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2013年8月20日投稿

日記メモ2

7月
11日(木)
暑くて朝、水シャワー浴びる。ヒャーヒャーうるさい!(自分が)

午前中、広尾の上島珈琲でO氏、I氏打ち合わせ。いろいろ企画出るが話噛みあわず。個々のキャラクターが違いすぎる。

新宿に移動、週刊新潮インタビュー。編集長お名指しだとか。ついでに企画をひとつ出して、好感触を得る。昼食はそこの喫茶店のカレーですます。

新宿西口への通路、嵐の壁画の前にこないだ凄いひとだかりが出来ていた。今日もこないだほどではないがやはりひとだかり。開田さんの怪獣壁画の前の人種とはあきらかに違うのが可笑しい。

12日(金)
コミケ会場(お寺の本堂みたいなとこ)で絡んできた出版ゴロをピストルで撃ち殺す夢を見る。

仕事場マンション、うっかり鍵を部屋に忘れたままゴミ出しに出てしまい、大いにあせる。前のところみたいに住人が多くひっきりなしに出入りあるところでないし、1時間くらい外で立ちん坊になるかと思っていたが、幸い、すぐ人が出てきたので頼んで入れてもらった。金髪のお姉ちゃん、ありがとう!

夜、早さんに誘われて落語カフェ下北沢亭に行く。役者さんたちが落語を演じる趣向。みなさん達者なものだったが、トリで寅さんシリーズやテレビ時代劇でおなじみの赤塚真人さんが『妾馬』をやった。

御前に上がった八五郎が何か言うたびに脇にいる三太夫に怒られ、そのたびに殿様が「三太夫、控えておれ」と八五郎をかばう。赤塚さんはこの殿様を、「もとは公家」という設定から、かなりノロマ的な人物として演じていた。

で、円生の妾馬でもかなり力を入れて演じていた、酔った八五郎が母の言葉を伝えるくだり。「初孫の顔も見られない、身分の違いってなア情けないもンだな アって、お袋の野郎泣いてやがる。それ見てたら、俺も泣けてきてなア……」というところ。円生はそこで八五郎に自嘲気味に一人笑いさせて名演だった。

で、赤塚さんの八五郎は、そこでさらに突っ込んで、身分制の不人情を責める。あまりに言葉が過ぎる、とまた三太夫に叱られるのを殿様が「控えておれ」と ルーティンで言うのだが、その声が上ずっている。いつの間にか、殿様ももらい泣きしているのであった。……ここでお客さんたちから爆笑と嗚咽がわいた。

見事な演出で、それまで薄ぼんやりだと思っていた殿様に、ここで一気に親近感がわく。馬鹿ウケだった。終演後に直接赤塚さんにその感想を述べると、あそこ はやはり赤塚さんのオリジナルであるとのこと。「あの時代にあんな発言を庶民の八五郎がするのはおかしいんだけど、そこがドラマのウソでね」と。

『妾馬』の基本を成しているのは徹底した身分制である。娘が殿様の妾になることを親たちが「出世」と喜ぶ社会感覚である。現代においてこの咄を聞く時、ど うしてもそこにひっかかりを感じない訳にはいかない。そこを、酔っ払った八五郎の無礼講の発言でなんとか解消する程度がこれまでの演出であった。

赤塚さんの解釈と演出は現代に落語の伝統をマッチさせながら、古典の本筋を壊さない、見事なものだった。畑違いの分野の人が、ここまで作品の分析と解釈と工夫をしている。本職の落語家さんたち、油断していると大変なことになるぞ。

あと、おなじみ時代劇の撮影ネタばなしなど。『遠山の金さん』では金さんは刺青を入れるのに4時間かかるので、その間、等身大のパネルを置いてお白州で演技するんだとか。

、11時、帰宅。青汁ハイなど飲みつつ、いろいろ考える。朝しらじらと、4時ころまで。

13日(土)
午前中、連載インタビュー原稿料届く。先日のイレギュラー分も入っていた。

マンションに「参議院東京都選出議員選挙選挙公報」なるものが配られていた。目を通してみると、いや、「こんなのばっかり出ているの?」というくらい凄 い。トップがいきなり「不正選挙がない、という人へ、ないという証明をしてください。ないという証明がなされれば、私は潔く引き下がります」という犬丸かつこ。

12年間公立小学校に勤務してきたそうだが、最近の小学校教師は「悪魔の証明」というものを習いませんか。・・・・・・あと、幸福実現党の「ストップ・ ザ・ヘアヌード運動」の女性とか、「韓国入国禁止措置!」をどでかく上げる維新の会候補とか、「こんな参議院はいらない」と参院選に立候補する元アナウン サーとか。

「象徴天皇制廃止」を訴える65歳のおじちゃんがいるかと思えばその下では66歳のおじちゃんが天皇皇后両陛下の震災復興祈念一万円札を発行して海浜多目的高層マンションを建てるという、何だかわからない構想を語っている。

なんだかマック赤坂、ドクター中松、マタヨシ光雄など常連泡沫候補がおとなしく思えるほど。山本太郎が当選範囲内に入ってる、というのも無理ないかもしれない。

3時過ぎ、家を出て新宿、に行くつもりでマンション前の横断歩道、ちょうど信号が変わる直前だったので急いで(よせばいいのに)走ったら、足がもつれて向こう側に渡る直前で転倒。

転倒した先にあった電柱に頭をイヤというほどぶつけ、携帯が前の方に、カバンが後ろの方(横断歩道の真ん中)にすっ飛ぶ。いや派手な転び方だった。てっき りメガネも飛んだものと思い、あちこち探すがなし。気がついたらちゃんとかけていた。右肩を捻ったとみえ、しびれる感じ。ヒビとか入ったんじゃないかと心配になる。ともかくも血も出ておらず、意識モウロウもなし。まあ、大丈夫だろうとそのまま新宿向う。首が、ひねるとちょっと痛むくらいで大したことはなし。

珈琲西武三階個室にて、徳間書店『月刊エンタメ』取材を受ける。児ポ法がらみの件。もちろん反対の由を述べるが、しかしながら反対側の方の活動の欠点も私的する。

その後、二階に席を移し、入矢くんと打ち合わせ。いろいろ行き違いあってあせり、その場で相手先に電話したり。別れて、中野までタクシー飛ばし、薬局で湿布薬買う。それから夕食と思い、例のオタク寿司へ。カツオポン酢、白身(マコガレイ)、コハダしんこ、平貝、イワシ、穴子、ネギトロ巻。

まけてくれたかそんなにオアイソかからず。帰宅、肩に湿布貼っておとなしく寝る。

14日(日)
夕方までかかってメルマガ原稿。母のところに行ってメシ食うはずが時間なくなり、明日にしてくれと電話。向こう側の声、元気そうでなにより。原稿書き上げ、出かける。昨日のアクシデント、後遺症らしきもの出ていなくてホッと。書きあげて送り、出かける準備していたら凄まじい雷鳴、やがて豪雨。

傘さして外に出て、タクシー拾おうとするがなかなかつかまらず、半身(風の吹く方)ずぶ濡れとなる。みかねて反対車線のタクシーが回ってきてくれた。池袋まで行くが、その15分ほどの間にすっかり止んでいた。ちょうどタイミング悪いときに出たもの。

今日はアンドナウTくんと、掛札昌裕さんと飲み会。私のリクエストで、池袋の八吉にする。掛札さん、家で毎度 『ひるおび!』見ているそうで、「久しぶりに会ったという気がしないですねえ」と。話、東映の500万ポルノの話など。

某脚本家の話になり、山下耕作監督などに酔ってからんでぶんなぐられ、逆に会社にケガをしたと捻じ込み、その後仕事もせずにその保証金でぬくぬくしていたとか。大好きな映画の脚本家なので、ちょっとそういう人物と聞いて驚く。

八吉の料理、先生おいしいですね、と喜んでくれて面目をほどこす。次の私の芝居の脚本、女囚ものなんですと言ったら、脚本監修を引き受けてくださった! なかなかない経験が出来ると嬉しくなる。8時、出て、タクシー拾って帰宅。

八吉で食べたもの、温泉湯豆腐、お造り黄ハタ、真ハタ、稚鰤(わらさ)、真鯛、胡椒鯛など。サツマアゲ盛り合わせ、子持昆布串揚げなど。〆はひつまぶし。

15日(月)
http://h09.cocolog-nifty.com/blog/08/index.html 『「若者が選挙に行かなければ世の中は変わらない」という話がありますが、それは若者が多かった昔の話。(中略)現在の日本の状況では「中高老年が変わらなければ世の中は変わらない」のです』言われてみれば目ウロコ。

いま、いろいろ噂になっている某人の件につき、情報収集。彼とは長いつきあいであり、人格者とは決して言わんが(笑)、ツイッター等で言われているような 猟奇的趣味のある人物では決してない。むしろ神経が細くて、活魚をさばくところもよう見られん人間である(意外ではあるが)。他のことは知らないが、ここだけは確か。

で、裏事情を知っている某氏にあたったら、やはり相手側の方が彼の人格攻撃でありもせぬことを言いふらしているようだ。最近こういう手合が多いなあ。

16日(火)
都内、オシャレな某所で打ち合わせ。4時間にわたった。長引く打ち合わせはそれだけの問題点あるということなのだが、ニッチもサッチもいかぬ中に届いたメールでそれら含め課題がほぼ解決する、という奇跡的な展開。ま、もちろんまだいろいろあるとは思うが、ちょっと神韻を感じた。

その祝杯も兼ねて夜、行った某店で流れているBGM、ジャズ風に編曲されているが確かにどこかで聞いたことがある、と思ったが、『赤鼻のトナカイ』だった! なんでこの季節にクリスマスソング?

17日(水)
1時に電話取材1時間、終えてハピズムインタビューテープ起こし手直しにこれまた1時間。やっと遅い昼飯(母の手作りカレー)を食おうとしたら アールスタイルから電話、またトラブルか? と思ったら連絡ミスで、さきほど話してやっと解決。さて、メシ々々。カレー、失敗だ失敗だと本人は言うのだが冷たいまま飯(こっちは温かい)にかけて食べたら旨すぎ。

夕食を寿司屋(あのオタ寿司とは違うカウンターのみの寿司屋)でとって少し酒を過ごし、中野の路地のゲートをくぐって通ろうとしてすっころび、肩を強打。二回目。こないだの方が転び方は派手だったが、 今回の方が地味に痛い。ヒビとかマジに心配。それ以上に同じミスを二回もする自分のバカさ加減に嫌気。酒の上とはいえ・・・・・・左腕が上がらん。痛てててて。

家に帰ると泣きっ面に蜂。パソコンがこの時間にフリーズ!

フリーズしたパソコン、いろいろやって何とか復調。打った左肩、腕が何とかキーボードのところまでは上る(笑)。いや、ここまでだと笑うしかない。

18日(木)
今月末、ちょっとした額の臨時出費予定があって、キビしいなあと思っていたら、さっきほぼそれと同額のギャランティで仕事の話があった。世の中、埋まるように出来てる。

左腕、キーボード打ったりは普通に出来るが、腕を上げるという動作がままならず、頭を風呂場で洗うときなど、よいしょ、と右腕で持ち上げて頭のところまで持って行く。自分の体が自分のものでないという感覚はなかなか面白い。

夕食に馬肉屋『桜』。店入ったらお姉ちゃんが「タケノコ、茹で立てありますよ」と。肩の痛みも忘れて喜ぶ。

19日(金)
新しい仕事場の郵便受け、ずっとダイヤルを固定して開きっ放しにしていたが誰かがいじったとみえて、開かなくなった。管理会社に電話してみると、「お部屋のブレーカーボックスの蓋を開けてみてください」とのこと。あけてみるとメモがあり「右に×回→×、左に×回→×」と番号が。なんかスパイものか宝探しゲームみたい。

20日(土)
今朝の夢。核戦争で廃虚となった商店街を歩く。放射能の影響で、人間は死に絶えたが、店そのものが人格を持ってしゃべる。商品を持っていこうとすると「冗談するない!」とわめいたりする。

まだ相変わらず打った肩痛いが、寝返り打ったり着替えたりという行為を痛くなく行うコツは習得した。小さい頃から入院生活に慣れている余得(?)であろう。何年か前に骨折したとき、ベッドへの乗り降りをドクターにしみじみ感心されたのが悲しい自慢である。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa