裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

20日

月曜日

信じようとダイナマイト

「主人が路上で爆発して死んだ」と通報。
http://www.zakzak.co.jp/top/top0517_3_06.html
 朝7時半起床。小雨である。朝食、昨日買ったアピオスという芋。ホドイモといって、調べると“アイヌが食べていた”と、あるサイトには記載されており、また別のサイトには、“アメリカからリンゴの苗木を持ってきたときに根の周りの土に混じってきた”、とある。よくわからん食い物らしい。蒸してブロッコリと一緒に食べる。味は素朴で、ジャガイモとムカゴの中間みたいな味。悪くはないが、毎日食べると飽きるな。

 気圧が乱れている、と天気予報でも繰り返している。最近は以前のように肩がキリキリと痛んだりということもないが(あれは極めて軽い四十肩だったのか?)、頭がボーッとして眠くなるのは変わらず。左耳の奥に、何かゴミでも入ったように“キチキチ”と、固いものがこすれるような音がする。いつも似たような音がしている気もするが、今朝はまたやけにそれが気にさわる。耳掻きで耳垢を取ってみても音は変わらず。かといって神経でもなさそう。これも気圧のせいか?

 ウイルスとおぼしきメールが今月に入ってすさまじく来ている。この数日がピークのようで一日十通以上くる。ソルボンヌのアドレスからまで来る。片端から削除しているが、やはり鬱陶しい。昼は六本木に出て、トツゲキ。朝を完全菜食にすると、どうしても反動で肉が食いたくなる。青山ブックセンター、平積みは『ウラグラ!』のみとなる。もちろん、文庫のところでは『トンデモ一行知識』も積んであるが。資料本を探すが、隣接分野のものはあれどそこのポイントずばり、というものはなし。悩むが買わずに出る。天気はよくなるが、気圧はまだ乱れているらしく、体調まるでダメ。腹もふくれていて、帰宅して4時近くまで寝る。

 4時、Web現代Yくんから電話で起こされる。“いまウチも非常にドタバタしている最中ですが、原稿はいかがですか”というので、一瞬なんでドタバタ? と考えてしまう。あ、そうか、少年マガジンの例の件か、と思い当たったが、同じ講談社というイメージが何かなかった。急いで書きかけ原稿にかかる。

 ワサワサと書き出す。書く前はいろいろとあちこちの引用を引っ張ってきて、分量を埋める算段をするが、いざ書き始めるとどんどんこっちの文章が多くなり、結局、大幅に削ることになる。まあ、“書ける”というのはいい傾向だ。私のように慢性スランプみたいな人間は、逆に原稿にかかったとたんに吐き気がする、といったような徹底したスランプにはなりにくい。7時半にアゲ、メール。書き上げて気分はスッキリしたが、体力をだいぶ使い果たした模様で、四谷荒木町までタクシー飛ばしている最中に、コックリコックリと居眠りをしそうになる。

 荒木町まさ吉。K子と井上デザイン社長と待ち合わせ。イワシシソ揚げは二人前しかなかったので、もう二人して食ってしまったとのこと。ここのお母さんの言うところでは、イワシが高騰して、怖くて買えないそうである。やはりクジラが食っているのか。牛すじ、卵焼き、焼き鳥などつまみながら酒。“今日は体力落ちているから、もうベロベロになりますから”と最初から言いつつ飲む。K子の容赦ない罵倒に神経がササクレ立つ思い。徳川夢声の日記にひっきりなしに妻の口の汚さに神経を痛める描写が出てくるが、こんなところまで夢声日記に似なくてもいい。井上くんがいなければケンカになるところである。井上くん、ソフボーイの指輪をしている。ちょっといい。ソフボーイとかコンクリートマンとか、フレーミングキャロットマンとか、ミルク&チーズとか、あちらの軽アングラコミックをまたまとめて読んでみたくなる。少年マガジン大麻事件のことなど(名古屋の大麻工場という名称がスゴい)いろいろ話す。モツ鍋食べて、11時半帰宅。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa