裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

4日

火曜日

民主党レル・ショー

「お楽しみはこれからだ!(バラク・オバマ談)」

※朝日書評原稿 新潮社原稿

本日の夢。
昭和40年くらいの、白黒の岡本喜八監督の青春映画を
日本映画チャンネルで見る。
トランジスタ・グラマーの可愛い女の子(新人女優)が
登場人物の一人として出てくるがヌードシーンがあり、
こういう子は脱がせない方がいいのに、岡本監督はそういう
売り出しが下手だな、と思う。

朝、ずっとベッドの中でどぶ泥のような精神状態だったのだが
5時ころ携帯でニュースを見たら、“小室哲哉逮捕へ”とあり
うわっと叫んで、いきなりハイな状態になる。
別に小室哲哉に含むところはないが、要するに何かかんか、
刺激が必要だったのだろう。小室哲哉に感謝しないといけない。

9時15分、朝食。
新聞のニュースを食い入るように読む。
806曲という、詐欺に使った過去の曲数から言っても、
まさにバブルの申し子だった。
人気凋落の理由もまさにそれで、これだけ作れば飽きられるのである。
それをわかっていても次から次へと曲を作り続けなくてはいけないのが
あの時代、であった。

ただし、その後ネットなどで“儲けていた時は浪費のし放題”
と叩かれているのはちょっと気の毒であろう。
今の税制では、儲けた金はせっせと使わないと
税金でごっそりと持っていかれて、事務所がつぶれる危険性すらある。
儲けた金は使い切るしかないのである。
もちろん、それで金銭感覚がみんな狂っていく。
儲けた金の管理、というのは、これはまた別個の、しかも
その分野に特化して飛び抜けた才能を必要とするものなのだ。

マイミク小梅さんから連絡、8日の紙芝居の会はぜひ、
見ておいてください、と。
神戸行きについてYくん、先方のMさんとやりとり。
Mさんに乾ちゃんを少し売り込んでおく。
オノから連絡、『世界一受けたい授業』またオファー、
あとT社から短期コラム連載依頼。
朝日書評原稿、執筆のためにもう一回、部分読み。
昼飯(弁当。ピーマンと牛肉の炒めもの)食べてから書き出す。

かねて(去年から!)企画を進めておきながら、私の怠惰で
宙ぶらりんになっていた某書房の担当さんから電話。
営業が早く欲しい! とうるさく言い初めているので……という
ことで、仕切り直し。
冬コミ、当選。壁際で、調べてみたらトイレの前(笑)。

書評原稿送った後で、新潮社からの依頼原稿を書き出す。
書きながら、衝動買いしてしまったラムレッグ(と、言っても一本
3800円)を関節のところで切断し、半分を岩塩で1時間半ほど茹でる。
茹でながら原稿、400字詰め8枚。
送ったのがもう10時近くだったが、すぐ“いただきました、
面白かったです”の返事がくる。

11時、茹で上がった羊の脚肉をナイフで削りながら、
手製のトウガラシミソのタレにつけて、芋焼酎“一刻者”で。
DVDで、ヴィンセント・プライスの『ザ・バット』。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0018J5MEQ/karasawashyun-22
1959年の映画で、33年前、1926年のローランド・ウェスト
監督作品のリメイク(監督・脚本は『肉の蝋人形』の脚本を書いた
クレイン・ウィルバー。タイロン・パワーの従兄弟だそうである)。
いやあ、いかにも50年代の通俗ミステリという感じで結構。
驚いたのはタイトルに“ヴィンセント・プライスの”とついているのに
彼は容疑者の一人で、主人公は女流ミステリ作家役のアグネス・
ムーアヘッド(『奥様は魔女』の母親・エンドラ)だった。

1926年版はもう二十年くらい前、アメリカに行ったときに
ビデオを手に入れた。『バットマン』の歴史を語るビデオの、
特典映像という形で、バットマンのルーツとして、このコウモリを
名乗る覆面男のサイレント映画を紹介していた。見てみたら、
上山草人(日本人で初めてハリウッド映画に出演した俳優)が
召使いの役で出ていたので、草人ファンだった森卓也氏に急いで
手紙で知らせたのを覚えている。
http://jp.youtube.com/watch?v=OU10KI1ouGw
↑YouTubeで1926年版は見ることが出来る。
いい時代になった。
コロナビール1本、ホッピー3ハイ、1時半ころ就寝。

*写真は生のラム脚肉、それを茹でたの

Copyright 2006 Shunichi Karasawa