裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

17日

木曜日

鋼のジェンキンス氏

 私たち家族のつながりは鋼鉄のようです(曽我ひとみさん・談)朝、6時20分起床。昨日とはうって変わった好天気。陽気もポカポカと暖かい。しかし、気分は昨日より悪い。いささか鬱っ気。昨日張り切りすぎたせいかもしれない。低気圧の日はや はりオソレ入ってじっとしているがよろし。

 入浴、ミクシィなど。朝食8時。ミカン、リンゴ数切れ、半熟卵。よくわからぬ入金通知あり。この入金元はどういうところだとK子訊くが、全く思い出せず。雑多な 仕事しているからな。

 10時半出勤。車内で週刊誌類3,4誌読み飛ばす。講談社FRIDAY、増刊号コラム、10行ほど足して欲しいとのFAX。すぐ足してメール。削った雑学が復活でき、また新しいものも一つ入れられた。ゲラ見るが、今回もみずしな孝之さん表紙の同人誌『ゴミビア』、かなり大きく宣伝してくれていて結構。編集のTくんはこの表紙かなり気に入っている模様。昨日の単行本打ち合わせのときにも
「これ、そのまま表紙でどうですか」
 とか言っていた。

 昼はオニギリ、カップうどん。日能研から電話、紀田順一郎先生との対談の件。2時時間割にて打ち合わせ、TBSのO氏。
「『世界一受けたい授業』特番、高視聴率おめでとうございます」
 と言われる。データが各局に回っているらしい。あの日は裏番組のNHKがトップだったはずだと思ったが。それはともかく、その高視聴率のおかげで、O氏と進めている特番、最初はスーパーバイザーとしての参加で、あまりオイシクないので、出演もさせて欲しいとお願いしていた(それだとバイザー料と出演料と、両方とれる)のが、向こうの方から出演していただいて……と言ってきた。他人のふんどしで相撲を取るというのはこれ。ただし仕事量も多くなりそう。多くなるばかりか、6月という 話だった放映時期が5月半ばと早まって、火を噴きそう。

 帰宅、GB原稿ゲラチェック。担当編集のHさんが風邪で倒れていて、代理の人から催促あった。風邪、流行ってるなあ。某教育関係誌から紀田順一郎先生と対談してくれとの依頼。ちょっと緊張する。荒俣宏氏や横田順彌氏をくんづけで呼べる人である。古書コレクションの大家、それこそ“私を作った人”のお一人である。気後れしてしまい、
「私のようなエセ古書マニアとあちらが対談してくださるかどうか」
 と言って断ろうと思ったら、
「いえ、紀田先生にはすでに承諾はとってあって、“面白い対談になりそうだね”とのことで、大変楽しみにしていらっしゃいます」
 とのこと。逃げられない。

 電話、数本。今の私が一番やりたいと思っている仕事が、頭の上を通り越して友人に行ってしまったことを知って、地団駄を踏む。まあ、金にはならないしスケジュールはキツいし、他の仕事の大いなる障害にはなるもの(これは“酸っぱいブドウ”ではなく、実際そうなのである)なのだが、くやしいことはくやしい。おまけに依頼先が、ちょっと酒席などでのネタになるところ。歯がみするがまあ、時節を待とう。

 仕事すすまず被害妄想のみ広がってくるので、全て放棄。SFマガジン用図版のみ出して、8時帰宅。開田さん、IPPANさんのお二人を招き、食事しながら去年のと学会東京大会の記録ビデオを見て参考にする会。……の筈あったが、参加予定者のminakamiさんが仕事で来られなくなってしまったので、食事をかたづけるピンチヒッターで、K子がみなみさんと、飲み仲間のブンさんを呼ぶ。ブンとは名前が文(あや)だからで、開田あやさんと同名。区別するためにこっちはブンとK子に呼ばれることに。ブンさんと私は初対面だが、彼女の人脈で、私にも縁の深い人たちが いろいろいるということを知り、驚く。世間は狭い。

 と学会の方はアイデアそろそろ固まったので、来月はじめにでも台本まとめて実行委員会をやろうとIPPANさんに言っておく。料理はギョウザ皮使ったサモサ風、マグロと山の芋の角切り、ネギ鶏焼き、鴨大根など。大根は能登からのおみやげ、よく鴨ダシを吸って美味。開田さんから、いつも海産素材専門のフラットで、このあいだは能登牛ステーキが出たという話を聴く。やはり行きたい。行きたいが忙しくていけない。何かそういう仕事があればいいのだが。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa