裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

8日

日曜日

日曜ヨーダ劇場

「はい、そろそろジェダイが帰還する時間がきました。
サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」

※劇団ノーコンタクツ公演観劇 D社書き下ろし原稿 フィギュア王原稿

朝、寝がやはり足りなくて10時起き。
朝食、如例。
急いで自室に戻り、昨日書きかけで消えた
フィギュア王原稿、書き上げて編集部とK子に。
K子からは夜さり、追加資料が欲しいと言ってきたので
探してデータにして送る。

書き上げて、新井薬師まで。
中野ウエストエンドスタジオで劇団ノーコンタクツの芝居、
『コリアスタロの秘宝を奪え!』観劇。
タイトルでわかるように『ルパン三世』のパロディで、
三世のさらに孫、ルパン五世が主人公。爺っちゃんと違って
まだまだ修業中の身で、高所恐怖症がなかなか克服できずにいる。
ある日、オークション会場から、今は滅びた王国、コリアスタロの
秘宝を盗み出した主人公だが、謎の女性二人組にその像にはめこまれた
宝石を奪われてしまう。その宝石を含め、3つの宝を揃えると、
コリアスタロ公国の残した莫大な秘宝のありかがわかると言うのだが……。

この劇団は、アニメや映画のパロディを主に舞台化している
ところであって、そのために、あまり大々的に宣伝ができない。
抜群に面白いだけに、そこが隔靴掻痒でもある。
今回は、ストーリーがパロディとは言い条オリジナルに近いものなので
よかったし、逆に言うと、ルパンぽい、というテイストさえ残せば
オリジナルにしてもよかったんじゃないの、という出来。
脚本が小劇場芝居として非常によく出来ていたのでなおさらそう
思った。アクションも見事で、ことに中盤のクライマックスである
カーレースシーンは最高!

ノーコンタクツは以前『御利益』で共演した麻見拓人さん主宰の
劇団だが、今回は同じく『御利益』で共演している松原由賀ちゃんも
峰不二子(っぽい)役で出演。長い足が存分に活きた役で結構。
前回彼女を見たのは劇団ショーGEKIの舞台で、そこでの彼女は
地味なブス、という役であって、今回の妖艶な美女役とは正反対。
こういう振幅が大きいというのは役者としていいこと、だと思う。

そして、ひとつのお目当てで見に行った、マドお気に入りの
女優、前田彩香ちゃんは銭形(っぽい)キャラ、クランビ警部。
冒頭で出てきたとき、かなり声がヤバいことになっていて、あれ、
と思ったらなるほど、枯れるのも無理はないという全編これ
叫びっぱなしの芝居であった。

この芝居が終ったあと、この劇団の第一回の公演の再演をビデオに
収録するということで、由賀ちゃんからもさそわれていたのだが、
原稿がしゃれにならない状態なので即、帰宅。

D社書き下ろし原稿、資料が膨大なものとなり、調べつつ読みつつ
書いてまとめていくのでいっかな進まず、残り分量を見ながらイライラ。
それでもがりがり書き進める。

途中、逃避でマイミクよっちんさんの日記に森安なおやさんの
ことが書いてあったので、コメントを書き込む。森安ファンは
多いのか、コメント欄が伸びる伸びる。その中に、架空まさる
という名前を発見してびっくり。しかも赤塚賞出身であったという
ご本人からの情報に接してびっくり。この人の漫画は札幌時代に
北24条駅近くのブックス1/2で『いくいく!』の一巻と二巻を
買って読んで、少年漫画風の絵柄で不条理なポルノものを
描く、その不思議な作風が妙に気になって、どういう人間かと
思っていた。後に官能作家の風間九郎氏も架空まさるファンだと
知って、話が盛り上がったこともあった。どこでどういう人に出会うか
わからないなあ。

原稿、がりがりがりがりやって、やっと22時、脱稿して送る。
うふー、と息をつく。仙台から送られた鯨肉でタルタル風刺身と
ステーキを作り、ステーキの汁をご飯にぶっかけてかきこむ。
うまくてうまくて、もう、くたばれシーシェパード! である。
どぶサワー一杯、ホッピー4杯。
DVD類ザッピングして、くたびれて1時、就寝。

*タルタル風刺身と、一乃谷風ステーキ

Copyright 2006 Shunichi Karasawa