裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

26日

火曜日

中田ワイマール・ラケット

 きみとこ、今度共和国になったんやてな。朝7時起床。ゆうべ、母に昨日の朝食ったツクダニのおいしさを言ったら、“それよりこっちの方がおいしい”と、焼肉用のカルビ肉の醤油漬けの焼いたのを出された。うまいかしらないが、朝飯にこれは(まして昨日があのしゃぶしゃぶだ)ちょっとツラい。ごはんを茶碗に半杯、やっと流しこむ。ここ数日、札幌にしては暑い(内陸だと30度行っているらしい)のだが、朝はさすがに涼しく、いい気持である。

 荷造り、オタアミで使ったビデオなどと、こないだの葬式のときの喪服を詰めて、宅急便で送る。お手伝いさんたち、親父がいなくなってヒマなものだから、これまで手をつけてこなかった雑物をどんどん片付けており、家がどんどんキレイになることである。キレイになり過ぎてガランドウになりそうだ。庭の雑草を庭師のおじさんがいちいち取っている。お手伝いさんが二人に庭師がいる、というと、なにか私の家が凄い金持ちのように聞こえるが、正式な雇い人は実は星さん一人で、他はほとんど、昔の知り合いなどがボランティアとか、リストラ状態の暇つぶしでやってくれているのである。この庭師のおじさんも暇にまかせてせっせと木を剪定するもんだから、家の木は現在ほとんど丸ボウズ状態。

 11時、家を出て札幌駅へ。スカイライナーで千歳空港へ。この行路がメンドくさくてイヤである。空港でサッポロラーメン。こないだ入った店とは別のところ。いろいろあるんだねえ。AINが取ってくれたJAS、“普通席でいいから”と言っておいたが、行きは満席のためレインボーシートだった。ところがそこでゲームにハマったK子が、“帰りもレインボーシートがいい”と言い出したので、窓口で一人千円づつ支払って変更してもらう。で、意気揚々と乗り込んだら、なんとゲーム設備がつい てなかった。全機に備え付けられているのではないらしい。

 帰路はそれもあってか、ほとんど寝て過ごす。昨日の夜、帰宅してから母が残ったチャーハンで、ビール飲ませてくれたが、それがかなりキイて、体がくたびれている模様である。帰宅、K子は今日、フィンランド語があると言って出かける。こっちよりずっと元気である。私は〆切が一日過ぎている週刊読書人をやってメールし、電話数本。依頼された書評原稿用の読書。

 新宿にマッサージに行く。サウナで汗を2キロ分、流した。マッサージは私にあたるのが初めての先生で、足のこと、職業のことなどいろいろ会話。足裏を器具でグイグイ押され、かなり痛い。“揉み返しがきたらすいません”と謝られるが、謝られてもなあ、という感じ。一旦帰宅、9時半に改めて出て、新宿幸永。どうしたわけか、いつもは9時過ぎると客がやや減るのに、今日は陸続と客が詰めかけ、最後の冷麺は品切れで食べられなかった。セックスで盛り上がった末に中出しダメ、と言われた男の心境になる(ちょっと大袈裟か)。えー、冷麺ないのー、なんでよー、やだー、食いたいーとわめく。ホッピー2本で、かなりグダグダになっていたのであろう、などとオノレの子供っぽさを分析。それにしてもここんとこ飲み過ぎ。胃を休めなくちゃいかん。

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