裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

12日

日曜日

ミキティ虜囚の辱めを受けず

安藤美姫、捕われたら舌噛んで死にます。朝8時半起床。また胸焼け症状あり、ユチーフのんでおさめる。入浴、9時朝食。ブロッコリスープ(シイタケ末入り)、イチゴ、ポテト、アップルティー。

トリノオリンピック、まったく見る気にならず。いつもはそれなりに興味を持つんだが、昨今はいろいろ雑事多すぎて、好奇心がキャパシティいっぱいになっているのかもしれない。

自室で仕事していたら、ちょっと胸のあたりが苦しくなってきた。昨日、Gくん(同い年)と飲みながら、「最近は、体の調子がおかしいと、“うん? ひょっとしてこのままいってしまうのか?”とか思うんだよねえ」などと情けない会話をかわしたが、こういうときにひょいと“死”の可能性が頭に浮かぶ年齢である。いろいろと、急がねばならないのである。

パソコンのオチ癖、やっと解消、初期設定に戻ってしまっていたメールなども直す。IDとPW問題も解決。早めに弁当使う。

1時、家を出て青山。WAHAHA本舗稽古場にて『大女優宣言』稽古。一場だけであるが、ホン離れて、プロンプターついてもらい、セリフ完全に入れる。発声練習というようなもの、劇団によりするところとしないところあり。WAHAHAはしない。あぁルナもしないようだ。うわの空は“外郎売”を素読みでやっていた。私は、噺家とのつきあいが長く、彼らがそういうことをやらないので、こちらも一切しない。

3時半、仕事場へ。母が来て例により書庫整理している。そろそろ、和室を完全書庫化せねば。原稿いくつか。

バーバラからデータで送られてきたおぐりの『魂食(ソウルフード)』本ゲラ、私の方で文章内容の編集チェックを行う。案外な枚数。バーバラと何度も今日、メールでやりとりをしたが、彼女はあくまでも“編集者”の立場、私は“プロデューサー”としての立場であって、考え方の立脚点に異なるところあり。なかなか面白い。

8時半、K子との待ち合わせで家を出る。出たとたん、吹いてきた風の冷たさに、暖房利かせた仕事場で温まっていた体が一瞬で冷えきった。来ていたのが風を通すセーターだった(コートの前はあけていた)からかもしれない。冷凍怪獣の光線を吐きかけられたか、という感じ。歯の根が合わなくなる。急いでタクシーに飛び乗って、ホッと一息。あのまま10分くらいNHK前に立っていたら、そのカタチのまま凍死していたんじゃないかと思う。

四谷三丁目角で待ち合わせ。K子が探してきた魚料理屋に行く予定だったが、休みだったとのことで、とにかくこの寒さで次の店まで歩くのはイヤだから、と、やはり角のビルにある『しゃぶ禅』に入る。日曜でここらの店は全滅とみえ、案外な混み様。席を作るまで、と10分ほど待たされる。女子プロレスラーか、と思える大柄の、ジャージ姿の美女が男(恋人か、ファンか)におごられて旺盛な食欲を見せていた。

一品で頼んだふぐさしは旨かったが、しゃぶしゃぶはごく普通。中野や池袋のシャオヤンロウの滋味を知ってしまうと牛のしゃぶしゃぶは平凡なものに思えてしまう。まあ、『田門』くらいになれば別格だが。体調もいまいちおもわしくないせいか、肉の追加もせず。生小二杯と、二人でワイン(キャンティクラシコ)一本あけただけ。早めに帰宅して、半身浴ちょっとだけやり、ベッドにもぐりこむ。今日はたっぷり寝なくては。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa