裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

23日

日曜日

メグレのさんま

「すると被害者の殿様はあそこの農家で休んで昼飯を所望したのですね」(メグレ警部・談)朝7時半、起床……はしたものの全身倦怠、二日酔いではないが体が石のように重い。トイレに入って、終わって便座の中をのぞくとアリが一面に。ホラーだよ、これは。

母に電話、朝食は9時にしてくれと頼んで再度寝る。いい気持で熟睡、そろそろ1時間くらいたったかなと思って時計を見たら10時だった。あわてて朝食、ジャガイモのどろりとしたスープにブドー1/4房、イチゴ2粒、オレンジ小半顆。外は雨もよい。気圧乱高下してどうにもならず。亡父の口癖に“こりゃ、どもならんじゃ”というのがあったが(お客でそういう口癖の人がいて、真似しているうちにうつったらしい)、まさにどもならんじゃ状態。弁当(塩サバ)を大根の味噌汁で。

先日来日記に記している某プロジェクトよりの撤退、正式に関係者各位に通達。思えばいろいろあったものだが終わるときはアッケなし。このようなものか。これまで引き伸ばしていたことは無駄だったのかもしれないが、後悔というようなものはなし。

6時渋谷に出る。タントンで1時間。妙にその1時間が長く感じられた。“ひどい凝りですね、お仕事の疲れですか?”と訊かれる。いえ、人間関係です。

7時45分、タクシーで東新宿、焼肉幸永。春風亭昇輔改メ瀧川鯉朝師匠と、内輪の真打昇進祝い。このあいだのパーティで知りあった公認会計士のOさん御夫妻も一緒。K子が
「これは個人的に」
と御祝儀袋を渡し、鯉朝さんちょっとうるっとくるところを追いかけて
「これで今日のお代は払ってね!」
と。

O氏の奥さんは薬剤師だという。
「珍しいですね、薬剤師の女性で薬剤師と結婚しないのは」
というと、
「私、薬剤師とだけは結婚したくなかったんです」
と言う。何かわかるような。

鯉朝師匠と末広亭の件も話す。真打披露で忙しく告知期間がほとんどなくなってしまったので、日を少し先にしようかという。押さえておいた人たちには悪いが、それが最善かも。

幸永ナビゲーターとして、いろいろメニューを頼むがみな、好評。O氏は今日は朝から“焼肉食べられるぞ”と気負い込んでいたらしい。若手落語家とのつきあいは広い人で、獅篭などとも交流があるという。トンデモ本大賞の案内状を送っておこう。

バカばなし、オタクばなしなどしばし。西村晃の『怪談せむし男』をニュープリント上映する企画のことなどワイワイやって、ここ数日のストレスを忘れる一時であった。ホッピー三杯。11時ころ帰宅。なんだかんだといろいろ言っているようだが敢て気にせず。所詮シロウト。

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