裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

5日

土曜日

チェーンソーと平和

 タイトルは、レザーフェイスの襲撃を逃れたヒロインの状態。朝、7時半起床。夢の中で句会に出席し、苦吟の末、“ひなまつり 雨の中なる 支那娘”という、俳句なんだかどうだかよくわからん句を詠んだ。昨日、講談社学術文庫『露伴の俳話』などを読んだ影響か。露伴はひなまつりという語は俳句に使うべきではなく、使うなら “ひいなあそび”にすべき、と言っている。朝食、ロールキャベツ、リンゴ。

 メール、仕事関係等五本ほど。週刊アスキー、一本アゲ。11時、平塚くん来。リニューアルしたHP設置。K子のコーナー、派手で目がチカチカする。どどいつ文庫の目録にもリンクし、地味だった当HPも急にゴージャスに(?)。仕事部屋に積み上げられていた資料類の山を整理して、ちょっと部屋がキレイになる。まだ半分、山 が残っているが。

 週アスのブツをK子に渡し、平塚くんと三人外へ出て、チャーリーハウスで昼食。定食に、半トンミンつける。定食は牛肉の鼓豆(トーチ)煮かけご飯。帰って、原稿書き。母から電話。親父、このごろようやく、カキクケコの発音が明瞭に出来るようになり、タイオンエイをタイオンケイと言えるとか。“こないだお前が載ったアエラは三部買って近所に配ったわよ”・・・・・・母ちゃんかあちゃん、そんなことせんでも、私、もうかなりエラくなってるんですがなあ。まあ、そういう扱いがなんとも心やすまる。

 仕事と雑読。『B級レスラーってこんなヤツ全集』(フットワーク出版)読んでゲラゲラ笑ったり、『科学としての神学の基礎』(教文館)読んでちょっと考えたり。談之助師匠から電話。昨日の日記に3月28日中野、と書いたのは27日のマチガイだった。と、すると入院当日から外泊という、不良患者になるな。いつものロフトプラスワンでの唐沢トークとはちょっと趣を異にした芸風でいく予定。

 ニフティの裏モノ会議室、観月ありさの母親逮捕も小室哲也のサミットソングも無視して、少女9年監禁事件の話題でまだツリーが延びている。よほど裏者のココロをくすぐる事件なのだろう。こないだ、JRに乗ったら週刊文春の社内吊り広告の犯人の顔のところにビニールテープが貼ってあった。はがしてみたら、結構美青年ではないか。この程度のルックスなら、ちょっと努力すれば監禁なぞしなくてもいくらでもカノジョが見つけられるだろうに。不思議なことに、宮崎勤も酒鬼薔薇も彼も、オタク文化が温床となった犯罪のように言われながら、典型的オタクよりはるかにスマートな好青年なのである。・・・・・・それにしても、精神病で通院歴があるとか責任能力があるかないかとか、そんな犯人像などいくら追及したって本質は見えてこない。現代はそういう連中は掃いて捨てるほどいる。それよりも一番問題にされるべきなのは、うまくやれば9年間少女を監禁しといて気づかれない、現在の都市生活というもののスタイルだと思うのだけど。

 肩が例によって凝ったので、新宿へ出て、今日は指圧をしてもらう。されながら、“どこかでお顔を拝見したように思いますが”“あ、ここの店に置いてある雑誌にも連載してますよ”“何かエッセイを書いてらっしゃるんですか”“まあ、そうです”“あ、思い出した、何か本をたくさん集めてる方ですよね”“そうそう”“本は重いから肩も凝りますよね”という、トンチンカンな会話。

 8時、和食処船山でK子と待合せ、食事。詳細はK子が自分のコーナーに詳しく書くだろうから省略。指圧のせいか、日本酒がかなり回った。

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