裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

25日

日曜日

大山倍達は二度ベルを鳴らす

“達”しか合ってません。

※1日中山道、じゃなく引きこもり

昨日はベッドに入ったのがまだ9時前、にも関わらず目が覚めたのが朝の8時半。ほぼ12時間眠っていた。仕事場の電気も暖房もつけっぱなし。しかし、おかげで風邪が重るのだけは何とか回避できた模様。

入浴して9時朝食。ブドー、リンゴ、アスパラガススープ。まだちょっと関節がガクガクするので、今日は稽古も談笑の会も欠席して、おとなしく原稿書きの予定にする。小林麻耶アナ、交通事故だとか。オノにメール、お見舞いを送る算段する。

昼は母の室で鴨南蛮。自室でまた原稿。書き下ろし本の落とし所、苦労するがやっとキーワード見つける。あとはひたすら書き。

三遊亭円楽、引退との報、ネットニュースで。円楽師に関しては、脳梗塞で倒れた2005年10月14日の日記に、前倒しの追悼のようなことを書いている。
http://www.tobunken.com/diary/diary20051014000000.html
これにつけ加えるべきことは基本的に何もないし亡くなったときも同じことをやるのだろうが、昭和40年代の円楽のテレビ・ラジオ・雑誌等での売れ方の凄まじさは、あれは実地に見た者でないと信じられまい。円楽にあって談志にないものは色気だった、ということも若い頃の円楽を知らないと想像もつくまい。これは師匠が武骨な小さんと艶笑落語を得意とした円生であったという差も理由だろうが、とにかく円楽は大人のお色気話を売り物にして、深夜番組やラジオではトークの才を披露し、テレビでビリー・ワイルダーの『七年目の浮気』をやったとき、なんとナレーションが円楽だったこともあった。そんなお色気時代の円楽の声が聞きたければ
http://tinyurl.com/3836g4
これを、って品切れか、もう。『ポケット!』で流そうかな?

夕方、ちょっと外出しようかと思ったが母から電話で、外でちょっとトラブル起こしたというので自宅待機(大したことなくすぐ解決)。DVDを仕事中環境ビデオ代わりに流す。こういうとき、スターウォーズってのは便利。しかし、ネットつなぎながら原稿書きというのは便利だがちょっと気になった資料本やDVDをすぐさまアマゾンで買い込んでしまい、金がどんどん出ていく。

8時半、母の室で夕食。リクエストでトンカツ揚げてもらう。ソースはつけずに塩と胡椒で。あと、ワカメ酢とシャケ茶漬け。テレビでテレ東の『昭和を駆けたスター同窓会』を後半部分、見る。いい時代にいい青春を送った人々がうらやましい。

編集者から催促のメールなど来てしまったが、なんとか一章分、書き上げてメール。風邪でやはり頭がフラつき、ちょっと横になる。まだ仕事場に暖房つけっぱなしだったと気がついて、起き出して、ついでに寝酒と思いホッピー二杯。飲みながら、肴代わりに『Bの墓碑銘』原稿などちょこちょこ。下巻は2004年1月2日に死んだ女優のリン・カートライトの項目から。

何の情緒もない、映画の題名を並べただけの経歴を眺めているだけで、その人生が浮かび上がってくるのがこういう仕事の醍醐味。B級映画の、それも脇役専門女優で、『WASP WOMAN』や『QUEEN OF OUTER SPACE』などのSF怪奇ものや『THE RIBALD TALES OF ROBIN HOOD(ロビン・フッドのみだらな冒険)』などのエロものに出ていた人だが、その出演歴の特異さが、逆にスティーブン・スピルバーグたち新世代の監督にカルト女優として記憶されたのだろう、80年代に入っても『大草原の小さな家』や『ダイナスティ』などのテレビシリーズにゲスト出演を続け、最後の映画出演は92年、トム・ハンクスやマドンナ主演の、第二次大戦時に実在した女子野球リーグの話を映画化した『プリティ・リーグ』で、主演の一人ジーナ・ディビスの、“現在の”姿を演じて話題になった。ある意味、見事な映画人生を送ったわけである。何か感動すら覚える。

なんてことをやっているうちに1時半。あわてて、ロン三宝風邪薬のんで寝る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa