裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

24日

日曜日

もう佐世保orz

バーガー買い損ねた。

※『アニメ夜話』原稿チェック

朝までに数回目を覚まし、
「あ、まだ早い。まだたっぷり寝られる」
と喜んでまた眠る。
夢を何度も見たが、最後のが少し変。
修学旅行宿みたいな、宿屋と民宿の中間のような施設に
何故か大勢で宿泊している。
メンバーが関敬六、谷幹一、日高のり子、掛布、
マイミクの偽史学士さん、FKJさん、二代目花廼屋因果さん、
それに私の弟など。もっとも、弟はなをきということになっているが
どう見てもリトル・フランキーである。
宿の作りは古い(由緒ある古さではなく、安っぽい建築が古びたと
いう感じ)が、浴場などは立派な作りで、非常に広い。
しかし、何故かどうしても宿の外に出られない。
なをきの個室で、その出られない謎について話す。
トイレに入っているとき、偶然にもその宿の主人がやってくるので
いきなりトイレのドアをあけて対面すると、黒いオーバーに
黒のソフト帽をかぶった口ひげの老人で、見ると私の祖父である。
祖父は私の顔を見て
「やばい! ばれた!」
と祖父らしくなく叫び、ネズミのような身軽さで姿をくらます。
「ふむ、(祖父は死んでいるから)やはりここは死人の経営する
宿だったか」
と思い、暗然とする、というもの。
『ホテル・カリフォルニア』みたいな夢だが、西海岸風は微塵もナシ。

トイレのシーンが出てきたのは昨夜寝る前に飲んだ蕎麦湯氷割で
かなり膀胱がパンパンになっていたからだろう。
目が覚めてあわててトイレに飛び込む。
一気にたまった水分を放出した後の下半身に、奇妙な快感が残る。
排泄行為に快感が伴う理由は何なんだろう?

9時半朝食。
母は明日の夕方に成田に立ち、4日間ほど厦門に講演旅行。
ニュースは三浦和義の件。
そう言えば河崎実の『まいっちんぐマチ子先生』にも
出演していたな。

ロスが事件の舞台で、有名女優の甥(かなり強力な一説では実子)で、
日米を往復している実業家で、湘南で石原裕次郎とヨット仲間という
豪勢な暮しをしていて、事件の裏に何人もの美女がいて……という
あたりで、あの当時のわれわれはどうしたって三浦容疑者に
『刑事コロンボ』の犯人を重ね合わせて連想した。
あの事件をわれわれが、そしてマスコミが“知的エンタテインメント”
として“面白がっていた”(不謹慎だがそうでなければあんなに
騒がれはしなかった)のは、その連想によるものだろう。
コロンボの人気の秘密が、推理よりもエスタブリッシュメント族の
私生活をこっそりのぞき見る、というピーピング趣味にあったことを
思えば当然かもしれない。

雑原稿書きに夕方近くまでかかる。
気圧のせいか、この仕事の進まなさ加減は。
最近は気圧のせいでオチてしまうようなことにはあまりなって
なかったんだが。
とにかく籠り気味でがりがり。

昼はパスタを茹でて、ミートボールスパゲッティにして食べる。
原稿書き終えて、今度は『アニメ夜話』インタビュー原稿チェック。
途中で身体を動かさねば、と思い、新宿に出て買い物。
目的のものが切れていて買えなかったりしてちょっと落ち込むが、
帰りの丸ノ内線の吊り広告を眺めているうち、今すすめている企画の
大変にいいネタというかヒントというかアイデアというかを得られた。
あわてて忘れないうちに携帯で自分宛にメールする。

帰り道で携帯に電話あり、ちょっと込み入った感じだったので
家に帰ってからかけ直し、しばらく話し込む。
はげましたり、怒ったり。

NHKで『篤姫』。
私が歴史上の人物としてのこの女性を初めて知ったのは
『吾輩は猫である』の一弦琴の師匠の身元である
「天璋院様の御祐筆の妹の御嫁に行った先きの御っかさんの甥の娘」
という三毛子のセリフによって、であった。
篤姫の周囲にいろいろお付きの人物が登場してきたが、
さてどれが御祐筆だろう、と思ってしまう。
漱石が『猫』を書いたのは1905(明治38)年、
天璋院篤姫が亡くなったのは1883(明治16)年、
22年前のこと。ロス疑惑事件が27年前なのだから、
天璋院という人はもう、充分に漱石の同時代人だった。
篤姫は案外早世で、享年48歳。
その父・忠剛も安政元年48歳で死去。
瑛太が演じている肝付尚五郎こと小松帯刀はもっと早死にで
明治3年、36歳で死去。
高橋英樹演じる島津斉彬は安政5年死去、50歳。
草刈正雄の阿部正弘も安政4年、39歳で死んでいる。
何か登場人物たちがいずれも揃って早死にのドラマなのであった。

見ている最中に電話、なんと今日、トンデモ本大賞の打ち合せが
あったとか。まったく忘れていた、というか、MLでの
連絡が来ていなかったような気がする。

電話とかなんとかで時間がズレ、『アニメ夜話』原稿チェック
(半分以上書き直した)がアガったのはもう12時過ぎ。
我ながらラディカルすぎることを言っているような気がする。
まあ、そういうキャラだしいいか。
いろいろと考えつつ、蕎麦湯氷焼酎2杯、ホッピー2杯飲んで
2時ころ寝る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa