裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

25日

木曜日

元始、杉浦は太陽であった

字は変わらないけどたかやすからたいようになったんだよね。

※NHK打ち合わせ リーディング稽古

朝9時半、母の室からの電話で目が覚めるが、
起き出すことかなわず、10時にやっと朝食。
日記つけるヒマなく、いつもは45分くらいかけるところを
15分でだだだ、と。

入浴してメールチェック。
昨日、松嶋初音ちゃんからお礼メールがあったことは
覚えていたが、返事を出していたのは忘れていた。
しかも、読み返すとしごくまともなお礼メールである。
記憶中枢のみがマヒしていたということか。

朝日書評、ゲラで原稿にナオシ一個所。
朝日の規定で、“男まさり”は使えない由。
これに限らず、新聞社には各社で独自の規定がある。
時にはその本のテーマになっている用語が使えないという
事態になることもあり、書評もいきおい、アクロバティックに
ならざるを得ぬ場合あり。まあ、それをかいくぐって原稿を書くのも
それはそれで奮起させられるものがあるわけで、『カニバリストの告白』
など、書評委員会では大受けであった。

昼は焼肉弁当。
3時、渋谷へ。オノと落ちあい、ベラミでNHK打ち合わせ。
これまでの『熱中夜話』や『とことん……』とは全く
異った分野からの出演依頼であるが、こういう番組を
やってみたかった、という内容でもあり、やや感慨あり。
私のコメント分担、というか役割を把握して、それに見合った
キーワードを述べる。
「それ、おもしろい」
とスタッフが吹き出す一幕あり。

話はずんで、30分くらいの予定が1時間に延び、
次の予定に遅刻。あわてて新宿へ。
マイスペースにて、鈴木希依子ちゃんと渡辺克己さんと、
明日のリーディングの稽古。
なべさんの愛のムチを見せていただく。
希依子ちゃんも頑張り、予定を一時間延長して読み合わせ。

終ったあと、希依子ちゃんが相談があるというので
“樽一”で話を聞く。今度、エッセイの連載を彼女持ったのだが、
その書き方について。
つかみの技術とか、ネタのひねり方、なにより書き手の
キャラクターを明確にすることなど、向田邦子や林真理子の
エッセイを引き合いに出して説明する。
話している途中で、後ろの席のお客が開けたシャンパンの栓が
飛んで、希依子ちゃんの背中を直撃!
お詫びにシャンパンを一杯づつご馳走になったが。

彼女が次の仕事で帰ったあと、少し携帯でメールなど
していたら、樽一のお客さんたちから、
「すいません、写真撮っていいですか」
と言われ、一緒に記念写真。
さらに会計していたら、
「カラサワさん、お久しぶりです!」
と、SUEZENさんが挨拶に来た。
以前お会いしたときから15年は経っていると思う
(確か漢方薬の相談に乗ったはず)。
「しかし変わりませんねえ」
とまた同じようなことを言われ、
「いや、当時から老けていたから」
と、また同じようなことを答える。

自宅にひさしぶりに早めに帰宅。
資料本読みながら、11時ころ就寝。
やれ、珍しや。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa