裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

10日

水曜日

アイノコに愛の手を

 朝、サツマイモダイエット。M社に書影用カバー渡し、資料コピーなど雑用多々。明日が〆切の古書店への目録注文もしなければならぬ。数冊で止めておくつもりがつい二十冊以上注文してしまう。今年は古本屋がよいは自分に禁じてある筈なのだが。 昼はレトルトのカレーライス。2時、産経新聞インタビュー。新著『B級裏モノ探偵団』について。こういうインタビュアーは、こちらが自分の恥部をさらけだすと一番喜んでくれる。そこをどの程度さらけだすか、でこっちはいろいろ考えたり悩んだり工夫したりする。モノカキなんてAV女優と同じで、自分の一番商品価値のある部分にモザイクをかけて、そこをのぞき込みたいというファンの欲望によって金を稼いでいるのである。
 SF・幻想関係の掲示板で牛女が暴れて場を荒しまくっている。この女が以前、ニフティで暴威をふるい、私の会議室はじめいくつもの場を焦土と化した(まあ、私の場合は自ら略奪防止に火を放ったというような部分もあるが)ことはインターネット族にも情報が伝わっていたはずである。本来、彼女がインターネットの世界に主戦場を移した段階で、断乎たる措置を講ずるべきであった。それを面白がって放っておいて、今さら騒いでも、言ってみれば虎の子を飼っておいて、それが大きくなって自分が食われたようなもので、自業自得というもの。日本人はつくづく災害に学ばない。 4時まで、E社の仕事。編集のKくん取りにくるが、インタビューが長引き、カケラくらいしか渡せない。手渡した後、急いで喫茶店。K舎打ち合わせ。本来年末に出す予定の本の件(しかも2冊)で、しかもまるで出来ていないのだが、編集のH氏、すでに達観の境地に達していて(笑)、来年の3月くらいに出せればいいですね、と言ってくれる。
 5時、銀座線渋谷駅でK子と待合せ、上野広小路亭で『あいのこに愛の手を』。骨折により芸術祭参加を断念した快楽亭ブラック師匠救済の会。主催の吉川潮に挨拶したらシカメ面をされた。出演、談之助、左談次、勢朝、山本竜二、白山雅一。談之助が“今日は手抜きをします”と、ひさしぶりに古典落語(笑)。『五目講釈』をやった。打ち上げは、向こうは人数が多いようなので、こっち側のメンバー(開田裕治夫妻、安達OB、睦月影郎と謎の女子高生)。後で談之助師匠と合流、1時までカラオケ。私、師匠、安達ズさんたち、開田あやさん、みぃんな〆切からの逃避。

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