裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

27日

木曜日

トム君ヤム君

元ネタが佐々木邦『トム君サム君』って古すぎ?朝7時半起床。入浴洗顔歯磨服薬その他いろいろ。9時朝食、シイタケ末入りトマトジュース、ホウレンソウのスープ、バナナ、イチゴ二粒。

新聞に姉歯氏のヅラはずし写真が載って話題である。警察では自殺用の薬物や道具などの隠し場所になるため検査で外させなどはするものの、被疑者の人格を尊重して護送時などのカツラ着用は認めているはず。と、なると外したのは本人の意思だろう。罪を悔いて坊主になるというのはよくあるが彼の場合、それが実に楽に出来たわけで重宝である。

昨日のmixiに書いた“無駄話・無駄飯と企画”、反応かなりあり。ROCKYさんのコメント
「創造ってのは無駄の上澄みを掬うような作業なんだが」
という文章には感動。某社からメール、これ、本にしませんかと。おお、無駄日記も無駄でない。きちんと章立て作ってまとめてみることを約す。

一方でホリエモンは3億で保釈。
「保釈金を支払う」
という表現をみんな使うが、保釈金というのは被告が逃げないよう担保として押さえておく金だから(だから裁判が終われば有罪無罪に関わらず返ってくる)支払うというより預ける、という方が適当していると思うが。

原稿書き、楽工社『と学会年鑑』新刊用原稿。志水一夫さんが昨日原稿あげたそうで、ビリケツになる。まあ、あのドタバタがあったからなあ。2時30分、アゲてメール。

1時間ほどで終わり、雑談と打ち合せ。撤退プロジェクトの女性から、前の仕事先(実は君、失礼なことをしていたんだぞとこないだ教えた)に謝罪メールが入っていたとか。一行だけのものだったらしい。どういう気持でメールしたかを思うと、急に可哀相になる。彼女のためになることを思い、彼女に成功をもたらすことを目的としてやってきたことがどうしてこういう結果になってしまったのかと鬱になる。もっとも、“こっちには一行どころか全くメール来ないよな”と気がついて、やや同情も減じたのは事実。

タクシーで出勤。3時、雑誌『LIFEWORK』インタビュー。定年後の人生を充実させるためにはどうしたらいいか、というインタビュー。ちょうどピッタリなので、佳声先生の話をする。DVDのパッケージも掲載できるそうなのでちょうどいいパブリシティになる。ツイてるな。撮影するカメラマンさんがFKJさんにソックリであった。

5時、バーバラとタクシーで青山。ABC本店で13日に行う 『魂食!』サイン会&トークライブ打ち合せ。
http://www.aoyamabc.co.jp/events.html#ao20060513_1これまでずっとコンビでやってきたおぐりゆかとのお仕事もしばらくの間お休みの予定なので、このチャンスにみなさま是非。

そこから地下鉄銀座線で上野広小路。立川談笑独演会。受付でチラシもらうが、立川三四郎(元ブラッC)のもので、ほとんど精神異常者が作ったような代物。隅っこの方に小さく“桂文字助独演会”が6月にある、との情報が!これは事件かも。

三才ブックスの人たち、バーバラと、青山学院向かいのオーバルビル地下の和風喫茶『京はやしや』でちょっと打ち合せ。前はイタ飯屋だったはず。和風と言っても、日本茶メインということで、店内はかなりモダンなデザイン。抹茶についてきた小さい落雁のおいしいのに驚くが、しかしお値段も高い。

終わったあと、高座の上で言った
「まあ、普通のが聞きたい人にはそういうのを演じる人がいるわけだし」
に思わず拍手、そしたら場内それに和して拍手がわいた。こういう自分の迷いをストレートに高座に表出させて逃げない、いや、その迷い自体が個性の人、前に記憶があるが……とふと思って、ブレイク寸前のイッセー尾形がそうだったのを思い出した。「何を本当にやりたいのか見えてきたのだが、それが何であるのかはまださっぱりわからない」などと舞台挨拶でよく言っていたものだ。

このところ満席続きだった談笑独演会だが、連休前がわざわいしたか、はた木曜に変えたせいか、今日は客がやけに少ない。談笑さん自身、真打昇進という大きな目標を果たし、そろそろ次のステージに進みたい時期らしくて、迷いが高座に出てきている。とはいえ、この人の魅力はとにかく常に芸がメタモルフォーゼを続けているところにある(と、私などは思っている)ので、私的にはすごく面白い高座だった。

前半は『天災』『鮑のし』、後半が『シシカバブ問答』。前半二席が、途中々々に、演者(つまり自分)にトラップが仕掛けられているという、本人の曰く“ガスパン落語”(あえて危険なものに手を出す)だったので、オーソドックスにやった『シシカバブ問答』が(まあ、それでもシシカバブなのだが)安心して聞けるという点でまるで古典のように思えたことであった。

味兵衛で打ち上げ。オノとぎじんさんとでいろいろ話す。談笑さんも加わって、ブラックさんのブックマン社の本がヤバな出来、ということなど。焼酎を、最初宝山、次に蔵の師魂と、口当たりいいのでロックでクイクイやって、自分では認識していないのだがかなり飲んだ。その後、近くの寿司屋で仕上げ。アスペクトのK田くんとオノと三人で、と思ったら談笑さんやフワリさんも来る。自分で“あれ、いま俺はブラックアウトしているな”と自覚するくらい酔っていた。K田くんおごってくれたことは記憶しているのだが。タクシーで帰宅、2時。K子に遅い、と怒られた。確かに、明日も予定ギッチリなのに。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa