裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

28日

水曜日

ヒマジン

 ジョン・レノンが退屈のあまりに作曲。朝7時半起き。風邪か花粉か、クシャミ連発。おまけに気圧メチャ乱れで、ダルいダルい。朝食、タラコスパ小皿一パイ。安達Oさんの顔面神経痛は、風邪の菌が顔に入って、神経を殺してしまったためだとか。風邪ってそういうことにもなるんか。で、また新しい神経がハエてくるまで2ケ月くらいは、半面がマヒしたままなんだとか。人間、どういう病気にかかるかわからないなあ。

 朝食後、すぐにエンターブレイン本の赤入れにかかる。読んでいくと、自分でもへえと感心するくらいイイことを言っている、ような気になる。同一人物の話題が繰り返し出てくるので、そこを大幅に削る。躁状態で書いた原稿を鬱状態のときにチェックするというのは案外バランスが取れていいかもしれない。『空飛ぶ冷やし中華』がオタク思想のルーツのひとつ、と自己分析しているのが、今回の本のポイントのひとつと言えるかも。いい大人がウンチクの限りを傾けて冷やし中華というものに意味づけをしていく、というオアソビを敷衍したものが、今、一部のインテリたちがエヴァだのでじこだのをラカンやデリダで読み説いていくという行為の原型になっていると思う。相違点は、前者が完全にオアソビを意識しているのに、後者がマジだというあたりだが。

 12時、成金商会伊藤氏来。毎度ヘンな本や雑誌などを注文するために、いろんなアヤシゲなサイトを回っているのだが、このあいだ、ハッキングされたか何かでクレジットカードの暗唱番号を盗まれ、勝手に買い物されてしまっていたらしい。毎月、うちを訪れるたびに、何か新しいヘンな目にあっているというところがスゴい。

 昼は寿司屋で買った太巻き。買い物にも出たい、運動をしたい、と思うが、体がまるで言うことを聞かないような状態。海拓舎Fくんから原稿の催促くるが、やりますやりますと言いながらも、テンションまるでアガらず。鶴岡が対談本の後書きで、私に“もういいかげん死んでくださいよ”と言っているが、言われるまでもなく、近く 死ぬのではないか、というような体調である。

 5時ころ、エンターのNくん、来宅。チェック原稿を渡す。4日のロフトのことなどを話す。あと、SF大会で『ゴジメガ』の手塚監督のトークショーの他、凄い隠し玉企画をやる、という話。大受けするか大ハズシするか、どっちかだな。

 結局、今日は原稿チェックのみで終わる。みんな気圧が悪いのよ。8時、買い物を神山町でして、おでん屋『二合半』でおでん、酒。この店の板長は辻萬長に似ていていい男である。そうK子に言ったら、“はじめて男性の好みで意見が一致した”と言われる。ボタンエビの刺身を頼んだら、どうみてもボタンエビではなかろう、というアヤシゲなエビのおつくりが出てくる。それでも食ってみるとネットリとして甘くておいしかったから、まあいいか。

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