裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

14日

土曜日

カツオ島耕作

確かに漫画の島耕作はイタリア語におけるこれを使いまくりだったな。

※企画原稿書き

『マクベス』のような夢。
王が戦争で敵の城主の首をとり、塔の上から全軍に勝利を告げ、大歓声に
つつまれるが、それは王の幻覚で、実際には敵も味方も全てが
死に絶えており、死霊となった者たちが、無言のまま地獄への
行進を続けている。

9時20分起床。
しかし寝るようになった。4年前の日記を読んだら、なんと毎朝
6時半に起きている。ちょっと現在では想像もつかない。

桜井浩子さんに昨日のお礼メール、山ほどの人からメール来ていると
思うのに、個別の返信メールがすぐ届く。
これは見習わないとなあ。

K子とやりとり、少しへこむ。
気を取り直して、仕事。
昨日思いついた企画、さらに手を入れ、章立てまで。
参考資料、思いの他安いものが多いのでアマゾンで大量に買い込む。

月曜日の『私の1冊』スペシャルから構成台本届く。
出演が、最初のコーナーのみから、番組全体に、に膨れた。
ほぼ半日がこれでつぶれることになるなあ。
まあ、文章書きで部屋に閉じこもっていると鬱になるので、
こういう仕事はありがたいのだが。

幸田尚子ちゃんからメール。
『呪殺・うらみごろし』の写真と共に。
「片目なのでお気に召すと思って」
と。私、こないだ『いれーぬ』で、片目の魅力について熱くアツク
語ったそうだ。まったく覚えていない。
そんなに酔っていたか?

午後4時半ころ、アクシデントに見舞われる。
ちょっと買い物に外に出て、30分ほどで帰り、
オートロックなので鍵でマンションの共同玄関を開け、
郵便受けを確認。
この間1分あったかないか。

で、自室に戻り、さてドアを開けようとキーホルダーをみたら、
ついさっき、マンション玄関を開けたばかりの鍵がキーホルダー
から消えて無くなっている! 仰天した。
しかもキーホルダーのリングはきちんと閉まっており、手品でも
使わぬ限り、ここから鍵を抜き取ることなど出来はしない。

あらゆるポケット、さしていた傘の中、買い物を入れた袋の
中などを探したが、どこにもない。ほんの数十秒前に使った鍵が、
なぜ突如消失したのか?
呆然として、しばらく頭が真っ白になった。

1分後、やや落ち着いてキーホルダーを点検。
リングの部分はネジ式で開け閉めするようになっているのだが、
この部分、きちんとネジは閉まっているものの、きわめて
緩く、1〜2回くらいの回転ですぐ開くことを発見。
これくらいの回転なら、ポケットにキーホルダーを入れたときの
服の布地との摩擦で可能であろう。

で、自分の行動を必死で思い出すと、郵便受けを点検したときに、
中に入っていたチラシ類を、ほとんど無意識に取り出して、
備え付けのごみ箱に捨てている。
それか、と思い、ごみ箱をチェックすると、ほぼ満杯の
チラシ類の中に、鍵が埋まっているのを発見!
ホーッ、と息をついた。

再現すると、鍵でオートロックを開けた時点で、キーホルダーの
リング部分はネジが緩んでほとんど開いている状態(構造上、
キャップ式のネジなので、ただ嵌まっているだけでも、閉じている
ように見えてしまう)だったのだろう。
で、私が右手の親指と人さし指の間にキーホルダーを
はさんで持ったまま郵便受けをチェックして、チラシ類を
(残りの指で)つかみ出し、ごみ箱に突っ込んだとき、
キーホルダーのリングの隙間から、自室のキーが抜けて
ゴミ箱内にすべりおちた。
私はそれに気がつかず、他の郵便物を手に持とうとして、一旦、
これもまったく無意識に、キーホルダーを着ていたジャンパーの
ポケットの中に突っ込んだ。
そのとき、ネジが1、2回、布地との摩擦で回転し、
リングは閉じた。

そして、再び取り出したとき、キーホルダーのリングから
自室の鍵がきれいに消えて無くなっていたわけだ。
まあ、理由が解明されるまでには5分もかかっていなかったと
思うが、自分のアタマの中では1時間くらいに感じられた
ことであった。

企画書原稿、10時までかかる。
メインの企画書も明日完成させねば。
サントクで買った豆腐と油揚で、また重曹鍋。
濃厚で美味。私はこの重曹豆腐のつけだれには、ポン酢と
梅肉を合わせたものを使っているが、これがまた、梅肉の
酸味と溶けた豆腐や油揚の甘味が合わさって実にいい。
うどんなどを残り汁で作るときも、梅肉の隠し味は
最高である。

昨日の影響で、やはりウルトラセブンが見たくなり、
実相寺監督の『円盤が来た!』をひさしぶりに。
やはり自分の中の何パーセントかはこの作品で出来ていることを
確認。涙が出てくる。
……しかし、フクシンという奇妙な名前を脚本・監督の実相寺さんは
どういう考えでつけたのだろう(フルネームはフクシン三郎)。
そもそも、どういう字を書くのか。
生前の監督に聞いておくべきだったかなあ。
その後、某資料ビデオなど見て、1時ころ就寝。

*『呪殺 うらみごろし』の尚子ちゃん。
私はこの作品に古本屋のの親父役で出演(予定)。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa