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2012年11月7日投稿

つぶやき日記11月4日〜6日

4日(日)「いいじゃないか、モルモンじゃなし」「ああっ、黒いものが!」
『オバマ×ロムニー』の薄い本

今朝の夢。ミステリ協会の会合のような場所で、私は講演している。それが何故かエアコンの掃除をしながらで、エアコンにこびりついた「麩」をこすりとりながら、麩の粘着力をトリックに使うことは出来ないか、などと話す。すると会場から
「『かもめ殺人事件』には麩が使われていたはずです」
と指摘がある。私はその作品を未読なのだが、当てずっぽうで
「あのトリックは麩でなくてもかまわないのでちょっと残念だった」
というと、みんな「そう言えばそうだ」と納得するのでホッとする。

明日は座談会。それ用の資料を作らねばならないのに、いっかなテンションあがらず。困ったものである。

グチメールを某氏に送ったらすぐ返事がきた。いや、グチを言い合える仲間がいるということは何とも気が楽になるものだ。

コミケ当選。31日東地区“パ”ブロック39a『NO&TENKI商会』。芝居と平行で単行本と同人誌を作る。グダグダしてはいられない、と、少し馬力かかる。

エビカツサンドと缶コーヒーで朝食とって、2時半、中野ポケットへ。清水ひとみちゃんの出演する舞台を観にいったのだが、時間間違えていて3時半開場、4時開演だった。まあ、これさいわいと目をつけていた青果店で安売りの果物を朝食用に買い込み、一旦家に帰る。

出直してもう一度、中野ポケット、笑犬(WAHAHA本舗+くろいぬパレード)公演『だがしかし、恋をする。』観劇。貰ったチケットの席が補助席で、手書きで「了」と書かれているのがどういう意味かわからず、首をひねっていたが、場内案内の人に訊いたら
「あ、これは“ア”です」と言われる(笑)。ほぼ全席満席。私の芝居のチラシもちゃんと折り込みされている。よしよし。

くろいぬパレードという劇団は未見だが、WAHAHAの騒がしく明るい芝居に対し、やや地味な、シリアスな作風を持つところ、のようだ。かつて世上を騒がせた殺人事件の犯人と目されていた女性が証拠不十分で無罪になった後、人目を避けてある田舎村の、過疎化対策の共同農場(共同生活をしながら農業を営み、カップルが誕生すると補助金が出る)のまかないをやっている。ある日、その農場に、記憶喪失になった男が現れた。彼は、周囲の白い目をよそに、彼女に好意を示すが・・・・・・。柴田理恵さんがぴったりの役柄でさすがの存在感。くろいぬパレードの役者さんたちでは、島崎裕気という女優さんが、その体格と、退場の仕方(これが悲劇なのだが笑える)で抜群の存在感であった。

セットがかなり凝ったリアルなもの(舞台美術・川上大二郎)であり、開幕前に見入ってしまう。セットというのはそれだけで芝居の中身を語り尽くすことが多いが、まさにその通り、笑いはあるものの、人間の心のドロドロした部分を描き出した、かなりリアルでシリアスな芝居であった。・・・・・・ところで、佐藤正宏演ずる作家の名前が“御手洗潔”。島田荘司のミステリに登場する名探偵の名前と同じだが、別にパロディでもオマージュでもないようで、どうしてこの名前にしたのだろう。ひょっとして脚本家が御手洗潔を知らなかったのか?

清水ひとみちゃんが美人なのに驚いた。いや、驚いちゃ失礼だが(笑)、抑え気味の演技で、真の恋といつわりの恋のふたつを受ける役なのだが、とても魅力が出ていた。次に自分の芝居に出てもらうから、という欲目ではないと思う。後で聞いたら当て書きとのことで、ちょっと感心。

実は次の芝居でひとみちゃんの使い方をどうするか、ちょっと思いあぐねていたところでもあった。単なるドタバタに終始させてしまってはわざわざWAHAHAから彼女を借りた意味がなく、しかしながら芝居の基本がナンセンスであり、と首をひねっていたが、数日前、ある人に“これ、どういうお芝居なんです?”と訊かれて、えーとですね、と話しはじめたとたん、テーマが急にぐっと凝縮して形を成してきて、出来た! と思わず内心で叫んだ。今日の舞台を観て、うん、そうだそうだとまた、膝を叩く思いだった。

ちなみに、そのひとみちゃんの役どころは『めぞん一刻』の音無響子、である。え、007もので? と思った方、どうか観に来てくださいませ。

Sさんとも話す。頼んでいた美術監督さん、見つかったとか。これで全てのスタッフが揃うことになる。

帰宅、やっとエンジンかかって、原稿、書きに書きまくる。11時半、何とか明日必要な分は完成させてメール。ビール買い忘れたので冷蔵庫の奥にあった「氷結ストロングドライライム」でフー。

仙台から送られた牡蛎を、まずはレモン絞って生で食す。味が濃いこと。続いてニンニクバターで蒸し焼きに。グリコーゲンというのはアルコール並に人を酔わすのではないかと思うくらい、食べていてテンションが上がってくる。〆に、フライパンに残った牡蛎のジュースとニンニクバターの合わさったソースを温めた飯にぶっかけて牡蛎めし。うわあ、と叫びたくなる味。

本日食べたもの。朝:カリフラワのフライ、ホウレン草お浸し、果物。昼:エビカツサンド、二十世紀梨。夕方:稲荷寿司。夜:ミニトマト、マッシュルームサラダ、牡蛎。氷結ライム、黒ホッピー、緑茶ハイ。

5日(月)♪あいつはあいつはかわいいハシシタの男の子
「真っ赤な日の丸かかげる 君が代歌えとつめよる」
「石原のこと 好きかしら はっきり聞かせて」

どんよりした空模様で眠い。交通事故の原因でも、居眠り事故は曇りの日に増えるんだそうだ。この記事を見つけたときは何だか自分の眠気に正当性を与えられた気がして嬉しかったなあ。

眠気といえば、またこの事件。眠らせず「家族会議」、思考奪い洗脳…角田被告http://jump.cx/M5KeHあー、あるある。カラオケボックスに団員を押し込めて、朝まで逆らう奴吊るし上げる劇団とか。なぜか心理学の素養があるわけでもないのに、こういう洗脳術だけは長けてる奴っているんだよね。

土曜にメールで出した苦情にやっと局(制作プロダクション)から返事が来て、明日電話があるという。佐藤秀峰や唐沢なをきのような怒り方はしたくないが・・・・・・。

4時、家を出て大江戸線で大門。T社にて単行本用座談会。最初に近くのルノアールで編集のOくんとざっと打ち合わせ。T書店が新橋からこっちに移ってから来たのは初めて。マクドナルドの二階のルノアールと聞いて、地図でMの字をチェックしていったらモスバーガーだった。

15分ほどでT社9階会議室にて呉善花、石平のお二人と鼎談。テーマは日中韓三国の笑いについて。石平氏はちゃんと鼎談のテーマにからめて、まとめようとしてくださる。一方の呉善花さん、最初はノリがあまりよくない感じだったが、途中で「神が出た(韓国における、ハイになった状態の表現)」状態になり、話が止まらなくなる。ご自分でも意外だったようで、「神、出ましたネ」と何度も繰り返す。面白かった。

「中国の冷笑」「韓国の恨(ハン)」「日本の自虐」という、笑いの国民性を抽出したいい鼎談になり、両氏から「これでもう一冊、本を出しましょうよ」と言われるほど盛り上がる。・・・・・・個人的感想であるが、呉さんは清水ひとみちゃんに似ている。

終った後、大門すぐそばの中華料理店『楓林』で食事。ここでもいろいろ会話はず。呉氏が韓国から長い間入国拒否されていたこと、チャンネル桜のことなど。紹興酒とビールでちょっと酔う。10時ころ、店を出てOくん、石氏、呉氏と別れ、そのあたりをちょっと散歩。浜松町近辺は、住んでみたいとずっと思っていたところなのだ。

地下鉄乗り継ぎで帰宅、少し飲みたそうと10時半くらいにスーパーで酒のアテを物色していたら、品のいい老婦人に

「テレビでお見かけする方ですよね」

と声をかけられる。

「お話がいつもわかりやすくて、楽しんで見ております」

と。ご主人も日テレのテレビマンだったそうだが、過労で体を壊し、若くして亡くなったとか。

「先生もお気をつけて」

と言われて、恐縮。

しかし、白居易ではないが、80歳のお婆さんに“話がわかりやすい”と褒められたのは嬉しい。さっきの楓林での話でも、
「日本の文化人って、難しい言葉使って話をわかりにくくするのが商売みたいなもの」
という指摘が出ていた。

ひとまず本の第一段階クリアでホッとして、DVDで『サブウェイパニック』見ながら酒。映画史上最高の傑作ラストシーン。ウォルター・マッソーをキャスティングしたのはここのシーンのためか、という感じの、あの目つきがたまらない。目千両である。

本日食べたもの。朝:モロッコインゲン、カリフラワ、蓮のフライ。ホウレンソウのお浸し。ご飯、漬物、イチジク。昼:豚タンスープでラーメン。夜:大門の中華料理店『楓林』で白菜のクリーム煮、黒酢豚、牡蛎炒め、紹興酒。帰宅してからマッシュルーム、ミニトマト、サクラエビ等で黒ホッピー。

6日(火)『のぶおの城』
「まずい、もう一杯!(八名)」「ヒロノオよォ〜(金子)」「放射能は安全(池田)」

早朝から窓外に凄い雨音、車軸を流すとはこのことだろうというような大雨。ベッドの中で恐れ入って塩野七生など読んですごす。起きて服薬、八味丸、亜鉛錠、タウリン。

10時朝食、この雨の中、母は近くの病院にクスリもらいに出かける。風呂入って、またベッドで横になり読書。11時ころ電話あり、『スクール革命』から。次回以降の改善を約してくれたので、まあ今回はそこらで矛を収める。何にしてもこういう文句は言っても言わなくても気分悪し。

そのすぐ後にまた「日テレの・・・・・・」と電話、思わず不機嫌な声で応対したら別番組だった(笑)。

塩野七生『ローマ人の物語』新潮文庫で読破計画。単行本では飛び飛びにしか読んでなかったので、今度こそはと通読の決意。前書きで著者曰く

「それでは今から、 私は書きはじめ、あなたは読みはじめる。お互いに、古代のローマ人とはどういう人たちであったのか、という想いを共有しながら」

・・・・・・カッコよすぎ

梶田興治監督インタビュー第二段チェックはじめる。テープ起こしのライターさんが「シノプシス」というところに「(シナプス?)」と疑問マークをつけている。映画とか芝居の世界でない人にはシノプシスというのは耳慣れない単語なのだな。

しなければならないこと山積なのだが、♪しょうがない、雨の日はしょうがない〜と歌いながらベッドの中にもぐりこむ。

最近の酒肴でヘビロテなのがマッシュルームサラダ。傘の裏側が黒くなっていない新鮮なものを薄切りにして生食する。生食できる唯一のキノコがマッシュルーム(ハラタケ)なのだそうな。

もちろんドレッシングをかけるのだが、最初、少しスカして手作りのフレンチドレッシングなどを作って使っていた。ところがある晩、めんどくさくて、冷蔵庫の中にあった市販の和風ドレッシングの残りをかけたら、これがメチャ旨。これでハマってしまった。

調べてみたら、マッシュルームの旨味成分はグアニル酸。これは昆布のグルタミン酸、鰹節のイノシン酸と合わせると旨味が十数倍に増すらしい。和風ドレッシングが一番旨いのも当然のことだったのである。

マッシュルームだけだと食感がモソモソするのでタマネギやルッコラなどを加えるのが常法だが、すでにしてグアニル酸ジャンキーの私は余計なものを加えず、山盛りのマッシュルームの薄切りに和風ドレッシングをちょっとかけただけのものを毎晩むさぼり食っているのである。

本日食べたもの。朝:ローストビーフと野菜のサンドイッチ、ミルクティー。昼:油かすチャーハン。夜:ブテチゲ(白菜、ニラ、銀ダラ、スパム)、ミニトマト、マッシュルームサラダ、発泡酒、黒ホッピー。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa