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2012年10月22日投稿

つぶやき日記10月19日〜21日

19日(金)南無般若バケラッタ心経
オバケ退散!

早朝、月末の福岡行きのチケット予約。会社関係の証書作成があるので公証役場の予約を向こうで確認するのを待ってたら、格安店の割引の搭乗10日前という期間が過ぎてしまい、値段が1万円以上高くなってしまった

腹が減ったが冷蔵庫に何もないので、コンビニに行き、買い物。ついでに例のハシシタ記事の週刊朝日、一部だけ残っていたのを買ってしまう。やはり弥次馬精神は刺激されるよな。記事を書いた佐野眞一という人は、昨今またぞろ話題の東電OL殺人事件を書いたときも、「人間の深い怨念と血筋」に取り憑かれたような内容のルポを描いており、以前私がトンデモ本として取り上げたこともあるざっと目を通しながら軽食とって、後もまた事務仕事いろいろやり、疲れて二度寝。

日テレ某番組から連絡、やっと収録日決まる。最初今月の17日という話だったがその後11月14日とほぼ一ヶ月先に延び、結局今月末という、中間をとった感じの日に。芝居の稽古が始まる微妙な時期であり、スケジュールが決まらないといろいろ困るとちょっと文句言ったら、
「すいません、うちはまず××のスケジュールありき、なので」
と言われて、まあ、それじゃ仕方ないよなあ、という気になる。ここまでハッキリとヒエラルキーを宣言されては何とも言えない(笑)。

もろもろの請求書を作成して郵送。郵便局の帰りに昼食を外でとろうと思っていたが、出がけに宅急便で、油かすが届いた。急遽、昼はかすうどんにすることに。

マイミクさんご夫婦がこないだ大阪旅行して、かすうどん食べた、という日記を書いていて、これを読んで急に自分もたべたくなった。これに使う油かす、大阪ではスーパーで売ってるような食材と聞くが東京ではまず、見かけない。で、ネットで探したらあるもんですなあ、「油かす通販専門店」という夢のような店が(笑)。さっそく注文してみたのであった。ホルモン焼き屋でよく出るマルチョウを油で揚げたものだな、要するに。

で、冷凍の讃岐うどんを使ってかすうどん作成。いやあ、実に簡単に(油かすを細かく切ってうどん汁の中で2〜3分煮るだけ)本場かすうどんが完成。青ネギのみじん切りとチクワを添える。香ばしい揚げ肉の匂いと脂身のうまみ。大満足。

しかし「油かす」という名称もしかり、脂を油で揚げるという製法といい、なんというかB級の極地というか、お上品な身分の発想からは絶対生まれ出てこない食い物である。橋下氏の出自を非難する連中というのは、要するにかすうどんのおいしさのわからん奴らなんでしょうな。

こっちは満足したが、某MLでの騒動は満足どころの話ではない。「くふふ、単純な奴よ、これでわれらは何もせずともジェダイは内部から崩れていくわ」というパルパティンの含み笑いの声が聞こえないのかアナキン!

気がついたら傘がない。昨日昼飯を食った店に傘を忘れて、買物をしようとして気がついて取りに戻り、改めて買物をして、その店に改めて傘を忘れて帰ってきたのであった(泣笑)。

女優シルビア・クリステル脳卒中の後遺症で死去。60歳。私の高校二年のとき、『エマニエル夫人』が公開。R指定がついた初めての映画であったが、われわれ高二生は17歳、ギリギリで観に行ける年齢だった。英文法のM先生が、
「あの映画はみんながポルノみたいに言っているが、監督がヴォーグのカメラマン出身なので、カメラワークが非常に美しい。併映のアラン・ドロンの『愛人関係』(札幌では二本立てだった)と比べてみればよくわかると思う。ぜひ観にいきなさい」
と勧め、先生のオスミツキで観に行ったものである。エマニエルよりも、彼女に性の手ほどきをする老人を演じるアラン・キュニーの方が印象的だった。エマニエルを演じたシルビア・クリステルは、その実生活でも性的遍歴を続けるが、後にベルギーで画家として名声を得る。キュニーは『エマニエル』の翌年、日本映画『雨のアムステルダム』でも萩原健一のカマを掘る変態老人の役をやったりしていたが実は凄まじいインテリで、ブラックやピカソとも親交があった。たぶん、『エマニエル』での共演で、彼女はキュニーから絵に対する興味を持ったのではないか。だとしたら、映画とは全く違った教育を受けた、ということになる。

5時、新宿。らんぶるにてT社O氏。見本原稿を見せて、いろいろと微調整(文体、長さ、読者対象の年齢など)。参考書籍何冊か用意してくれたのはさすが読書家のO氏。自分でも来週、国会図書館に足を向けるつもり。

打ち合わせ終えてまた帰宅。日に三度も出入りするのは引きこもり派の私としては異例。家に帰ってモンゴルギョウザの餡(ラムのもも肉をニラ、ニンニク、セロリ、キャベツ、シャンツァイと一緒にミンチにし、腐乳、シーズンオール、豆板醤等で味付けする)を作っていたら『嵐に・・・・・・』から電話。こないだ外で打ち合わせした内容から向こうが構成案を作ってきたので、それを読んでさらに意見を。順番を並べ替えて、さらにテーマに沿った素材を提案。それはいいですねえ、になる。ちょっと長電話になった。

人間は文の最初と最後の部分しか読んでいない、というが、ネットのニュースで、例のIPアドレス誤認事件の記事の「遠隔操作」を「遠藤周作」と読んでしまって一瞬“?”となった。まあ、これは上記の打ち合わせで遠藤周作の名前が出たというせいもあるが。ところでこの誤認逮捕で警察は容疑者に謝罪したというが、まさに「御免ですめば警察はいらない」。

テレビ見ながら晩酌。築地バス事故の運転手の名前が南畝裕貴。南畝と書いて「のうねん」と読む。テレビ、ラジオのニュース番組では読み(または文字)の確認におおわらわだったであろう。酒のつまみに、油かすをキャベツと炒めてみる。うーむ、これはヤミツキになって食いすぎて文字通り病みつきそうな不健康な美味だな。

本日食べたもの。早朝:ツナサンド、スイートポテトひとつ、缶コーヒー。朝:時シャケ焼き、味噌汁、果物。昼:かすうどん、稲荷寿司三つ。夜:サクラエビ湯豆腐、炒り油揚、キャベツと油かす炒め。ハーフ&ハーフ、黒ホッピー。

20日(土)ナチが来れば思い出す
♪はるかなパリ、ポーランド。

今朝の夢。小松左京の秘書になるが大ポカをやって、口調は優しいが厳しく叱られ、オレはこの歳まで何をやっているのか、と大いにメゲる。

昨日、旅行会社から電話あって談判の末、福岡行きはANAをあきらめてスカイマークにして、なんとか安く上げた。スカイマーク初体験。宿はついてないパックなので、大浴場のあるホテルを予約する。サウナ泊まりでもよかったのだが、さすがにそこまでケチることもなし。

予定いろいろ詰まってくる。『スクール革命!』の打ち合わせを、公演の打ち合わせの日に入れてしまった。・・・・・・まあ、ここの打ち合わせはお互い慣れていて長引かないからいいか。それより、福岡行きがルナの一ヶ月公演の千秋楽だった。麻衣夢への誕生日祝いをこの日に渡すつもりだったが、前倒しでどこかの彼女の出演日に行かないと。

デパートで買ったパック入りのタモギタケ、タモギタケの特色である香りが全くなく、ダメだこりゃと放置しておいたら腐った。捨てようとしたら、濃厚なタモギタケの香りが・・・・・・うーん、腐ってから香られてもなあ(いろいろ含みのあるエピソードに聞こえる、ような気がするww)。

画像データ資料を局に送ったり、資料本読んだり。6時半、中野駅北口に向い、中澤隆範くんと待ち合わせ。12月公演の、男優側の主役である。オノ・テヤマの夫婦も加わり、うどん真希で飲み会。仮チラシを手渡す。

F氏本の最終稿テヤマから受け取る。何とかこれも形に出来て約束果たした形になり、ホッと。お祝い代わりにズワイガニ一杯とって、乾杯。それから話、いろんなことではずむ。やはり役者さんと話すと楽しい。彼らがほぼ確実に“未来”を夢見、信じている人たちだからだろう。例えその夢がかなう確率が低くても、その努力した経験が一生を充実したものにさせる。マイミクの講釈師、神田陽司さんが
「人生で一番大切なものは結果ではなく、プロセスである」
と名言を吐いたが、結果を恐れてプロセスを体験するチャンスを逃してしまった人生こそ、あわれである。

中澤くんとは意見の一致するところもかなりあり。
「一般観客にとっては面白い芝居しか価値はないが、われわれ演劇人にとっては、つまらない芝居の方に価値がある。“なぜつまらないのか”“どうしたら面白くできるか”と考える、格好の勉強材料を提供してくれるからである」
というのもそのひとつ。

話はずんで酒もはずみ、気がついたら焼酎『喜六』のボトルを三本、空にしていた。カードで支払いをすませた記憶はあるが、その後どうやって家に帰ったか、まるきり覚えていない。よく着替えてきちんとベッドに入れたものである。

本日食べたもの。朝:煮豆腐、塩サバ、漬物、果物。昼:バリ風混ぜ飯。バジルがなかったのでセロリの葉で代用。夜:中野『うどん真希』で飲み。ずわい蟹、とろほっけ、カニクリームコロッケ、焼き鳥串盛りなど。ビール、ホッピー、焼酎。


21日(日)残業佐七捕物帳

親分、また夜中まで仕事ですかい(巾着の辰・談)

久しぶりの恐怖夢、超久しぶりの金縛り。30年ぶりくらいじゃないかしらん。 深夜、カバンに入っているビデオテープを狙って、誰かが家に入り込んでいる音がする。突然、枕元の携帯がギュイギュイ唸りだす。出ようとするが体が全く動かない・・・・・・。
「今日びビデオテープなんて古いもの、カバンに入れないよな」
と気がついて
目が覚めた(笑)。

途中で目を開いたがまだ寝ていたらしく、ベッドサイドテーブルの携帯はちゃんと見えており、着信ランプが明滅していた。金縛りが回復してから実験してみたが、ランプが明滅しているように見えたのは、まぶたの端近くにそのランプがあって、まぶたの細かい振動で見え隠れしていたのが明滅に見えたらしい。

酒の飲み過ぎによるものかと思ったが、二日酔いなどは微塵もなし。ただ、早起きはせず10時の朝食まで横になっている。

打ち合わせ、面談、インタビューが火曜日に集中。13時打ち合わせ、14時面談、15時インタビューと、『三銃士』のダルタニアン状態になった。私もそうだが、月曜日というのは週末に連絡とれなかった諸々のことが報告されて善後策たてねばならぬ緊急事態をみんな想定し、安全策として一日おいた火曜日に設定したがるんですね。

公演の舞台美術、スチールカメラマンとも連絡ついた。ひとつひとつ、舞台のピースが埋まっていく。この時期のワクワク感。芝居の醍醐味である。

4時半、家を出て上野広小路まで。丸ノ内線車中で、飲みおわったジュースのアルミ缶つぶしてパキッという大きな音立てた男あり。こないだの今日で、みんなドキッとした顔をしていた。無神経なのか、あるいは愉快犯か?

乗り換えた銀座線の車中で今度は凄まじい勢いでiPhone打っているガイジン娘が隣に座る。その打ち込みの早さに瞠目したが、考えてみればそうか、英語なら変換の手間がないわけだ。

第14回ダーリン寄席。ダーリン(前田隣)先生亡くなって3年と9ヶ月、よく続けている。四代目おかみさんと弟子たち、可愛がった後輩たちの努力のたまものだろう。客席にグレート義太夫さんがいらしたので挨拶したら、やたらビックリしていた。他に東京ボーイズの仲八郎先生の顔も。客席まで豪華だ。いつも顔を見る常連さんが、私に岩波の新・円朝全集のパンフレットを渡して、
「ぜひ買ってくださいといいたいところですが、8500円×16巻という高価商品なので、地元の図書館にリクエストしてください」
と。岩波書店の方でしたか。

出演は常連の左談次、ラジークイーン、談奈、米粒写経、三平×2、ユンボ安藤の他に、今回はスギタヒロシ、特別ゲストに松元ヒロ。開口一番は談四楼の弟子の寸志。彼を含めて落語が三本。寸志は『生兵法』という珍しい噺。とにかく声を張っているのがよし。談奈は『転宅』、結構だが泥棒があがりこんだ家のご馳走をいただくとき、箸を口でパキッと割るしぐさをしていた。お妾が旦那のために揃えた膳の箸が割り箸じゃいけない。左談次、風邪気味で軽く演じていたが、そっちの方がこの人は味が出る。「士農工商週刊朝日」から『妾馬』にもってくか(笑)。

米粒写経や三平・ユンボは通常運転。スギタヒロシのエイリアン漫談(自分の胸を破って突き出たエイリアンとの腹話術漫談)がちょっと新鮮。レッドスネークカモンの現代的応用だが芸風は昭和(笑)。老人ホームの慰問仕事で「(お年寄りには)エイリアンというのは解らないと思います」と“ヘビ”に変えられた、という話には爆笑しながら「ま、そうだよな」と。
http://www.youtube.com/watch?v=40wfEBSw1ZI&feature=related

特別ゲストの松元ヒロはこれまでの形態模写などでなく、ノーネクタイの背広姿で漫談。それもニュースペーパー出身らしく、かなり過激な政治的ネタをやり、徹底したリベラルで反原発、反沖縄米軍ネタ。米粒写経の居島が右翼なのと対照的。反原発などの立場は私とも正反対だが、ちゃんとギャグに昇華させているのでイヤミなく笑える。むしろ、今の反原発派の発言がこのスタンダップ・コメディを抜く理論と説得力を持ち得ないのが問題なのだ。ヒロさんとは前からの顔なじみ、楽屋に終演後顔を出して挨拶。喜んでくれたがマイミクの前座名人さんが私を“この人、原発推進派ですから”と(笑)。

風邪気味で体調悪いと言っていた左談次が告知コーナーでは若手を蹴散らして一番のオーラを発揮、これぞ芸人。大笑い。四代目夫人ノリローさんから打ち上げに誘われ、いつもの加賀屋へ。松乳庵さんなどと。WAHAHAのラジークイーンに『7:00amは殺しの番号』の仮チラ、渡す。居島くん、談之助、さだやん、談奈、それに後から参加のポカスカジャンのタマさんとも話す。タマさんに『7:00〜』の話をしたら、もう清水ひとみちゃんから聞いている模様。さすが、早いね。

今日は加賀屋は本来日曜で休みなのだが、この会のために店を開けてくれた。ので、2時間でお開き。談之助と二人、大江戸線で帰る。帰り道、例により談之助の落語論、円生再評価論(文楽、志ん生に比べまだ評価が低いが、落語を芸から芸術に完成形として作り上げたのは円生であり、談志も志ん朝も大ネタにおいては円生のエピゴーネンでしかない、という論。私も全く同意見)。また、落語家に最も求められるのは師匠を選ぶセンスだ、という論。やはりこの男の理論には一種落語好きを痺れさせる力がある。

帰宅、いろいろやることあったが明日回し。腹が減って、カップ焼きそば食べようかという誘惑にかられるが、何とか克服。寝る。

食べたもの。朝:焼肉、コールスロー、牡蛎佃煮、果物。昼:かすうどん、稲荷寿司。夜:加賀屋打ち上げ。もつ煮込み、大根サラダ、焼鳥など。ビール、ホッピー。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa