裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

30日

金曜日

足寄の百太郎

ここで観光写真を撮ると、後ろに必ず鈴木宗男と松山千春の姿が……。

※CS『斉藤舞子の合縁奇縁』収録

朝7時半起床。目覚めは6時半くらいで、ベッドの中で朝日書評の担当書を読む。頭痛相変らず。頭痛というより“つっぱる感じ”になってきた。朝から雨で窓外が暗い。

入浴、ふと、湯椅子(と、いうのである、風呂場の椅子は)をひっくり返して、その脚の部分を見て、ギャッ、と悲鳴をあげる。あえて細かい描写はしない。洗面器とかは洗っても、湯椅子の脚部分は盲点だった。洗剤をぶっかけて、ブラシでゴシゴシとこする。

9時朝食、コーンスープとオレンジ、イチゴ、リンゴ。そういえば昨日の日記に書きわすれたが、朝、例の自殺サイト殺人の前上被告に死刑判決、というニュースを見ていたら、法廷画のタッチで、その前上被告と会見して、彼の深層心理を探った東海大学教授、という絵が出てきて、それを見たら、ナナメ後ろ姿が、帽子、長髪、メガネ、背広姿。思わず
「オレか!?」
と叫んでしまった。その後出てきた本人もやはり帽子姿で、世の中には似た人もいるんだねえ、とつくづく思った。

東海女子大学大学院の長谷川博一教授だそうだが、拘置所の中でも帽子で押し通すあたり、意識してこのスタイルでいっているのだろう。グーグルのイメージ検索では残念ながら帽子姿の写真はなかった。と、いうことは近年、このスタイルを確立させたということか。猟奇殺人事件を研究対象にしているあたりもあって、大学院では学生たちに“東海大の唐沢俊一”とか言われているんではないか、と、ちょっと想像。

それからネット散策。うれしい批評二つ見つけた。ひとつは先日放送されたNHK−BS『とことんあしたのジョー』オープニングの回の私の力石論で
「鳥肌がたった」
というもの、もうひとつは植木等氏死去で「唐沢俊一の『ポケット!』がもう一週間続いてくれていたら、いい追悼番組が作られていたろうに」
というもの。特に後者は嬉しい評価であった。前者はトンデモ、と言っていたサイトもあって、笑う。

あと、『創』の編集のKさんの日記に、某少女マンガ誌編集長の談話として、“今の読者は漫画のコマ割が読めない”という話が出てきた。携帯でしかマンガを読んでいない世代は、マンガ雑誌を見ても、コマとコマの間の進み方がが分からない。右から読んで左に行ったり下に行ったりという流れが、難しくて読んでいられないのだとか。
大衆文化があまり発達していくのはよろしくない(あまり無邪気にマンガの技術的発展万歳しか言わない評論が最近多いのであえて言うが表現の向上は衰退への道である可能性もあるのだ)、などと言っている身ではあるが、これはあまりにバカすぎる。

昼は弁当。鰻とゴボウの煮しめに卵焼き、ご飯は花見弁当風に俵型おにぎり。某件関係者日記を読んだら、部門のチーフ氏の髪型のことが書いてあって、あ、やはり社内でもみんな気にしているんだ、とわかって笑う。山田五郎ソックリなのだ。

1時45分、タクシー迎えに来てオノと二人でお台場フジテレビへ向かう。例の、すっかり記憶から消えていた『斉藤舞子の合縁奇縁』収録のため。しかし、赤坂のTV局に通い馴れていた身にとっては、お台場はやはり遠いねえ。送迎の出るテレビならともかく、交通費自弁のラジオでここに通うのはつらそう。ニッポン放送が有楽町に戻ったのもうなづける。以前、まだニッポン放送がここにあった時分に『高嶋ひでたけの お早う!中年探偵団』に出たことがあったが、あれは早朝番組だったのでタクシーが出たのであった。

今日は何か国賓が来日するとかなんだかで交通規制があるのではとふんで迎えを早くしたらしいが、そういうこともなく案外スムーズに到着、30分早かった。プロデューサーのK氏自ら迎えに来てくれる。

スタジオ内で斉藤舞子アナと初おめみえ。細いのにびっくり。あと、ゲストの前で平気で鼻歌を歌う天然ぶりにびっくり。宇多田ヒカルのだったが、
「私、このあいだ、初めてメイク室で宇多田さんとあったんですよー! テレビで見るより、ずっと大きくて、太っているのに驚きましたー!」
と言うので、私もKプロも、同意の言葉を述べようとしたら、
「そしたら、その人、宇多田さんじゃなかったんですよー!」
にひっくり返る。先に言えって。

トーク、1時間20分、結局回した。何の用意もしていなかったわりにはつまることもなかったが(なにしろ、台本が表紙入れて2枚しかない。私もいろんな番組出ているが、これほどオマカセなものも初めて)、盛り上がりはそれほどなし。私がも少し、斉藤アナに怒ればよかったのかもしれない。

それでも、“エクワドルの土ボタル”が出てきたときには大喜びしました”という、唐沢商会ファンのKプロには満足してもらった模様。タクシー出してもらって、オノと新宿まで。やはりテレビは時間を喰う。もう5時半。夕焼けの東京、ちょっとノスタルジー。オノと来週水曜の『ピンポン!』の話をしていたら、西手新九郎でその『ピンポン!』から電話。再来週の出演依頼が入った。能登旅行から帰った翌日か。それにしても連続。

新宿到着6時。メシでも喰っていこうと、最初は末広亭並びのステーキハウス“あずま”に行ったが、本日貸し切り。じゃア、と、新宿三丁目の以前から気になっていたビニールがけの立ち飲み居酒屋に行く。

立ち飲み屋ではあるが、椅子席がほとんど。時間が早かったので、カウンター席にサラリーマンがひとりかけているだけで、ラジオでは野球中継。オノが
「実に正しい居酒屋風景ですね!」
と。ビールと、オススメの地鶏刺身、味噌ゴボウ、串揚げセットなどを頼む。アタリで、地鶏も味噌ゴボウも上等。ポテトサラダには黒胡椒たっぷりでこれも結構。日本酒熱燗に変えて、塩もつ煮、ハムチーズ揚げなど。風が強く、ビニールのシートがバタバタとはためくが気にもならず。やがて客が続々と入ってくる。

この店、酒もつまみも結構なのだが、女性客が多く、最近立ち飲み屋がブームなのと、ここの店員さんにイケメンが多いせいだろうと思っていたのだが、どうも、OLさんが、ここで若い男性サラリーマンと
合コンのミニ版みたいなことをする、その出会い系クラブみたいなことを店がやっているような感じ(よくわからんが)であった。途中から、オノと“なんなんだろうね”とささやいていたが、最近、こういうの流行りなのかね。

腹をふくらしたかったので、そこを出て、二丁目のへぎそばへ。またここでも焼酎飲んで、あとそばを啜って、タクシーで帰宅する。時間はまだ9時半。本片手にベッドに入って、少し読んでいるうちに沈没。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa