裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

2日

木曜日

今川吉本

「こないな雨の日に戦しかけてくる奴、おらへんわ〜」
朝8時半起床。入浴して急いで9時、朝食。パンプキンスープ、イチゴ、伊予柑。伊予柑は残念ながら中がややパサパサ。小青竜湯、黄蓮解毒湯、麻黄附子細辛湯。麻黄〜は、以前はかなりバテたときの頓服風に服用していたのだが、最近は毎日のむようになってしまった。

日記つけ、12時半、タクシーで赤坂見附。東急エージェンシー。エースデュースK社長、オノと落ち合い、ロビーで待つうちK口さん来て、2階会議室へ。Hさん待っていて、ちょっと工場のトラブルで遅れるSくん待つ間、雑談。コンビニの商品の売れる売れないのことなど。

Sくん来るちょっと前から、徐々に雑談〜本筋にと話が進み、DVD発売とその関連イベントのことを打ち合わせ。地方で拠点があるようなところはまず押さえるとして、6月に東京で大きいイベントを打ってそれを皮切りに展開、その前に寄席やロフトといった場所で前宣伝イベントをちょこちょこと打っていく、という話。そこにアレとアレを結びつけて、とアイデアがわく。

東急エージェンシーさんの方ではまず、紙芝居とか化け猫よりも唐沢俊一プロデュース、というカタチのものの一環として売った方が売りやすいようだ。どこでも顔を出しますよ、と言っておく。講演内容はたとえばこんな感じで、と即興でしゃべったらみんな感心したような顔をしていた。

ただ、問題はやはりスケジュール。おぐりが使えないところ(期間)があり、そこをどうするか。話すんで、オノとK口さんと、赤坂で昼飯。夜は居酒屋の店に最初入ろうとしたが休み。焼酎のメニュー(貼り出してある)に
「フランス焼酎“パリ野郎”」
というのがあるのをオノが気にしていた。隣の店で彩り弁当。食べながらオタクライフのこと、なみきたかしのブジオ出演のこと、などを話す。

店に置いてある(と、いうか壁にはめ込み)のテレビのドラマで、会社の自分のデスクにiMacを置いている主人公を見て、オノとK口さんが
「会社でマック使うやつ、いねーって」
「ソフトがないですよね、そもそも」
などとツッこんでいる。二人ともMacユーザーなのだ。

そこから一旦渋谷、明日のブジオのことなどをI井Dなどとメール連絡。水道橋博士さんとの対談のこととか、なんだとか。この調子でいくと三月はスケジュールが全日入ってしまうのではないか、と思えるほど。

3時半、家を出てオノと四谷の文化放送。辻よしなりのラジオグラフィティ出演。タクシーの初老の運転手が道に迷い、ちょっとあせる。なんとかギリギリにたどりつく。途中でアクビが出て、
「こりゃ、降るな」
とつぶやいたら、すぐにポツポツときて、オノが驚いていた。

ロビーに貼ってある番組パーソナリティ紹介の、ジャニーズと吉本系の多さにオノが驚く。はれつさんに聞いた話だが、こういう風に一本自分の番組をもたせると、タレントは驚くほど“仕切り”慣れをして自信がつく。だからどの事務所もほとんどタダで、ラジオの番組は持たせようと売り込みにくるのだそうである。

構成作家Uさんと打ち合わせ。Uさんとは去年の年末、あぁルナとの忘年会でバッタリ顔を合わせた。橋沢さんと一緒に仕事しているらしい。しかも、ブジオのイニャハラさんとは昔同じ事務所にいたらしい。

世の中せまきことかな。せまいと言えばこないだ橋沢さんが仕事で一緒になった演出の人が、ジオサイトの仕事で演出をやってくれたSさんで、私とおぐりゆかをさんざカチンとさせた例のPという現代音楽家の女のことをクソミソに言っていたとか。せまくてせまくて。

番組終わって帰り支度の小俣さんに挨拶。てっきり、そのスタジオに交代で入るのかと思ったら、レコーディングスタジオみたいな広い部屋の片隅にテーブルを置いたスタジオだった。電話機がずらりと並んでいたのを見ると、電リクに使うんだろう。

お題はまた雑学だが、とりあえず楽工社の『奇人怪人編愛記』の宣伝をさせてもらう。TBSとはまた違ったノリで楽しませてもらった。17分、しゃべって出る。新刊を読者プレゼント、と最後に告知して、スタジオを出るときにもう当選者三人が決まっていた。応募の早いことに驚く。

雨、それほど強くないが降り続いている。オノはそのまま今日は帰り、雨降りで固まっている体をタントンでほぐす。今日はこの店でたぶん一番激しい揉み方をする先生で、タントンという域を脱して整体なみ。目が片方不自由なのだが、よく見ると体形も顔も花田勝氏ソックリ。障害のある若乃花、という感じ。揉まれてグダグダになる。

私一人で仕事場へ。明日のブジオの熊倉一雄さんの紹介文を書いてI井ディレクターにメール。大島のHさんから電話。こないだ井乃上ジョーくんをブジオスタジオに呼んだ、と話したら大変喜んでいた。

9時、新中野自宅。母の室で豚ちりとアジの干物で夕飯。豪貴の家の話など。母、杉ちゃん&鉄平のコンサートに行きたいという。自室に戻り、ネタ用DVD数本見ながらさらに酒。黒ホッピー2本あける。最近の酒量のアップ、いかんこととは思いつつも飲む。飲めば憂し、飲まねばものの数ならず。いや、実際憂慮せねばならぬのは酒そのものよりおつまみのカロリーだな。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa