裏モノ日記

裏モノ採集は一見平凡で怠惰なる日常の積み重ねの成果である。

11日

金曜日

万博でもいい、たくましく育ってほしい

 タイトルに意味はない。朝、7時起床。昨日にくらべれば天候はいいが、何かもやりとしたモノを感じる。朝食、ジャムトーストとミカン。短大生刺殺のパンダ男(スポーツ新聞にそう書かれていた。ショッカー怪人か)、知り合いに似た顔をしている ヤツが少なくとも八人。

 実家から送ってきたギムネマ錠をダイエット用にのむ。ギムネマ生米生卵、とつい口をついて出る。母からは出来るだけ口の奥に放り込むようにしてのむこと、と注意された。舌の上に乗せてしまうと、それからしばらくは、食べるものの味(ことに甘味)がまるでわからなくなってしまうそうな。Iさんから電話、原稿の準備についていろいろレクチャー。

 やはり昼過ぎあたりから気圧低下、体がズンと重くなる。昼は新宿に出て銀行と郵便局に寄り、伊勢丹でカニ・アナゴ寿司を買って帰って家で喰う。植木不等式さんから“今夜お酒飲みませんかぁ”とダイレクトな電話。昨日スッポカシたことを気にしてくれているらしい。律儀な人である。当然、喜んで応諾、今夜下北沢で、と約。

 編集部各位から電話。催促あり、打ち合わせの日時確認あり、お仕事の依頼あり、いろいろ。『GON!』のH編集長から、Iさんの件について。早速興味を示してもらってうれしい。『本の雑誌』からは電話インタビューの予約。これこれについてお話を伺うべく今月末にライターからお電話を差し上げるので、引き受けていただけるのであればその件についてお考えをまとめておいていただきたい、とのこと。丁寧な仕事をする編集部だなあ、と驚く。あと、こないだインタビュー依頼があった薬業関係団体から。手紙で丁重かつ事務的な依頼書をいただいているのだが、それについて“実は小さな組合なので、謝礼をお出し出来ないがよろしいでしょうか”との問い合わせ。こういうことは先に言わなければいけないと思うが、言い出しにくかったのだろうな、と苦笑して応諾。講談社からは単行本の序章代わりの華倫変氏のマンガ原稿がファックスで。作風ちょっと変わった。読んで笑う。

 Web現代、書き出すがなかなか面白みを伝えるのが難しいサイトなので、筆が難航する。やっと乗ってきたアタリで時間切れ。下北沢まで向かう。携帯充電したまま忘れてきたので、スレ違うと面倒だな、と心配したが、無事会えた。時間が早かったので、こないだ行ったレトロオモチャ屋に植木さんと同道。スタートレック絵柄(すげえ下手)のシーツを見つけた。これ、金成さんに頼んでアロハに仕立ててもらおうと思う。あと、ドラえもんのパチ絵のカップ、昭和女子大初等科の生活かるた、クズ真珠細工なのだが、なんだかわからぬ怪しい生物になっているおみやげ品など。この生物、触角が何本もうねうねと延びており、ウミウシか菌類に見える。レジに持っていった品物を見て店主が“ははあ、マヌケ物趣味ですか”と言った。この業界にはそういう分類があるらしい。バカバカ買い込むのを見て植木氏が少し呆れていた。

『虎の子』でK子と待ち合わせ、酒。植木さん、会社の先輩が急死したとかで、いろいろ人生観をブルーにしている。まあ、駄洒落だけはどんどん出てくるので、正常に立ち戻るのは早いと思うが。二人、大声で犬を喰うサイト(韓国の犬焼酎を飲める場所の紹介)の話などをするので萩原さんがイヤな顔をしていた。“えにし”という酒がうまくて一升瓶ほとんどあける。他に“ちょっとお待ちを”という酒があるとか。談之助の早変わりか。いいかげん飲んで、タクシーに乗り込んだら植木さんが食い足りなかったらしく、
「ソバ食っていきませんか」
 というので、連続になるが花菜に行き、ソバ湯割り焼酎でまた乾杯。何回か途中でオチた。それでもソバはさすがにうまかった。2時過ぎ、帰宅。

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