裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

7日

土曜日

クラシックったって悲しくったって

 コンサートホールの中では平気なの。朝、7時半起床。外は雨もよいで暗く、寒々しい。ああ、12月なのだな、と実感。朝食の用意。コーヒー、卵を落としてオーヴンで温めたオニオンスープ。K子にはジャガイモ炒め、果物はイチゴ。

 産経新聞の訃報欄にウィリアム・ヘンソン死去の報。亡くなったのは今週初めだそうだが、テキサス州ダラス郊外で車にはねられ、病院で死去、78歳。
「ウォルト・ディズニーで『ピーターと狼』などのアニメ映画を製作。シマリス兄弟のキャラクター、チップ&デールを生み出した。その後メキシコでスタジオを率い、リスのロッキー、ヘラジカのブルウィンクル、ボリス&ナターシャなどのキャラクターを創作した」
 おい、ロッキーはリスじゃないぞ、と思ってNEWS@niftyを見てみたら、こっちはムササビと書いてあった。正確にはあれはflying squirrelだからモモンガなのであるが(ムササビはジャイアント・フライング・スクゥアレルである)。テレビではナレーション(牟田悌三)が“空飛ぶリス”と言ってたか。それにしてもロッキーくんのアニメがメキシコで作られていたとは知らなかった。
http://www.charlotte.com/mld/charlotte/entertainment/events/4674167.htm
 ここを見ると、『おばけのキャスパー』も彼が作ったキャラクターだとある。ロッキーもキャスパーも、日本では“アニメとしての質が低い”ということでまったく評価されない作品だったが、アメリカ人にとっては血肉とも言うべきキャラクターで、どちらも後に実写映画化されている。大衆文化は質じゃない、ということがよくわかる事実であると思う。

 同じ日の読売新聞記事には、『ことばのファイル』欄に、一千万人以上のアクセスがある『VOTEジャパン』のネット投票で、日本を再生させるためには高度経済成長時代に戻るべき、という意見が26パーセントをしめたという。『オトナ帝国の逆襲』実現の時期は近いか。

 午前中は日記書き、資料整理などの雑用で過ぎ、昼はハチバンラーメンの塩で。塩が一番、麺自体のうまさがひきたつように思う。食うと体が極端にダルくなる。今月はこれが特にひどい。マッサージを予約。その前に何か仕事を一本、と思い、『トンデモ本・男の世界』(メディアファクトリー)の原稿にかかる。資料本読んだりなんだりで、案外時間がかかる。すでにMLにアップされている植木不等式さんのコラム原稿が面白い。これに対抗するのは荷である。

 石原伸司さんに連絡がとれずに困っていたら、ちょうど向こうから電話。幻冬舎が連絡を取りたがっていたことを知らせる。張り切っているのはいいがあまりあせりを見せない方がいい。今度の『くすぐリングス』でも、ちょっと自分を出してくれと言われて困る。あれは私の主宰じゃないんだから自由にはいかない。

 5時、原稿10枚程度書いたがまだ終わらない。半に家を出て、新宿へ。サウナとマッサージ。いろいろ雑念が浮かぶが無念無想で一時間、汗を流す。それから揉んでもらうが、左肩が腫れたように痛い。揉まれるたびに、うー、うーとうめくが、次第にその痛みが脳を麻痺させ、ふと気がつくと眠っている。気持よかったのだろう。人間の感覚って不思議だ。そこを出て、伊勢丹へ。レストラン街の天一で久しぶりにK子と天ぷら。ハゼ、メゴチ、スミイカ、ハス、小柱など。となりの席のお婆ちゃんが特注で食べていた、小柱だけのかきあげの天丼がうまそうだったが、我慢してライス類は食べず。日本酒と生ビール。

 帰宅、メールで植木さんとのメールをもとに談之助さんを運営ML招聘のことに関して書き込み。10時過ぎにはもう寝るが、3時に目が覚め、原稿の続きを書いたりなんだり。私が寝られないのは珍しい。やはり、体力がないのだろう。昨日のディープファンさんからメール。カレシと一緒にコミケに来るとのこと。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa