裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

14日

火曜日

涙も汗も若いホワイトデー

義理チョコに仕方なく返したい〜
             (元ネタ・『アタックNo.1』)
朝9時起床。

入浴のヒマなく朝食、ホウレンソウの真緑色したスープカップ一杯、伊予柑半顆、イチゴ3粒(この“顆”とか“粒”って書き方は江國滋の『読書日記』から)。
日記つけ、雑用いろいろ。WPCの判定問題でどこも侃々諤々。これを“アメリカの陰謀”とか言ってる人も多いようだがアメリカのマスコミもこのジャッジには疑問を唱えるところが多く、あれをアメリカ人審判のアメリカびいきとするのは当たらない、と日本のスポーツ紙も冷静に報道している。テレビのワイドショーは無理矢理に火をつけすぎなのではないか?
http://www.sanspo.com/baseball/
top/bt200603/bt2006031401.html

以前、シドニー五輪の篠原選手の疑惑の判定負けはあきらかにアジア人差別の色があったし、冬季五輪などのルール改正はその最たるものだが、今回は日本側の対応にも非があった。王監督は本当に怒ったのなら、退場宣告されるまでわめき続けて、主張をアピールすべきだった。それが監督の務めではないか。所詮、日本野球とアメリカ野球は別のスポーツなのだ。

家で弁当つかい(シャケフレークとほぐしタラコ、それにホウレンソウのバタ炒め。これもいかにも弁当のお菜らしいお菜で、入っていると嬉しくなってしまう)、事務所。スケジュール表みて、その真っ赤っかなことに戦慄。

メール連絡いくつか。大阪に転勤になる皆神龍太郎さん歓送会の件、それからうれしや、幻冬舎でボツった(予算の関係)立川談笑さんの本、引き継ぎをアスペクトのK田くんにお願いしていたのだが、社長決定でOKが出たという知らせ。すぐ談笑さんフワリさんにその件メール、幻冬舎のトテカワYさんにも。Yさんからはすぐ電話で、“ホッとしました”と。彼女の作った企画自体は幻冬舎編集部でも好評だったし、またこんなにスムーズにアスペクトで通ったのもそれが優れていたからだろう。

他に朝日新聞社、講談社等にゲラチェック返送。3時、渋谷税務署に確定申告に来たはれつさんから事務所を見に行きたいと電話あったが、残念ながらもう出るところ。オノと渋谷駅まで歩いて井の頭線で吉祥寺まで。こないだ引っ越したばかりなのにもう完璧な吉祥寺系になっているオノに、
「オレはどっちかというと下北沢派だねえ」
と言うと、
「ああ、確かに先生は吉祥寺タイプじゃないですね」
と。

そこからタクシーで深大寺温泉『ゆかり』まで。30分ほどかかり、なにかあたりのイメージはもう“遠足に来た”という感じ。武蔵野だなあ、というところか。到着してみるに、“風情あるヘルスセンター”という感じのところ。ブックマン社Yさん、Tさん、快楽亭の記録映像とっている梅山さん。石段をかなり上がった上にある離れで対談。ここは快楽亭のご指名でとった対談場所で、これはその離れで以前食った炉端焼きがうまかったから、だそうだが現在、離れでの食事はないという。聞いたら快楽定がここで食ったのはもう十年も前、だそうで、いかにもここらへん、噺家らしいいい加減さ。

対談は心臓で彼が倒れたときのこと中心に。まあ、何回も話したことだからスムーズには進むが、まだ話していないことを探すのに苦労する。オチはなんとか綺麗についた。終わったあと、下の温泉の方に移動。和室で畳敷きの部屋の中で作務衣姿の入浴者たちがゴロ寝しているのがちょっと異様な光景。

食堂で、つまみとビールとって乾杯、まだ5時半だが。事件以降のこと、歌舞伎のこと、業界のことなど、雑談楽し。快楽亭、かみさんとは完全に切れているが秀次郎とはまだ仲がよく、いろいろ会ったり遊んだりしているようである。こないだ旅行したときに汽車の中で
「父ちゃん、“親不孝”って何?」
と聞くので
「親に親切しなかったり、迷惑かけたりすることだ」
と教えると、
「じゃ、父ちゃんは“子不幸”だネ」
と答えて、一本とられたとの話に笑う。
「“親不孝な子はあれど、子不幸な親とはアタシのこと”」
「それじゃ今輔の『もう半分』だ」
などと。

つまみ、まあこういうところのものではあるがみな作り立て、焼き立てなのでまず食える。焼酎などもやって、まあいい気持。タクシー出してくれるというので甘えて、宿から直行で新中野まで。案外近いのが意外。半チクな時間に帰ったので、半身浴30分(ビールなど飲んでいたので、顔から面白いほど汗が流れる)し、酔いの修正にホッピーと水割り缶。読書しながら。12時に寝る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa