裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

3日

月曜日

私、脱いでも修道院です

 この元フレーズももうかなり古いな。ところで尼さんに欲情するフェチの人は多くて、尼さんもののエロ映画、ホラー映画、マンガから馬鹿グッズまでを集大成したスティーブ・フェントーンの『ANTICRISTO』(2000、英)というマニア本がある。320ページもある大著。イタリアがやはりこのテのものの本場らしいが(私もイタリア旅行の際、キオスクで〈!〉ひとつ尼さんエロ雑誌を購入した)、日本もなかなか盛んで、数多くの作品が取り上げられている。『スケ番刑事2』『1ポンドの福音』から『二代目はクリスチャン』、多岐川裕美の『聖獣学園』など映画、高村ルナの『修道女ルナの告白』をはじめとする日活ロマンポルノの尼モノ、『レイプマン』からの尼さん陵辱シーン、同じくアニメ『アドバンサー・ティナ』の尼さん陵辱シーン、長崎みなみの『聖女のハードレズ』、菊池エリの『D−CUP美少女・シスターL』、つかもと友希の『淫行懺悔室』などAV群、ぱぱんの巨乳シスター画像、森山塔の題名不詳のエロマンガ、『悪魔くん』の大怪魔の化けた修道女、なぜか瀬戸内寂聴、果ては神戸新開地の尼さんストリップのカンバンまで、よくこそ集めたと舌をまく一書。協力者の欄に日本人名はEIKO MIZUNOというのがひとつあるきりだが、マサカあの水野英子じゃないよねえ(大体、あれは“ひでこ”だった はず)。

 夢で、実際にはいない親戚“F叔父(夢の中でも仮名)”というのが出てくる。親類一等の嫌われ者で、常になにやら怪しげな詐欺商法みたいなことをやってみんなに迷惑をかけているが、あまりにずうずうしすぎて憎めないという設定。うんと小柄なずんぐりむっくりの体型で、べっこう縁のメガネをかけ、作務衣みたいな着物に宗匠帽をかぶり、ちょこまかと歩き回る。さて、誰がモデルなのか。7時起床。朝食はいつもの豆サラダ、ミカン。NHKの『まんてん』はスペースシャトル事故への追悼テロップを流したとやら。確かに、こういうドラマには迷惑な話だろう。しかし、見た限りではどこの新聞もテレビも、“この事故を乗り越えて人類は宇宙に挑戦し続けねばならない”みたいな論調でつまらない。原発事故のときはそういう発言がまったくないくせに。

 宇宙開発はロマンだから、というならダム開発だって昔はロマンだった。『黒部の太陽』なんて映画まであったくらいだ。ダムが見直されている昨今、そろそろ宇宙開発も見直した方がいい、という意見ももっとあるべきではないか(私がその意見だ、というのではない。何によらずマスコミの論調が一辺倒であることのおかしさを言っ ているんである)。

 郵便局へ行き、振込など。そのままどこかでラーメンでも食おうかと思ったが、昨日昼飯を食わなかったので、買ったものがそのまま残っていることを思い出し、帰宅して昼食。根深汁と納豆飯。そのまま仕事。つい、本などを読みふけって逃避。いかんいかん。河出書房Sくんから電話。インタビュー先との交渉報告。その打ち合わせを終えて仕事に戻ると、またすぐSくんから電話。こっちは別件で私がインタビューを受けるという仕事についてであった。合わせ鏡というか、作用と反作用というか。

 まだ詳しく書けないが、著作が韓国で翻訳出版されることになった。相手側との交渉をどうするか(出版社にまかせるか、こっちサイドで全部やるか)が問題。と、いうより、言ってきた本がドウ考えても翻訳で面白みを伝えるのが不可能、という本であるのだが。本当に翻訳できるの? その他、次の本の件、落語本の監修についての件など、一度に来て目が回る。アスペクトの『社会派くんが来た2(仮題)』原稿、 ちょこちょこ。

 ナンビョーさんのところから来た、アンケートメール。“K子先生の性感帯はどこですか?”という質問。それはサイフの中でしょう。ここに金が入ると濡れる。“自分で気に入っているダジャレタイトルは何? という質問。この趣向を始めた初期に“チェーンソーと平和”と言うのができて、自画自賛し、人にも褒められ、“このレベルのものをもう一回作ってみたい”と考えて、今の泥沼に至った。あれがなければ一ヶ月くらいで“もう大変になったのでやめる”となったろうが。

 8時半、渋谷沖縄料理『沖縄』。カード読み取り機が壊れているとかで、そのせいかお客が少ない。店員の女の子でやたら背が高い(男性店員が低すぎるのか)、手足のスラリというよりヒョロリと延びたスレンダーな子がいて、やたら目立った。ミミガー、くーぶいりちぃ、アーサ汁、里芋のから揚げ、ラフテーなど。どうも味付けが甘くなっていかん。“覚えておくと便利な沖縄言葉(うちなー口)というペーパーがカウンターの前に貼ってある。“血がドバドバ出ること”を、沖縄では“ちぃーごーごー”と言うそうな。覚えておくと便利、というよりこれを使うような事態になったら大変なのではないか? もっとも、膝小僧をすりむいて血がにじんだ程度でもやっぱり“ちぃーごーごー”なのだそうだが。オリオンビール小二缶、泡盛古酒一合。帰宅してベッドに入ると、猫が入ってきて、頭を撫でてやるとゴロゴロ喉を鳴らす。足はやや、回復した模様。

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