裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

9日

木曜日

殿に自腹切らせた罪でお付きの者、切腹。

 あのとき財布さえ忘れずにいれば(遺族・談)。朝5時起き。まことに心地いい気分の起床だった。ミクシィのぞいてみるが、この日記にミクシィのことを書いたとたんに足あとたくさん。ブルネイ皇太子が17歳の女性と結婚。わが皇太子殿下も祝福に駆けつけた友好国の祝事にこんなことしか思い浮かばないのはまことに遺憾ではあるが、ブルネイと言えばもう、こっち(裏者)にとってはAV女優の村上麗奈を一晩500万で買った国、でしかない。あのときのブルネイ王族というのは、誰だったのか。やはり向こうの意向を受けて外務省が取り持ったわけか。いわゆる海外要人への人身御供役として、当時、容姿のバタ臭さではAV界一であった村上麗奈という選択眼には誰もが膝を叩いた(そうか?)と思うが、彼女の指名は、やはりAVマニアの 若手官僚がまかされたわけであろうか。

 フィギュア王図版原稿バイク便で送る。折り返しという感じで撮影終了のメール。キャプションを書いて送る。『トリビアの泉』、改変期で新担当決まり、挨拶メールが来る。ネタだし等、少しこれまでより深く関わらねばならぬ仕儀となりそう。とはいえこちらも忙しいので、なんとか向こうに働かせて楽をする方法を考える。

 昼はダイエットオニギリ。高菜が一杯混ぜ込まれたものでおいしい。ちびちびと食べて腹を満足させるように勤める。いじましいねえ。蒸し暑くて顔がすぐベタベタになり、何度もギャツビーのフェイシャル・ペーパーで拭く。ダイエットをしていると脂汗をかくようになったり、体臭・口臭がきつくなったりするというが、本当のこと かもしれない。代謝の活発化のせいであろう。

 3時、時間割。河出書房新社Sくん。メモをプリントアウトして持っていこうとしてプリンターを動かすが、紙をいきなり十枚近く噛んでしまい、これを除去するのにえらい時間がかかる。時間になってあきらめて喫茶店。構成についてSくんと打ち合わせ。イラスト担当どうしましょう、という件についてSくんが提案してきた名前に 思わずにやり。

 幻冬舎原稿、6時半ころまでひねくって、それから新宿へ出て買い物。7時50分に山手線新大久保駅で待ち合わせ。と学会食いしん坊メンバーズのS山さん、S井さん、高橋のび太くん、I矢くん、開田夫妻、私とK子、それにうわの空の島さん、カイヤさんを加えて、グリーン食堂で久々に犬鍋(ポシンジョンゴル)食べる会。高知出張中とミクシィ日記で読んでいた電脳丸三郎太(このハンドルネームの元ネタももうわかりにくくなっているな)さんは後から駆けつける(高知から!)との由。大久保通りに小ぎれいなグリーン食堂の看板掲げた店あり。支店が出来たと聞いていたがこんな通り沿いだとは。隠れ家みたいな本店とは対照的。ただし、グリーン食堂紹介者の世界文化社D編集長女史によると、ここは行っちゃダメ、なのだそうだ。

 久しぶりのグリーン食堂であったが迷うことなく無事、たどり着けて、開田夫妻、島・カイヤの席に着く。私が注文を引き受けるが、なにしろホントにひさしぶりなので、いろいろ食べたいもの山積み。まず豚足から行って、それからタン塩、豚腓骨、三段バラ(このネーミングが笑える)塩焼き、チヂミ、生豆腐鍋に補身ジョンゴルとフルコース。それに加えて、ここの新メニューでDさんが大推薦の秋魚鍋、つまりドジョウ汁を頼む。カイヤさん、今日はいつものヒゲ面で、メガネをかけてアポロ帽をかぶると、マイケル・ムーアに似ている。いろいろ似ている人ではある。

 タン塩さっぱりしていて美味、豚腓骨対照的に濃厚で、骨の周囲の肉を囓りつつ。三段バラは脂落としの溝のついた、変な鉄板の上で焼く。これが甘味たっぷりで結構であった。それから出てきたドジョウ汁、てっきりドジョウが丸のままで入っているもんだと思ったら、エゴマの葉と共に、本当に身がホロホロになるまで煮込まれている。骨もほとんど粒状になっており、この骨と身から濃厚なダシが出ており、一口すすると、これがンまい! 今日は食べるものが多いので自粛しようと思ったが、何条以てたまらん、すぐご飯を一人前注文して、みんなで分けて汁にぶちこんで(ここらが日本風。韓国なら汁をご飯にかけるだろう)食べる。これとキムチのランチ定食があったらダイエットも捨てて通い込んでしまうだろう。開田さん、うなるような声を あげる。

 途中で無事、電脳丸氏も到着。真露キュウリ割で乾杯数度。生豆腐鍋、ひさしぶりで美味。そして最後の補身ジョンゴル、鍋の汁の中にとろとろととろけるコラーゲンの旨み。ここまででたぶん普段の二倍の量を食べているんだが、それでもスイスイと胃に収まり、“最後にこれでおじや!”と頼んで店のお母さんに笑われる。汁気をほとんど飛ばしておこげを作ったおじやの魔味。結局、やはり支払いが普段の倍であった。島さんとの話も前向きなことたくさんで、気分よく酔えたのはいいが、やはり酔いすぎ。開田さんとタクシー乗り合い、帰宅12時をもうかなり回っていた。

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