裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

24日

土曜日

林家ポンペイ

ちゃんら〜ん、ちゃんら〜ん、ナポリのみなさま、イタリア生まれの新潟育ち、ポンペイです!

家族全員がトゲトゲした言葉を投げ合ってケンカし家庭崩壊する、という夢を見る。嫌な夢ということになるんだろうが、しかしそのケンカの内容が、自分が今まで相手におごったり立て替えたりした金額のメモをつきつけて支払いをせまる、というようなもので笑ってしまう。家族(唐沢家)の夢はいい夢も悪い夢もよく見るが、たいてい祖母が出てくる。祖父は出てこない。

マイミク日記に立て続けに“パソコンが壊れた”という報告が四つも上がる。お互い同士はそう関係ない人々である。何か、パソコンなど電子機器には、壊れ出すと周囲で連続して壊れる、という傾向があるような気がする。

8時半起床、入浴。じめっとする気候。9時朝食、ジャガイモスープと夕張メロン。新聞に宗左近氏死去の報。例の“ゆんゆん”の人、と言えばネットでは知らぬ人はいないか。
http://www.seiryojoho-h.ed.jp/webt/syoukai/kouka/kouka.htm
もう6年も前になるがウェブ現代で初めてこの人の作品を紹介したときには、編集部じゅうに爆笑が響いたという。市川市賛歌だという『透明の芯の芯』
http://fweb.midi.co.jp/~monora/kuraya/sinsin.html
もすごい(少女の乳首の尖きに富士とがり)が、ライオン丸か、と思わず突っ込みたくなる校歌『風よ光よ』の、東京電気大学中学高等学校、という校名もかなり。
http://fweb.midi.co.jp/~monora/kuraya/kazehikari.html
日本語をわれわれは使いながら、無意識のうちにその日本語が枷になって思考の幅を限定されてしまっている。宗氏の詩(詞)を読んで感じる、どこか根本的なゆらぎ感覚は彼が日本語の枷から徹底して自由だったことのあらわれではないか、と思うのである。もちろん、その枷の中でわれわれは同族意識のようなものを作り上げているので、宗氏の駆使する日本語に異質感覚を覚えるのだが。

3時に事務所でトテカワYさんに原稿受け渡しの約束で、それまでは今日は何もないから、と余裕でいたら冗談じゃない、雑用多々。家を出るのが1時過ぎになる。昼飯をサントクの向かいにあって前から気になっていた定食屋でとる。小さな、昭和っぽい外装の定食屋で、ひょっとして隠れた名店かも、と思って入るが、予想に反し普通の定食屋で、エビフライ定食を頼んだがまあ、こんなもんかという味。ただし安いのは結構、エビフライ3本にゆで卵、おしんこに味噌汁、ご飯で650円。

渋谷へ出る。タクシー待ちしていたら自転車に乗った男の子に
「カラサワ先生!」
と声をかけられた。そう言えば『世界一受けたい授業』からまた出演依頼電話あり。公演にカブらないといいのだが。

渋谷でまず今日のラジオの挨拶文書いてコミュニティにアップ。はれつさんから椅子が届いた。肩凝り対策にいい椅子を買ったので前のをくれる、というもの。しかし届いた箱があまりに巨大で驚く。なんとか中から引っ張り出した。階下の仕事場に持って降りるのは大変かも。

原稿、トテカワYさんに渡す分、あまり進まず。時代設定をこれまで意識的にぼかして書いていたのだが、ちょっと考えてきちんと設定してみた。こうすると書きやすくなる。制約も多くはなるが。

3時受け渡しの約束を4時に延ばしてもらう。Yさん、今日はなんとメガネ。近眼のメガネだとせっかく彼女のチャームポイントである、大きなタレ目が小さくなってしまって魅力が薄れる気がする。昔のドラマの定番の、“メガネを外すとすごい美人”というのは、こういうことを現しているのか?

Yさん原稿読んで、時代設定の規定はとてもいい、と言ってくれる。そそくさと帰っていったのは何か次の予定が時間遅めたために間に合わなくなりそうだったからか、メガネが似合わないと言ったのでフクレタのか。

眠気が急に襲ってきて、仮眠室の布団の上で1時間ほど寝る。気圧のせいか? 起きて5時半過ぎているのを知ってあわてて稽古に出かける。新宿までタクシー、それから荻窪までJR、しかるのちバス。上井草の集会所。よくこんな住宅地の中にあるなと言うような集会所。『コムテツ』稽古。私と菊ちゃん、乾ちゃんのからみのところに橋沢さんから細かい演出つく。それから、落とし穴に落ちた私の捜索に菊ちゃん扮する警視正がやって来るところ。後者は舞台に出る人物の数が大勢で、にぎやか。いろいろギャグがアドリブで入る。しかし稽古が楽しい。今日はと学会の会合で早退しなくてはならないのだが、惜しいくらいである。

7時半、集会所を出てバスで荻窪駅、JRでお茶の水、そこからタクシーで日暮里。これが最も時間的に早いルート、と計算して行ったのだが予想違わず、10分ほどの遅れで谷中の『大木屋』に到着。トンデモ本大賞授賞式2006、お疲れさま会と来年の開催の第一回打ち合わせを兼ねて。IPPANさん、しら〜さん、談之助さん、植木さん、開田夫妻、K川さん、S井夫妻、I矢くん、のび太くん、FKJさん、K子に私、と総勢14名の大所帯。私は遅れたのでテーブル席。

カツオのたたきから始まって、フルコースで巨大肉、ホタテとネギ、それからメンチカツ、しかるのちもんじゃ。『日本沈没』で食べてたもんじゃはこんなもんじゃではあるまいが、映画の真似して日本酒飲みつつ。それにしても癖になる味である。

打ち合わせもやる。来年のスタッフ体制につき、ちょっと意見の対立あり。なにしろ全員手弁当での参加なので、IPPANさん、私、しら〜の三頭体制で行く、と仮にだが決定で。

11時、辞去。大将にちょっと頼まれ事される。いや、そんなことならお安い御用。みんなは帰るがもう少し飲みたい組の開田夫妻、私、しら〜、植木で、談之助さんの案内で根津の『居酒屋兆治』なる店に。
http://tmocean.parfait.ne.jp/mt/archives/001549.html

100種類以上のサワーが揃っているというウリの店で、なるほど、店内には“フカヒレサワー”“青汁サワー”“コラーゲンサワー”“味噌汁サワー”“おなかすっきりサワー“みつ豆サワー”“汁粉サワー”“ヨン様サワー”などといったお品書きがずらり。いろいろ雑談しながら、私は“ねぶたサワー(りんごジュース)”と“青汁サワー”、あやさんは“みつ豆サワー”、メンバー中最も一番チャレンジャーな植木さんは“汁粉サワー”と“味噌汁サワー”を試していた(要するに缶詰め飲料をいっぱい揃えてそれをサワーで割るだけ)。12時過ぎまでいて、タクシー分乗で帰宅。タクシー代を支払っておくのを忘れた。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa