東文研日記

唐沢俊一の“今”がわかる! オノマネの裏モノ日記ウラ日記

20日

月曜日

料理日記・4『スペアリブカムジャタン』

以前、役者たちを大久保の家庭料理屋に連れていって、
カムジャタンをご馳走したことがあった。
豚の背骨から肉を取ったあと、骨のでこぼこのところにこびり
ついている肉を無駄にしないよう、ジャガイモと一緒に煮た料理で、
これを歯で骨から引きちぎるようにして食べるのが女優さんたちに
大好評、
「これ、何て言う料理ですか?」
と訊かれて、
カムジャタン(ジャガイモ鍋)だよ」
と教えたら、
なぜ背骨肉でなくてジャガイモの方をメインの名前にするのか
理解できない

と言われた。
考えてみればそうである。何でかね?

一般家庭では背骨肉は手に入れにくいので、スペアリブを売ってたら
買い込んで、それで作ってみよう。

豚のスペアリブブツ切りを、水、酒、ニンニク一〜二片、ショウガひとかけ、
ネギ一本分(青いところも)のみじん切り、リンゴひと切れのみじん切りと
一緒に茹でる。アクをすくいながら一時間半。途中でショウガだけ
取り除く(煮詰まらないよう時々水を足す)。

肉が柔らかくなり野菜類がトロけてきたら、キムチと味噌、コチジャン、
豆板醤、オイスターソース、すりゴマを入れ味を整え、ジャガイモを
切って入れる。ジャガイモは煮崩れしにくいメイクイーンがお勧め。

食べやすさを考えてここで肉から骨を外してもいい。ダイナミックにかぶりつきたい人は
そのまま。

15分ほど煮て、ジャガイモに箸が通るようになったらエゴマの葉を入れて、
鍋ごと食卓へ。もともとは背骨肉のにおい消しのために入れたというが、
このエゴマの葉が、この料理のエスニック風味を背負って立っている素材
なので、ぜひ手に入れていただきたい。小袋に入っているときは一人一袋くらいあて、
買い込むこと。そして、全部を鍋に入れず、後の炒め飯用に残しておくこと。
この、おじや風チャーハンまでを含めてまでがカムジャタン、と言っていい
くらいなのだから。

で、そのチャーハンは食べ終わった後の汁にご飯を入れて再び火にかけ、
新たにエゴマの葉と、それから海苔を加え、水分を飛ばして焼きおじや
みたいにして食べる。

リンゴを加えるのは私のオリジナル。自然な甘味が出て、肉も柔らかくなる。

2012年2月
SMTWTFS
1234
567891011
12131415161718
19202122232425
26272829
<<prev next>>

Copyright 2006 Shunichi Karasawa