裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

7日

日曜日

眼科の病院に入院したとき聞く音楽家は?

イェフディ・メニューイン(目入院)。

※劇団ノーコンタクツ観劇 『黄金夢幻城殺人事件』稽古

ゆうべ家に帰って横になったとたん、ゴホゴホ。
朝まで咳、続いて寝つけず。
これはいよいよ病院へいかないとダメかな、と思う。

9時45分、朝食。
仕事関係メールやりとりでちょっと苦笑。
まあ、心意気やよし、というところか。
とはいえ、相手の現在の状態とかの斟酌というのは
仕事の上での重要事項。それが読めないのはダメ。
人はくたびれていると理不尽な感情でも平気で爆発させるものだよ。

その、現在私を襲っているくたびれ、昨日が昨日までだったのであって
当然と思っていたのだが、やや尋常でなし。
明日は病院行こう、と近くの診療所をネットで検索。
ここらへんは本当に便利になった。

昨日の大会の感想などが送られてくる。
招待させていただいた皆様も、一般客の多くも、ほぼ完全に満足
していたようで安心。大きな要因のひとつは、会長はじめ、
出演者の声が通るということを何より重要視して、壇上で行われて
いることを明確化する、というコンセプトを立てたことだろう。

食事済ませて、12時、大塚まで。
萬劇場にて劇団ノーコンタクツ公演『パイレーツ・オブ・トリビアン』
を観る。大塚という街は以前は大塚名画座という映画館があったことで
のみ、認識していた街だった。なかなかいいプログラムを組んでいて、
ポランスキーの『マクベス』を初めて観たのもそこだったし、
ビスコンティの『地獄に堕ちた勇者ども』がかかったときには、
映画館の周囲を観客が取り巻いていたものだった。

萬劇場の入り口で、山口A二郎さんとその友人に声をかけられる。
いい連れが出来た。オタ話をしながら開演を待つ。
やがて席がほぼ、満席となり開幕。
前回観た『コリアスタロの秘宝』が、私的にダイレクトヒット
だったので期待は高まる。

それを裏切らず、今回はセットもかなり凝って作り込み、
登場人数もノーコンタクツ史上最高というにぎやかさ、
毎度思うのだがこれだけやれる劇団なんだから、パロディ、
というよりパクリというワクをもう外せばいいと思うのだが
執拗に原典のなぞりにこだわる、その執念がここの特色になっている
のだからまあ、仕方ないか。

人数が多い分、人の出入りがちょっとゴタついたというのと、
ここの劇団の特長である、主要キャラクターであっても場面では
エキストラ役で駆り出される、というオヤクソクを理解できていない
小学生の観客が混乱しているのが気になったが、
ギャグとアクション、ダンスのつるべ打ちは変わらず。
山口さんが他の客の倍はある声で爆笑していた。

松原由賀ちゃんは今回は派手系美人海賊の役。
「オッホッホホホ……」
という出のときの笑い声がいい。
あと、出演者の中では前回のダンスを振り付けたというダンサーの
RIKUが、ダンス対決シーンでさすがという技を見せ、圧倒された。
これだけの“ワザ”を舞台上で観たのは久しぶりかも。
マスクも甘くて好感持てるし、うまくプロデュースすればブレイク
するんじゃないか?
http://www.sonysdance.com/kousi-riku.html

終って、由賀ちゃんに挨拶し、駅まで山口さんと歩く。
山口さん、夜はルナの稽古に写真撮影に来るというので、
そこでの再会を約して帰宅。
芝居を観るという、これだけのことでかなりパワー減衰し、
しばらくベッドで息つきながら寝る。

夕方頃起きだして、昨日のお礼などをMLにアップ。
みんな温かい言葉をかけてくれて、有難し。
今回のアンケートで、
「トンデモ本大賞なのに(隣席の客が)臭くなかった」
というのがあったと聞いて、笑う。
雨で気温が低かったからだろう。
これは悪天候に感謝か?
それにしても、“オタクイベントは臭い”というイメージの
定着は困ったものだ。オタク用消臭グッズを誰か広めてくれないものか。

5時半、荻窪へ。
あぁルナティックシアター『黄金夢幻城殺人事件』稽古。
私は最初、この講演は一日だけの特別出演だったのだが、
やがてどんどん出演日が増えて、おとついくらいの電話で
「全日出演出来ますか?」
となった(笑)。
まあ、そんなことになるのではないか、とうすうすは思っていたが。

稽古の時は声がどんどん出るが、終ると息が切れる。
困ったものである。
佐藤歩ちゃん、今日のノーコンタクツに来ていたそうだ。
まったく気がつかなかった。

終盤に原作者の芦辺拓さんが見えて、いろいろとハッシーの
質問に答えたりしている。
稽古は9時で終り、芦辺さん囲んで乾杯。
荻窪駅を越えたところの居酒屋チェーンで。

かなり歩いたのでバテ、席についてハーハーやっていたら、
テリーたちから“死ぬよ、このヒト”と言われる。
ビール飲んで、何とか息をつく。
それからはいろいろ雑談、こうなると元気が出る。
芦辺さんに、11月の私・作の芝居の話をする。
まだほとんどタイトルしか決まっていないが。
結局カンバンまでいて、タクシーでハッシーと帰宅。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa