裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

9日

土曜日

フランシスコ・ザ・BL

ザビエル×ヤジロウで。

※『社会派くん』ゲラチェック 『プレイ!ザ・ミュージック・オブ・
アニメーション!!』鑑賞

昨夜寝たのが11時頃で目覚めたのが6時半。
寝床で菊田一夫読み継ぎ。
岩波書店の本としては異例に読みやすい文章である。
8時半入浴。9時15分、母の室で食事。
伊予柑、イチゴ、コーンスープ。

昨日のパチスロコラム、“オトナの事情で”訂正箇所、
小さいところだが二個所。
訂正のツギメがわからぬように工夫して、一分で直す。

社会派くん対談ゲラ(テープ起こし)手入れ。
毎度のことだが案外に時間食う。
話題が多岐に渡りすぎるので、チェックに手間がかかるのである。
1時50分、チェックざっと終えてK田くんにメール。

メール数通に返事、いろいろ作業。
昼は通販で買ったイノシシ肉を茹でて出汁をとり、
味噌と味霸でスープを作ったイノシシラーメン。
肉の甘味がスープに移り美味い。

肩と背中の凝りが凄くなりすぎ、奥歯が疼きはじめたので、
コレハイカンとマッサージに行くことにする。
とはいえ、今から渋谷では夜のスケジュールに間に合わないので
新中野近辺のマッサージ店を探す。
外は凄まじい寒気。
駅近くの店は満員、少し歩いてこれも駅近く(いつも出る口とは
逆の口)に、小さい、細い階段を上がって入る店を見つけたので
ここに入る。中国人らしいおばさんが“イラシャーイ”と
出てきて、マッサージしてくれた。強くてなかなか結構だが
首筋のリンパ腺を執拗に揉んで、これが痛いいたい。

終わって、前の雑貨屋で製氷皿を買う。
昨日憶えた蕎麦湯氷をすぐ、やってみようという腹。
湯を沸かして、北海道の蕎麦粉を溶かし、少し煮立たせて
製氷皿に移し、冷ましたところで冷凍室に。
さて、出来や如何に。

6時45分、再度家を出る。
さっきまで小雨だったがもう、大粒のぼたん雪になっていた。
タクシーで、杉並公会堂。
車中、ラジオで新沼謙治の『津軽恋女』を流していた。
なるほど、確かにこの雪の夜には似合いの歌である。

そんな演歌聞きつつ、到着した杉並公会堂でジャズを聞く。
中村力哉Life iz now torioによる『プレイ!ザ・ミュージック・
オブ・アニメーション!!』。なみきたかしプロデュースによる、
アニメ音楽のジャズアレンジコンサート。

この悪天候の中、かなりの入り。
ぎじんさんがビデオを回していた。
マイミクのかきたまさんがいたので、隣の席に座る。
コミティアに参加する由。
その理由が、フリー職業だと、つい月日が何の区切りもなく
過ぎてハッと気がつくと半年一年が過ぎてしまうことがあるので、
3ヶ月にいっぺんのコミティアは区切りつけにいいのではないかと
思うので、とのこと。
その話をしていたらちょうどなみきがお客を案内してきて、
この寒いのにゲタばきであることを指摘され、
「いやね、この会場の利用規約がこないだ改訂されて、見たら
“壇上を下駄履きなどで歩かないこと”と、誰にピンポイント
絞った規約だコノヤローと思って、わざわざ履いてきたんですよ!」
と例の大声で。
かきたまさんと
「しかし変わらないねえ」
と笑う。確かに彼のような人物と一緒だと、時間はずっと止まった
ままなのかもしれない。ハッと気がつくと、荻窪のアニドウに
通いづめていた頃からもう三十年である。

司会はなみきお気に入りのY嬢。いや、嬢などというと失礼なくらい、
もう十ウン年前からなみきは何かというとY嬢を司会に起用している。
彼女もその頃と変わらない美貌である。
しかし、司会がタドタドしいのもその頃と変わらないのであった。
そこがいいのかもしれない。

コンサート自体は素晴らしいもの。
“わにのゲーナの歌(チェブラーシカ)”から始まって『ベティの白雪姫』
の“セントジェームズ病院”をオバケ屋敷的なアレンジで、そして
“世界一有名なアニメ作家”のあの作品からのアレ、の見事な
アレンジメント、ジャズのスタンダードとしていいんじゃないかと
思える『雪深い山国』のテーマ、南さんが“しゃれたレストランで
これが聞けたら最高だね”と休息時間に言っていた『やぶにらみの暴君』からの“五月の歌”。私もこれが今回のベストで、これを聞きながら
眠りについたらどんなに気持ちがいいかと思う。

その後、オリジナルが二曲続いて、そのあとマニアックに
『すて猫トラちゃん』から“すて猫トラちゃんの子守唄”、
さらに世界一有名なアニメ作家のあの長編作品のアレ。
最後が『バッタ君町へいく』から“We're the Couple in the Castle”。
これらは中村さんのもとへなみきからそれぞれのアニメのDVDが
送り付けられてきて、それを見て、中村さんが譜面にして
アレンジメントしたものだという。その作業の大変さを思い驚く。
ぎじんさんと“CD出さないかな”“版権とるのが大変そうだねえ”
などと話す。

満足したが、これは女性連れで行きたかったコンサートだった。
アニドウの催しと思ってタカをくくっていた。
いや、なにも隣席がかきたまさんで不満だったわけではないが(笑)。

大雪の中、急いで出て中野へ。
北口駅前でハッシーと待合わせ。
焼肉とらじで食事しながら、次のあぁルナ公演『御利益』の
打ち合せ。今後の予定などを。
来年の企画がちょっとデカくかつユニークなので、
その前哨戦になる今年9月の舞台に、いろいろアイデアを出す。
知りあいにもいろいろ協力を仰ぐつもり。
ハッシー、いま次の客演舞台(ダンスミュージカル!)
『ホワイト・ソング』の稽古が佳境。
真露を飲んでいて、“もう一杯どう?”とすすめたら
「明日があるので」
と断った。ハッシーとの付き合いも長いがこんなこと初めてである。

まだ降り続く雪の中帰宅、もうかなり酔っていたが、
それでも一刻も早く試したくて、蕎麦湯氷で一杯、
焼酎を割って飲んでみる。
トローリとして甘い。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa