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2013年4月30日投稿

つぶやき日記4月25日〜27日

4月
25日(木)トマト農家のご苦労がミニトマトされる。

私もトマト作っていただけに、ちょっと。

朝7時半ころ、テヤマから電話。朝っぱらから何かと思って出たら、電話口で「ダー、ダー」。S太郎が父親の携帯をいじって、私へのショートカットダイヤルを押してしまったらしい。かわええのう。

バタヤンこと田端義夫氏死去、94歳。極貧の中から這い上がる、という戦後の日本のある種のドリームストーリィの典型だった。白山雅一先生のライブにゲスト出演したことがあった。あの時点で、白山先生の持ちネタのモデルの中でほぼ唯一の生存者だったが・・・・・・。

歌の他に、映画でも活躍、斎藤寅次郎作品の常連でもあった。『歌くらべ荒神山』(1952)などの作品は私も学生時代、オールナイトで見たが、これは今で言うとお笑い系の映画にアイドル歌手が出るようなものだったろう。アイドルというには当時バタヤン33歳でややトウが立っているが、その当時では純然たる若手歌手。ハツラツとした演技を見せていた。

リベラルと保守(コンサバティブ)についてちょっときっかけあって一考。リベラルな人というのは個人単位を基本にものを考え、コンサバティブと言われる人はそういう個人をくくる国というワクでものを考える。よくリベの人は「戦 前は個人がないがしろにされていた」と主張するが、逆の見方をすれば、戦前は国歌が個人のアイデンティティを請け負う役割を果たしていた。

「自分とは何か」などというデカルトなみの思考力をもたないと答の出ない問題に、戦前の日本人は悩む必要がなかった。「天皇陛下のよき赤子である」と信じることで、国家が個人のアイデンティティを担保してくれていた。

もちろん、自我の爆発的な開放を経験した戦後の日本人が、再びアイデンティティを国家に帰せられるかについては疑問を感じざるを得ない。しかし、アイデンティティ確保をエゴにすり替えたままたどってきた日本の戦後の道は、結果だけから見れば悲惨としか言い様がない。アイデンティティを個人の中だけで規定できる特殊人(芸術家とか学者とか)をのぞけば、一般の人間にはやはり、個々を統括する何らかのワクが必要なのだ。戦後の日本は、それに代わるものをついに発見できなかった。

皮肉なことに、震災や原発事故を通し、多くの日本人たちは、日本というワク、つまり国家が人と人のつながりを再確認し、アイデンティティを確保するのによいシステムであるということに気がついてしまった。個人の無力さを人々が改めて認識したからである。

たまたま震災時に政権をとっていたのが、グローバル化の名のもとに国家というワクを取り払おうとしてきた民主党だったのも、その問題に国民を目覚めさせる 大きな契機になった。やはり、ワクに支えられてこその個人なのだ。そのワクをガタガタにさせてきた戦後レジームを見直そうという動きが出てくるのは理の当然と 言っていい。

さらには、漠然と昭和期の人間が考えてきた「日本はひとつ、日本人は所詮愛国心のもとで生きている」という理想論が、ネットの普及で個人々々の考えにダイレクトに接してみると、決してそんなことはない、かなりバラバラなものだということに、これまでの穏健保守層が気付いてあせりはじめたということもあるだろう。ネトウヨという存在はそこからの派生である。

現在の憲法改正、靖国参拝などの問題に、かつてのような逆コース批判をしても意味はない。それは、失われた日本人のアイデンティティのワクを取り戻そうという流れなのである。この流れはしばらくの間、止まらないと思える。

各所に連絡していたらもう6時半。あわてて家を飛び出て新橋。ライブハウスZZにて談之助主宰のおとぼけLIVE寄席。本日のゲストはかつての快楽亭ブラ房こと立川吉幸。入ったらほぼ満席、吉幸の『火炎太鼓』の最中。いや、達者なもの。その後談之助、“三木助の演出で”『たがや』を聞く。竹千代さんから「テレビ見てます!」と言われて苦笑。

その後、談之助vs.吉幸の業界毒舌対談、吉幸凄し! 毒舌の申し子みたいな談之助が過激さにタジタジする場面ありいや、某人気落語家に対するダイレクトな批評など笑った笑った。

その後、お客さん(QPさんや、ブラ汁ことらくBの姿もあり)交えて落語談義。酒が切れたので、焼酎一升瓶買ってみなさんにおごる。話はずんだが、柿ピーくらいしか食べるものないので、かなり腹が減る。

12時過ぎ解散、談之助と二人、恵比寿天下一に入り、シウマイ、塩豆腐、ザーサイなどつまみにまた飲み直し。ホッピーを頼んだら
「黒しかないですがいいですか?」
と。
これはなかなか結構な店。

長野の『立川流騒動記』出版記念落語会
の件など。私がひょっとして遅れるかも、と言ったら、「何、つないでおきます」と。以前、ルナティックで長野公演やったときもテレビの仕事で遅れて会場入りしたのだった。

タクシー相乗りで2時、帰宅。ベッドにもぐりこんで寝る。

食べたもの。朝:蓮の味噌煮。鶏肉焼き。果物(甘夏、イチゴ)。昼:和風スパゲティ。夜(深夜):新橋のおとぼけ寄席で12時まで何も食えなかったのでや たら空腹を覚え、恵比寿天下一でシュウマイ、塩豆腐、塩そば。塩そば旨し。濃厚な鶏スープに青いものが浮かんでいたので青ネギかと思ったら青唐辛子だった。


26日(金)じぇじぇの奇妙な冒険

まあ、100万人は言ってるダジャレでしょうが、基本として。

今朝の夢。大劇場での公演。通しをやっていて、デブばかりの不良集団とガリばかりの不良集団の激突というシーンの面白さにひとしきり笑った後、これは自分の芝居ではないと気がつき、無茶苦茶あせる。やや自虐的な芝居脳。

安倍首相が、閣僚の靖国参拝に対しての中韓の反発に反論、のニュース。たぶん、安倍サンは戦後の首相の中で初めて、国が国であるために必要なものは経済的安定ともうひとつ、自分がその国の国民であると国民自身自覚できるアイデンティティの確保なのだ、という考えを実行している首相なのだと思う。

アイデンティティ確保のためには「みんな仲良く」ではやっていけない。逆に共通の敵が必要な場合もある。まさに中韓は日本をそのエネミーとして利用している。同じことを安倍サンはやっている。

在特会などのヘイトスピーチには確かにかなりの嫌悪感を抱かざるを得ないが、それに反対する立場の人々はアメリカに対し、また東電に対し、ヘイトスピーチを弄してはいないか? 急激にアイデンティティを取り戻そうとした時にはあのような先走りする連中も必ず出てくる。

戦後日本の政治は一貫して、中韓に配慮するあまり、国民に日本人として、日本の立場に立った発言を行うことを禁じてきた。今、そのゆりもどしが行われているのだ。ヘイトスピーチを弄する連中を生んだのは、本来平等であるはずの中韓日の、日本人のみに国の誇りを持つことを禁じようとした人々であろう。

立川吉幸のことをネットで検索。出演などを告知するサイトのタイトルが『トキメキ吉幸縛り!』(笑)。師匠は変わっても前師匠の影響はやはり。

昼飯は冷蔵庫の余り物を使った炒飯。牛カルビ一切れ、カニカマ、ザーサイ、青葱。冷や飯を酒でほぐしてごま油で炒め、ニンニクとショウガのチューブを搾っ て。そこに鹹蛋のみじん切りを加える。味は味霸でつけるが、ザーサイ、鹹蛋など塩辛いものが入ってるので気をつけながら。鹹蛋が入ると一気に味に個性が生 まれてくる。

昔、仕事した某人から出版社経由で連絡くれとの伝言。10年前にこの男に4万円貸したきりなんだが返してくれるというのかしら。

7時、下北沢440で東京中低域ライブ。コラボが弦楽器カルテット(マンドリン、ギター、バイオリン、ベース)のバンダ・プラネタリオ南欧風の、明るい中にメランコリックの入った曲調がいい。いっぺんで気に入る。
http://www.youtube.com/watch?v=5rbX1ux2YOw

後で水谷さんに聞いたら、プラネタリオのリーダーの青木さんはかつてロックバンド『葡萄畑』のリーダーだった、という。うわ、レコード持ってる。ただしロックのではなくて、山上たつひこ『がきデカ』のイメージソングとして発売された『がきデカ・恐怖のこまわり君』の。
http://www.youtube.com/watch?v=OCxPzWJH8Jw
葡萄畑唯一のコミック・ソングだそうだが、まさかこれ作曲した人、歌っている人があんなロマンティックなバンドを作るとは。とても想像できん(青木さんのMCにはやや、その面影がw)

中低域は久々(2回ほど不義理している)。やはり音圧が凄い。バンダ・プラネタリオとの合奏でビートルズの『レディ・マドンナ』をやったが、ちょっと奇跡的な音。隣の席に座った吉野朔実さんも「ゾクっと来た」とおっしゃっていた。

休息時間に『幽』編集部から連絡、原稿の件。わ、もうそんな時期か。終ってメンバーとちょっと話して、帰宅。酒飲みつつ、いろいろスケジュール整理。

食べたもの。朝:ハンバーグ、味噌汁。果物(文旦)。昼:鹹蛋チャーハン。夜:豚バラとレタスの鍋。アサリ燻油漬けマスカルポーネ和え。旨くてたまらん。鯛の刺身も勢いでマスカルポーネでやってみる。これもなかなか。マッコリサワー、青汁ハイ。

27日(土)カリガリくん
眠り男味新発売!(どんなのだ)

9時起床。その前に2回ほど起きてネットなど寝床でやっている。「SF募集中」のスパムメールを見るとつい、早川書房からか? と思ってしまう。起きてみると初夏の好天。

昨日下北沢に行ってショックだったのは、お気に入りだった居酒屋『安吾』がなくなって韓国料理屋になっていたことだった。・・・・・・うーん、ちょっと高級感あって、役者たち引き連れて飲むといった店じゃなかったからなあ。ビスクスープにつけて食べるパンは絶品でした。残念。

放っておいたFacebook、リクエストした記憶のない人からいくつもリクエスト承認のおしらせが届いているのだがどういうことか。

日本のマンガを世界市場に売り出すためには横書き・左綴じにすべきという論がネットで議論になっているが、果たして横書き・左綴じが日本のマンガの衰退を防ぎ得るものなのか、それが必要不可欠なものなのかという検証がなされておらず、それによる既成の表現の変更による混乱、不便などへの目配りがない。所詮は暴論というか愚論でしかなかろう。第一、国内でマンガ文化を支えてきた読者の利便を無視して何が世界基準か。

2時、新宿『珈琲西武』。もう少し早めに出るせいが、雑用していたらやはりギリギリに。入矢くんと4月公演最終総括打ち合わせ。われわれの世代は総括というのを「気に入らない奴をリンチして殺す」謂としてスリ込まれているので、やや鼻息が荒くなるw

珈琲西武でしばらく待つ。いかにもオタクという体型、服装の二人組の男が向いあってパフェ食べていた。しばらく待っていたが入矢くん来ず。時間を間違えたかと思って電話したら、3階の禁煙フロアに居るとの返事。ここに禁煙フロアがあるとは初めて知った。紫煙モウモウ、がこの店のイメージだったからな。

で、打ち合わせ開始。何と、制作費が、こちらがざっと想定計算していたより30万以上低く抑えられている。入矢くんを大いに見直す。すごいものだ。まあ、これまで私がそれだけドンブリだったということであるが。うちの公演はチケットノルマを役者に課さない主義なので、そこを制作費の節約で埋められれば言うことはない。

負傷した女優さんたちの情報など。11月公演の話も。最低でもこのネタだと20人の出演者が必要になる。劇場(楽屋)の大きさから言ってネタ替えが必要か。次点にしていたネタを話すと、入矢くんちょっと興奮気味に食い付いてくる。

とにかくいろいろ懸案も残っているがまずは前向きで。入矢くんの本業の話も。メルマガを私にやらないかという話、某社から来ているそうな。ちょうどやりたかった案を話す。別れて遅めの昼飯でも、と思ったが近くの店に食欲そそられず、小田急で買い物して帰宅、冷凍庫の豚タンダシでラーメン。

それから入矢くんから預かった会計メモチェックに入る。照明機材としてスモークマシン、購入しちゃっていたのに驚く。てっきりレンタルだと思っていた。まあ、格安のお値段ではあるがヨッシー、豪傑だなあ(笑)。ケチくさいが他の劇団に使わせるときは損料とらんと。

音響照明舞監の三大部所にはトッパライで支払済。役者各位にも千秋楽の打ち上げでチケットバックは手渡し済。ここらは入矢・吉田のコンビに感謝。これが信頼を生む。音楽、特殊造型、スチール、記録等々に週明けに振り込みをして、今回の公演はオール終了。あとはDVD鑑賞会だな。

それらのチェック6時半まで。そこらで体力も尽きる。30分ほど仮眠を取り、目覚めてそのままベッドで書評用読書。9時夕食。

久しぶりに『ジェシカおばさんの事件簿』鑑賞。第2シーズン第1話『勝利の美酒は苦い味』、相変わらず懐かしい俳優の勢揃いで、ロイ・シネス(『インベーダー』!)とかクルー・ギャラガー、ノーマン・フェルなどが顔を揃えているが、競馬場の警備官役でラモン・ビエリが出てきた!

・・・・・・と、言ったって知ってる人はほとんどいないだろうが、ビエリと言えば『アンドロメダ・・・・・・』のマンチェック少佐ですよ! これで「おお」という人なら友達にな れると思う。『アンドロメダ・・・・・・』のテレビ放映の時の声が」塩見竜介、このジェシカおばさんでは今西正男。このキャスティングで笑える人もわが友である。

しかしパッケージにはロイ・シネスのことをロイ・シンズなんて書いてある。古い役者に関する知識がビデオ会社のスタッフに全くないんだよなあ。

食べたもの。朝:シャケ漬け焼き。ちょっとパサパサ。エノキの味噌汁。コールスロー。果物(リンゴ、文旦)。昼:豚タンダシラーメン。夜:ピェンロウ、サクラエビマスカルポーネ。アサリ燻油漬けはカロリー考えて自粛。マッコリサワー、青汁ハイ、黒ホッピー。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa