裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

14日

水曜日

完全草津マニュアル

「ええ、だいたい死ににやってくるお客さんは特徴があってすぐわかりますねえ」
            (草津温泉某旅館ベテラン仲居さん・談)

※『創』対談 『オタク大賞』打ち合わせ(スカ) 『と学会年鑑』書き足し原稿 PR誌『アスペクト』コラム

朝8時45分起床。また寝坊。風邪かな、と思う。頭の後ろのズキズキ、麻黄附子細辛湯をのむとやや、おさまる。気圧のせいかもしれぬ。朝から濛(こさめ)蕭々。朝食、リンゴ、柔らかいイチゴ。パンプキンの濃厚スープ。

『創』対談、11時半マークシティエクセルホテル内エスタシオンカフェ。11時に家を出るはずが11時15分になってしまい、かつ、対談場所をエクセルシオールカフェと間違ってとまどい、30分遅刻。岡田さんはその間、編集にK女史を口説いていた模様(後日岡田さんから“くどいていたのではなく、自分の落語会に来てくれなかったことで文句言っていた、と訂正あり)。

今日のテーマ、“「頭がいい」という価値観の凋落”について。
「僕は頭がいいのにどうしてこんなに貧乏なんでしょう」
と岡田さんに相談してくる“頭のいいバカくんたち”が多いそうである。前から思っていたこともあり、かなり過激な言を発してとばす。Kさん曰く
「今回も一回掲載ではもったいない」
と。あと、単行本の打ち合わせも少し。ラウンジから見る雨の渋谷。雨の昼間というのはビジュアル的には大変に好みなのだが。

対談終って(1時半)、濛の中、事務所へ。新楽飯店、改装かと思っていたがどうも閉店なのではないか? 中はもう何も残っていないまでに取り壊されていた。また昭和がひとつ、消えた。あせらざるを得ず。仕方なく唐そばのつけ麺。スープの中にうまそうなチャーシューの細切れが浮かんでいるがダイエットを思って食わず。黄色い、マッチの軸のような細片が入っているので、黄ピーマンかと思って齧ったら、タクアンだった。これがここの大人気スープの隠し味なのか?

事務所でメール連絡いくつか。電話も頻々。3時、時間割。『オタク大賞』につきグラナーテとの打ち合わせ、の筈だったが待てども現れず。むなしく帰る。明日のイベント打ち合わせと合体してしまったのだろうか。帰って楽工社『と学会年鑑』原稿書きたし一本。書き上げて送ったら機種依存文字があったらしく文字化けしていたというので、そこを削ってまた送る。

さらにアスペクトのPR誌『アスペクト』のコラム原稿。雑学から入ってマニフェストで落とすという裏技。あと、某編プロから、原稿ナオシの要請が来た。正確さというか、まあ文句のこないような無難な表現に変えて欲しいというもの。しかしそれをすると全く面白くない原稿になってしまうので、ナオシは拒否、で返信。どうなるか?

札幌ブルーゲイルとの連絡とって、オタアミ公演を7月8日で仮決定。予定ではオノやバーバラも連れて、東文研社員旅行といった趣になる(旅費は自腹だが)。母もついて来るという。なをきからメール、二人合作のエッセイマンガからいくつかをチョイスしてコンビニ本として出したいという話がこないだ来て、OK出してすすめていたら、別の出版社から、その、つまんだ残りのエッセイマンガで別のコンビニ本を作りたいという話が来たという。まあ、いばら美喜風に言えば“ムダがない”(『みな殺し』より)ってところだろうが、しかしよく嗅ぎつけてくるもの。

夜は母の室で食事。うちのマンションは電子ロックだが、その鍵が私の室と母の室の二つがあり、当たり前だが同じ鍵なので、見分けがつきにくい。一本に赤いマジックで印をつけて見分けているのだが、今日、かすれてきたので塗り直した。大したものというか、マジックインクのインクの厚みが加わっただけで、差し込むときの抵抗が増す。

夕飯はハッシーからいただきものの金目の干物、コンビーフポテト、ワカメの酢の物。食べ物はみな美味いが、缶ビールはグラスに注いでのむとやはりまずいな。自室に戻り、B級映画人追悼録『Bの墓碑銘』・下の資料調べで、刑事コロンボ『殺人処方箋』のDVDを、原語バージョンで見る。犯人(ジーン・バリー)の秘書のミス・ペトリの役をやっているヴァージニア・グレッグの声を聞くため。

このヴァージニア・グレッグ、ラジオ声優で、あのヒッチコックの『サイコ』のノーマン・ベイツの母親の声をやっている女優さんなのである(『サイコ2』『サイコ3』でも)。そのを確認しようと思って見る。なるほど、恐い顔だ(声は普通に出していた)。なお、オリジナルの『サイコ』ではノーマンの母親、ノーマ・ベイツ(この母と息子の名前の相似も不気味)の声はグレッグの他にあと二人の女優が担当しているそうだが(なんでそんなことしたのか)そのうちの一人、ジャネット・ノーランも、『コロンボ』では『二つの顔』と『策謀の結末』に出演している。オーソン・ウェルズの『マクベス』でマクベス夫人を演じた女優でもある。

気圧が上向きか、昨日は鬱々だった気分、今日はやたらハイ。ホッピー三杯。ちょっと飲みすぎ。寝る前にミクシィのぞいたらミクメールでテレビ出演の依頼が来ていた。何か、普通のメールで来るよりミクメールで来るとドキドキしてしまうのは何でだろう?

Copyright 2006 Shunichi Karasawa