裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

18日

木曜日

三年目のジュラ紀くらい多目に見ろよ

6000万年も続くんだからさ。

※広告原稿ゲラチェック 『黄昏モンスターズ』

朝9時半起床。
ベッドで昨日落札した本(グルメエッセイ)に目を通すが、
あまりに食欲を刺激されて、すぐ読むのをやめる。
ウトウトして、昔つきあっていた女性の夢を見る。
彼女の気を引くために知らない女とつきあって見せびらかす。
彼女がむかついたようなので、よしと思って脇に座っていろいろ
話すと、彼女の唇が緊張でアヒルのように長く延びて、それを見て
可愛いな、と思う(ま、夢だから)。

朝食9時45分。
バナナジュース、トマトジュースカップ半杯、
バナナ一本。
オノからメール、公演中の『セカジュー』収録は
急遽延期になったそうで、まずはあわただしくなくてよかった。
入れ替わりのように某局特番から収録日決定のお知らせ。
公演終ってすぐの1日。ずいぶんとそれはまた、急な。

B社から送られた資料類にざっと目を通し、
それから週刊現代のタイアップページゲラチェック、
ミリオンのコラム原稿にかかるが、なかなか進まず。
放擲して、別の書評原稿用読書。
妄想に関する本。
あと、ネットでカルト画像を拾うことに逃避。
昼はチャーハン。

4時、事務所に出てコピー仕事に専念。
5時、下北沢へ。
ハッシーからちょっと興奮気味の報告あり。
『黄昏モンスターズ』、2月の下北沢演劇祭に参加決定とか。
今回の芝居の質の高さを本多劇場側が認めてくれたということで
これは大いに業界で箔がつくことである。
いろいろ話し、来年のことで二人、盛り上がる。
とはいえ、眼前の入りの心配も変わらずあるのだが、
とりあえず、本日は開場待ちのお客さんの列が延びすぎて
周辺に迷惑がかかるので二列になってもらうほどの盛況。

場当たり、暗転チェックなどの最中に電話二件。
一件目については、業界内ダーウィン賞という言葉が頭に浮かんだのみ。
二件目はペットロス症候群になりかけの某人から。
きちんと葬ってあげて、楽しかった一緒の時間の思い出をくれたことに
感謝してあげなさい、と、新聞の人生案内みたいな回答。
しかし、これはすべての“別れ”に関して、私が言っていることである。

開演待ちの間、通路で共演の役者さんたちと雑談。
そのとき話に加わった三人が参加したことのある某劇団の話を聞く。
劇団というのは基本は座長の独裁になるものだが、
それも程度問題という話。いや、世の中にはいろんな人間がいる。
個人レベルでは嫌悪感以外の何ものも浮かばぬが、人間社会、と
いうところまでワクを広げると、そういう状況で人間が集まり、
劇団という一集団が成立するのだな、と思うと、人間の心の
複雑怪奇さが面白くなってくる。

開演。いつもは調光・音響ボックスの隣のスペースに座って観ている
のだが、今日はそこにまでお客さんが入っている。
仕方がなく、その脇でずっと立って見ていた。
もうセリフ全ても、“あ、ここ飛ばした”とか“噛んだな”とか
チェックできるくらい頭に入っているが、それでも
「ああ、これ、二月に再演するんだな」
と思いながら観ると、また格別の味わい。

終って、本日のトークゲスト、関口誠人さんと。
関口さんと会うのは二年ぶりくらいになるが、
前のときより顔が引き締まり、若返った感があって、
やはりC−C−B再結成ということで注目の渦中にあると
アーティストは違うな、と思わせるものあり。

終って、今日も終演が延びたので帰りは三々五々だったが、
ちょっと上記の件もあり、ハッシー、本多慎一郎さん、
それに照明・音響スタッフと、安居に行って飲みながら打ち合わせ。
サンマ炙り焼きの、肝合え醤油が美味このうえなし。
さすがに午前様にはならずに帰ったが、それでもかなりいい気分に
酔った。

※写真は通路で出待ちの間の役者陣、それと関口さん。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa