裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

7日

金曜日

蕎麦とラジオでソジオ、の記

おっさん二人が“人気投票がどうこう”と言っている夢を見て目がさめる。どうも今日の『ブジオ!』放送の件がいろいろこんがらかって見た夢であるらしい。朝6時45分に起きて入浴。

部屋に帰ってまた寝直そうとしたら朝食は7時半だという。下の朝食会場へ。ここもちょっと改装されていた。ご飯の質は変わらず。みんなきちんきちんと起きてきて食事するのは感心。

納豆とモヤシのキムチ風漬物、みそ汁で2杯。IPPANさんは四杯くらいお代わりをしていた。部屋にもどり、今度こそ、と寝直し。10時まで。起きて荷造り、ロビーへ。すでにヒコク氏も来て談之助さんなどと雑談中。『雑学授業』一冊進呈。

他にも欲しがっている人たちがいるというので、名簿送ってもらってサイン入れて郵送しますと言っておく。10時半、チェックアウトして出発。『末廣庵』へ。

大将がご機嫌でそこらを徘徊していた。穴のあいたシャツなど着て、知らなければそこらのプーが徘徊しているとしか思えん。

一昨年見た、鼻ピアスにタトゥーだらけの娘さんが見えないな、と思っていたが、あやさんが仕入れてきた情報によると、彼女は調理場にいる男前のダンナと結婚して、いま、子育ての最中なのだそうな。

で、その亭主の、煙火祭りでの写真が店内に飾ってあるが、それが上半身裸体で、腰にでかい七五三縄を巻いて、桶をかつぎ、その桶に仕掛けた(?)花火から上がる火花を全身に受けて仁王立ちしているという、粋というか鯔背というかすごい図。

大将の自らの説明によると、ここの奉納煙火は以前は神輿に花火をしかけて、互いにぶつかり合ったりするような凄いことをやっていたそうな。蕎麦は例年のように三人前盛りを。

地ビールでマイタケのてんぷらも食べる。談之助さんのカミさんはキノコ一切ダメ人間(だから見晴ではちょっと可哀想である)なのに、マイタケは大好物という人で、お代わりして食べていた。

土産売り場にまたスズメバチ酒があるので、ネタ用にと購入。上機嫌な大将も初めて加わって、コンクリートの像(ペンキでお色直しがされていた)でみんなで記念撮影。そこから『信濃路』へ。

雑談しながらソースカツ弁当を作ってもらい、犬の小春とちょっとじゃれて、気がついたらもう12時。

バス停前のおみやげ店『リンゴの里』で買い物。声ちゃんは蜂の子をせっせと購入していた。TBSへのおみやげ用お菓子などを買う。雑誌売り場で立ち読みしていたヒコク氏に『アサ芸』に連載していることを教える。今回はちょうど談志のことも書いてある。

さて、1時20分発のバスに乗り込み、伊賀良と別れ。平日なので車も少なく、行きと同じく渋滞もナシにスイスイ。あとは5時15分の新宿着を待って、ゆうゆうとTBSに乗り込み・・・・・・と思ったら、そこでトラップ。

須玉ICあたりでトラックの事故があり、ストップしてしまった。運転手さんから
「まださっぱり動いていないので、1、2時間このままかと・・・・・・」
と放送がある。ヤラレター! という感じである。放送第一回から抜くか?あわててTBSに連絡しようかと思ったところでゆっくりとだが動き出した。事故はかなりの大規模だが、炎上しているとか横転しているとかでなく、積み荷が道路上に散乱しているというレベルで、一車線にして通行できないことはないようだ。

事故現場を通過したとき、ピロリさんと開田さん、
「おお〜」
と嬉々として写真を撮っていた。道路工事用のプレートを積んだトラックのタイヤが外れ、ガードレールに接触したまま路上にプレートをバラまいたらしい。

ガードレールがエラいことになっていた。とにかく、そこを過ぎたあたりで完全にスピードも回復。やはり私は運にまだ見放されていないと思って安心した。

新宿で談之助さん、声ちゃん、ピロリさんと別れ、開田夫妻とタクシー相乗りでひとまず自宅へ。ざっと準備してさて、とトンボ返りでTBSへ、行きがけに開田さんに電話、今日開田さんリクエストの音楽をかけるので何か一曲持ってきてね、と。しかし全国32局ネット8時台の放送とは思えぬドロ縄だな。

TBS着、三連休の金曜で車が混んで10分ほど遅れた。六花マネ、開田さん、おぐり既に到着している。9階スタジオでIディレクターと落ち合い、いきなりスタジオへ。

小林麻耶アナと初顔合わせ。それからIディレクター、構成作家I氏と打ち合わせに入るが、サブタイトル『わた鬼』(私のまわりは鬼ばかり)の件含め、今日さっき、タッタ今決まったということが多くて私も小林アナもワタワタする。一番ワタワタなのは、ブログを読むパソコンがスタジオにあるのだが、それがなかなか立ち上がらない(本番15分前というのに!)ことである。

あわててスタッフが別のモバイル持ってきて、なんとか立ち上がり、どうにかこうにかココログが読めるようになったのが2分前。逆にこれで気が楽になった。おぐりもかなりアガっていたようだったが、蜂の子の缶詰めの
「賜天皇陛下御愛用」
というところを
「“たまわる天皇”さんがおたべになって・・・・・・」
などとボケをかまし、好調。もっとも本番では使えまいなあ。

開田さんもCDを忘れてきてしまい、あやさんに取りに走らせている、と、みぃんなドタバタの中、第一回開始。

最初ちょっとボケようとまったく関係ない部分の原稿を読み上げて始めようと思ったのだが、偶然ラストの、ちょっと意味がつながるか?てなところを読んでしまい、やや慌て。それから次第に自分のペースを取り戻していきうまい具合に番組自体は運べていった、ように自己評価。

自分でも意外なくらいオタクより番組となる・小林麻耶に“おにいちゃん”とマイクの前で言わせ、“コミケに同人誌出したい!”と言わしめ、“開田さんの絵、かっこいーい!”と叫ばせた。

“おにいちゃん”を毎回言わせれば、2ちゃんに“唐沢俊一は神”スレッドが立つのではないかと思う。いや、マジで。開田さんはさすが、ちゃんと落ち着いてしゃべってそれでいて濃ーいオタクばなしになっている。『豪快なワンダバ』というチョイスもgood!

これに小林アナがポカンとしていて、
「これに燃えたらオタクの血に変化したということ」
なので、2クール内に小林麻耶オタク化計画を進めることにする。

おぐりのコーナー、蜂の子の缶詰めをあけた途端、小林・おぐり両名の“キャーキャーキャーキャー”で番組が“何言ってるんだかさっぱりわからん”状態になる。おぐりの“蜂の子ってみなしごハッチですよね!”という傑作発言が拾えたくらいか。しかし、それはそれで面白い。

ただし来週からはもっとアダルティックに行こう。残念なのは、せっかくのブログとの融合番組なのに、ブログのコメントがほとんど読めないこと。これは、Iさんの手元にしかパソコンがなく、私も小林アナもおぐりも、読もうとすると身を乗り出して読む形になって、マイクの前から顔を放すことになるため。次回から改善が必要。

とりあえず、自分のモバイルは持って行かなくてはダメ。終わったとたんにNプロデューサーが
「大成功です! ムッチャクチャに面白かった!」
と興奮の面持ちでスタジオに入ってくる。番組開始直後にアップしたブログへのコメント数も終了間際に45以上になり、眞鍋かをりの木曜日に次ぐ数だとのこと。とりあえずホッとする。

Iプロデューサーも、「番組中にスタジオに顔を出す局の人間の数が、普通の番組の数倍」と驚いていた。局内で聞いて、なんだかわからんが大変面白そうなことをやっている、という雰囲気だけは伝わったのだろう。いいことだ、と思う。

終わって、今度はポッドキャスティング用に5分ほど長野の鯉や蕎麦の話。
さらにその後、白夜書房『ラジオDEライフ』インタビューを受ける。番宣とはいえなかなか忙しい。

終わってこれから今度は秋葉でふらないのおぐりを送り出し、開田夫妻、六花マネ、それに両Iくんと一緒にお疲れさまでイッパイ。

近くの『うまい鮨勘』でアナゴ白焼き、殻がき、にぎりなどつまみつつ、反省会と称しての雑談。果たして本当にコミケに小林麻耶を連れていけるか?という話など。
裏霞のたる酒を二杯。それほど酔わなかったがテンションは高かったかもしれない。11時ころ店を出る。

雨の中、また開田さん夫妻とタクシー相乗りで新中野まで、帰宅して半身浴30分だけやって寝る。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa