり。
天気がむちゃくちゃにいいの(気圧の安定)が、まあ救いか。
日記付け、入浴して湯気を大きく吸い込む。
まあ、まだガラガラ状態だが痛みはおさまった。

12時半まで雑用多々。
阿佐谷にあった『トトロの家』が放火(?)で全焼、との
ニュース。昔、下宿していたときはこの家の前を毎日通っていた。
あの頃はオバケ屋敷とか幽霊屋敷とかみんな呼んでいて、
“トトロの家”などと名付けられたときはケッ、と思った
ものだが、そうか、焼けてしまったか。

急いで家を出て、鍋屋横丁まで歩く。
ここにあるダイニング・バー『猫も酌しも』(“杓子”ではない)
で、NHK『私の一冊 日本の百冊』収録。
歩くだけで汗をかく温かさ。
駅入り口(いつも私が利用するのとはホームの反対側)
でオノと落ち合うが、偶然、昨日お会いした店長Zさんも
いて、お店まで案内してもらう。

制作会社ポルケのスタッフと、NHKのディレクターさんと
挨拶。決して広くない店内はスタッフでごったがえし。
声がやはりひどいことになっているが、まあ気にならないと
音声さん言うので、そのまま気にせずしゃべる。
まずは、『檀流クッキング』との出会い、どこが凄い本であるか、
そして、年齢を重ねるごとにそのウラに見えてくる人生の厚み、
などということを語る。

しかるのち、厨房に入らせてもらって、実際に料理。
ディレクターさんが料理マニアだそうで、フードプロセッサーは
「どうせ買おうと思っていた」
ということで、個人で購入した新品が。

最初はイカのプルピートス(イカのスペイン風)、イカの解体が
スッキリ出来てひと安心。普段は家ではゼイタクすぎて入れない
サフランもたっぷり。骨抜きが途中で折れて残ってしまったが、
柔らかかったので皆、気にしなかった模様。

次が大正コロッケ、事前の試作の成果発揮、最後におしゃれに木の葉を
あしらった皿などが用意されていたが、それじゃ大正コロッケらしく
ない、とキャベツをザクに切って盛った皿を出して、それに。
どちらもまず手順に不備なく(いくつかあったがご愛嬌)作れ、
出来たもの、みなスタッフに好評。
NHKやポルケ側ならお世辞ということもあるだろうが、
オノが食べて“うまいです!”と驚いていたので、これは
ホンモノだろう。プルピートスについては
「もうちょっとニンニクが利いていた方が……」
と言うので、
「今日は檀流クッキングにある通り、つぶしたニンニクを最初に
炒めて香りをオリーブ油に移していたんだが、家で作るときは
おろしニンニクを最初に切ったイカにまぶしてしまうんだ」
と教える。

カメラのおじさんが食通で酒通。店長のZさんと、
焼酎談義で盛り上がる、というより通同士の一触即発状態寸前に
なりかけていて笑う。そのカメラマンさんがオノに曰く
「今日の撮影は面白いわー!」
いつもは退屈なのか? 話に聞いたら、やはり“私の人生を変えた
一冊”ということで重かったり暗かったりするものが多いようで、
今日のように料理、というのは珍しいらしい。

しかも、どうも放送(3月)は、檀ふみさんの翌週らしい。
これは偶然。縁だなあ、と思う。縁と言えばZさんのお住いが
サントクのすぐ向かいらしい、ということでこれも縁。

4時、そこを辞して帰宅。オノはマドと母の料理サイト開設の
準備にかかるが、私は次の打ち合わせのために、大急ぎで
トンデモ本大賞のための、暫定台本書き。
昨日試作を作って汚れていた台所をK子がいつの間にか
ピカピカにしていた。

5時半、タクシーで新宿。区役所横のルノアールで第二回
トンデモ本大賞打ち合わせ。しら〜さん、S井さん、
眠田さん、のび太さん、I矢さん、FKJさん、K川さん。
物販スペース確保のこと、通知・告知のこと、それと、今年度大会
のテーマのこと。これ、あぐねていたのだが、おお、というもの
提案あり。それを取り入れてすぐ、改訂版台本を作成することに。
あと、この期に及んで凄まじいこと未確認であったことが
わかり、背筋に冷や汗走るが、後で無事確認されて、ホッと。

1時間半ほどで先に辞去させてもらう。
体力、どうしたんだというくらい極端に消耗。
やはり風邪のせいか、あるいは稽古と原稿書きという過密スケジュール
がやはり体にきているのか。

母の室で、サイト製作にいろいろ助言しようというので急いだのだが
すでにその作業は終わり、オノもマドも半ば出来あがりかけていた。
本日、“撮影の記念に”とZさんにいただいた芋焼酎“喜(実際は、
“七”を3つ重ねた字)六”、何か焼酎の生酒、という感じで
美味。『猫酌』は、料理担当だったZさん(マイミクざまおさん)
の妹さんがやめてしまったので、現在料理担当がいないというので、
母がアルバイトで夕方仕込みに行けばいい、と話す。

いろいろと話をして、それから10時過ぎにパイデザ夫妻も来宅。
オノたちと共通の知人の話題で大盛り上がり。
私はもう、体長限界でふらふら。11時過ぎに自室に帰り、
無理にベッドに入って目をつぶり、寝る。

*収録風景、出来上がったプルピートスと、それから大正コロッケ

Copyright 2006 Shunichi Karasawa