裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

23日

日曜日

宇宙爆睡戦

夢にメタルナ・モンスターが。

朝8時起床。入浴、カカトを削る。9時朝食、夕張メロンとスープ、ゼリア製薬のコンドロイチン飲料。夏バテ防止用。ここのところの雨はイヤだが、猛暑よりはいい。午前中だらだらとして、メールチェックなど。今日は予定は開田さんの青山の『三人の角度展』に行って、金沢の21世紀美術館と打ち合わせすることのみ。

弁当(豚肉とタケノコ、ピーマンの炒め物)食い、資料用読書など。1時、新宿へ地下鉄で。しばらく丸ノ内線新中野駅使っていなかったら、ホームにドアが設置されていて驚く(まだ稼動はしていない)。過保護のような気がしてイヤだが、実はこういうものの設置は勝手に死なれて莫大な慰謝料を遺族から請求されないための、メトロ側の防御措置、なのだろう。

新宿三丁目で降り、伊勢丹デパートで開田さんのところに最終日のお祝いで持っていくシャンパンを買う。ブーブクリコのいいのがあった。そうなると、じゃついでに、とオードブルセットを買い、それから土用の丑の日だから、と手軽につまめる“うなむす”(てんむすのうなぎバージョン)などを買い、と、久しぶりの伊勢丹での買い物を堪能。

ちょうどそこに携帯であやさんから電話。21世紀美術館の人が見えたというので、タクシーで青山まで。最終日にてかなりの混みよう。差し入れ品を置いて、21世紀美術館の二人と、オーバルビル1階の喫茶コーナーで打ち合わせ。トークの部分をふくらませて、短編アニメ上映と講演、という風に出来ないかと思いつく。美術館のような施設とは相性はピッタリなはずだ。

打ち合わせの最中、目の前を(ここの喫茶コーナーはロビーに直接椅子やテーブルが置いてある)見たような顔が通るな、と思ったらマドさんだった。オノも後からついてくる。開田さんの展示を観にきたのだった。21世紀美術館の人たちと名刺交換させる。

打ち合わせ終えて(オノとマドはその間に帰った)戻る。相変わらず込み合い。テーブル席に陣取る。最終日だというので工藤稜さん、前田ひろゆきさん、業界の人、お客さんにまでシャンパンふるまい、乾杯。あとはそれまでのお客さんたちが持ってきた酒やつまみ類を全部放出して、飲み会となる。

あぁルナの大村琴重さんが来たので、開田さんに紹介して、ちょっと話す。あやさんによると昨日は橋沢さんが来たそうだ。意気軒高であったとのこと。琴重ちゃんによると劇団では
「今回の公演は橋沢、唐沢、渡辺といったおじさんたちがやたら元気だったなあ」
と言っているとのこと。

他にも知りあい続々。のざわよしのりさん、高橋のび太くん、ナンビョー鈴木くん、氷川竜介さん。氷川さんとはアニメばなし。某作品が噂以上にトンデモないとの情報もらう。それで“じゃ、見にいこう”となるのもいかがなものか、とは思うけど。
najaさんが旦那さんと来たが、すぐいなくなった。あとで彼女だけ戻ってきて言うには私の顔を見て旦那さんが
「有名人が来た! どうにかされてしまう!」
とパニクったそうである。どうにかされてしまう、に笑う。

工藤さん、前田ひろゆきさんとも挨拶。前田さんは新感線の池田成志に似ているような。工藤さんは札幌出身で、私たちの『ヤマト復活運動』をダイレクトに見て育ったという。『アタックヤング』のことなどで盛り上がる。あそこで流れていたアニソンや特ソンはほとんど、私からの提供のレコードだったと言ったら
「それを聞いて育った曲の提供者とここで一緒にいるというのは変な気分ですねえ」
と言っていた。

酒はワイン、日本酒など次々。がぶがぶやっていいご機嫌になる。つまみ、伊勢丹のオードブルはさすが。キジ肉のパイが絶品。他にどなたかの持ち込みのスモークサーモンも結構。トイレに行って、帰ったらあやさんのかなりキツい口調の声がして
「だって私たち、それで食べているしマンションのローンも払っているんです。当然でしょう!」
と言っている。何か、やたら絵を買ってください、買ってくださいと勧めるあやさんに、同じテーブルにいた三人ほどのグループのうちの女性が
「何もそんなに必死に売りつけようとしなくても」
と言ったらしい。一番開田あやにカチンとくるであろう台詞である。

今日は最終日ということであやさんのテンションかなり高く(体の疲れの反動もあるだろう)、なにも客とケンカせんでも、と思わないでもなかったが、しかしこの一巻きは、長い時間テーブル席を占拠して、他の人たちに譲ろうともせず、だらだらと何やら作品のテーマ性とかいう高尚ぶった話をして、おまけにいただきますもなくオードブルとかパクついていて、私もちょっとムカッと来ていた。これで辟易したか帰っていったので心の中で快哉を叫ぶ。

若い女の子がいて、なんと怪獣フィギュアの造形師をやっているという。女の子にしては珍しい。神田瑞穂ちゃんという子でキャラクターも面白い。
http://www.geocities.jp/vs_mproject/wonfes3.html
↑こういう子である。コスプレもするというのであやさんが
「じゃ、今度二人でくすぐリングス出よう!」
と誘う。やはりテンション尋常でない。

7時ころ、じゃ一応お開きということで、その前に前田さんの絵を一点、買う。初日に来たときから気になっていたもので買おうか買うまいか、値段との折り合い兼ねあいで悩んでいた。前田さんが一万円引いてくれたがそれでもかなり大きな買い物になる。しかし、こういうところでは買うものであろう、と目をつぶって買う。

その後、開田夫妻、前田さん、瑞穂ちゃんその他の皆さんとチャイナハウスで改めて飲み直し、食べなおし。黄ニラと金華ハムの炒め物、エビ団子と枝豆、細切りナマズの炒め物(本日の絶品)など出て、蟻酒と五粮液。最後に鶏の透明(黄金色)のスープが出た。生姜のさわやかさに鶏丸ごとのエキス。体内の疲れが洗い流されるようで啜りながらため息をつく。帰宅、まだ9時過ぎであるが考えて見れば3時ころから飲んでいた。こういうのもいいね。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa