裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

29日

金曜日

非でぶ!

 おまえはもう痩せている。朝、睦月影郎さんに高級中華料理店で“一本指でやるオナニー”の仕方を教授される、という夢を見る。これも実際にあってもおかしくない状況だな。7時半起床、朝食はオニオンスープ。市販のスープは中のタマネギの量が少ないので炒めタマネギ(ハチ食品)を少し足す。このレトルトの炒めタマネギはカレー作り用なのだろうが、他にも幅広く応用がきく。チャーハンや野菜炒めなどにまぜてもおいしい。

 新聞に新日本プロレスの棚橋弘至が交際中の女性に刺されたとの報道。女性はスカイパーフェクTVに出ているとのことだったので、パンドレッタの子じゃないか、と思ったのだが、違うようだ。ネットで調べてみたが、朝日新聞の見出しが『プロレスラー棚橋弘至さん刺される 容疑の交際女性逮捕』。京都新聞が『レスラー棚橋さん刺される 容疑でTVアシスタントの女逮捕』。サンスポあたりになるといかにもスポーツ新聞で『“痴情のもつれ”で棚橋が女に刺される』、一番エゲツなかったのが日刊スポーツで、『棚橋刺される!全裸女逮捕』。記事を読むと、別に全裸で逮捕されたわけではなく、“事件直後、容疑者は全裸で自宅前に飛び出し、棚橋と別の小柄な男と話し込んでいたという目撃情報もある”というものでイツワリありなのだが、読んでしまった段階でこっちの負け。

 明日の静岡講演の準備に忙殺。ビデオをチェックしたが、あまり話す予定の内容にあったものはなし。あと、新幹線の時間を調べたり。大学時代、初めての下宿生活での隣人が静岡の出身で、金に困るとちょくちょく実家に帰っては親に援助をねだっており、家が近い奴はいいなあ、とうらやましく思っていたが、三十年近くたってその静岡へ行く交通機関を調べてみると、新幹線で一時間半もかかる。

 時間が半チクになって、まとめた仕事が出来ない。冬コミの翻訳マンガの、著者プロフィールをネットで検索する。宇宙戦艦ヤマトのパロディっぽい作品を描いているやつの作品歴を調べたら、『ロボテック(マクロス)』RPGのマンガを担当している他、ドイツ軍オタクでもあるらしく、第二次大戦RPGのマンガ版なども描いている。いかにもステロタイプという感じである。で、夢は『巨人の惑星』をマンガ化することなのだそうだ。典型的第一次世代オタクである。

 昼は青山に出て、資料本をちょっと探索し、夕食の素材を買い、昼食にまたチャーハンと鶏肉炒めを買って、おとついと同じく食べる。体重が今朝計ったらまた1キロ減っていたが、これから数日で太るような予感がする。1時、千葉のどどいつ文庫さん来。例によって、裏庭にレンガを飛ばすカタパルトを作る、その作り方マニュアルとか、50年代60年代のいかにもまずそうな料理写真集とか、男の射精の瞬間の表情の写真集とかいうバカ洋書たくさん。

 書庫にもぐってあれやこれやと資料を探し、一日が暮れる。『ウルトラQ』のガラモンの回の中のセリフ(原稿に使う)を確認するためにDVDを見るが、結局一話まるまる見てしまう。夕食の準備。蛸と里芋の煮物、ニガウリとアツアゲの炒め物、それとマナガツオの蒸したの。マナガツオには鎮江産の黒醋をかけて。ご飯はおとついの冷や飯の温め直しだが、それでもうまいのはさすが。

 また『サインはV』。やっとジュン・サンダースが登場したが、どうみてもアジア系の顔を黒く塗ってハーフに見せているのは無理がありすぎで笑ってしまう。今、というか70年代になれば、ハーフの女優くらいいくらでも探してこられただろうが。ナレーションは納谷悟朗だが、心理をいちいち解説して、“「そうよ、私はクイーンなのだわ」と麻里は思った”などと女性言葉を使うのが珍。平山亨さんが、“今のドラマはナレーションをあまり使わないから冗長になる。あれくらいストーリィ展開を視聴者に納得させられる手法はないのに”と言っていた。確かにその通りだが、あまりに強引な展開もナレーション使えば出来てしまうという罠もあるな。こないだも書いたがこの番組、脇に木田三千雄や逗子とんぼなど軽演劇畑を多用しているのが特長だが、今回は宮田羊容(洋容)が出ていた。東宝映画で三等重役シリーズや、『ガス人間第一号』でおなじみ(『ウルトラマン』でもゴモラの回のお父さん役で出演)の人だが、本職は漫才師で、戦後の東京漫才では一時代を築いた人。羊容・幸江のコンビで私もよく見ていた。相方をいろいろ変える癖のある人で、最後は外人の青年と組んで洋容・フィリップなどというコンビでやっていたが、どれくらい続いたものか。

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