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2012年10月8日投稿

つぶやき日記10月4日〜6日

4日(木)グナイゼなう
ワーテルローの戦いにゅっと。

風邪、ゆうべ寝るためにジキニンのんで寝たが調子よし、寒気とダルさはおさまった。が、まだ喉が痛い。収録とかの予定にカブらずよかった。今日は芝居行けるか?

朝4時ころ、公演の予算組み。あっちを削り、こっちを膨らませ。頭も痛いが楽しい作業。とりあえず、フライヤーデザインを発注。ロゴのアイデアにいいのが浮かんで、ちょっと自己満足。あと配役の件でプロデューサーと打ち合わせの日取り合わせ、さらに小道具揃えのお願いを各所に。いろいろ動き出してきた。

今日は母が病院で検診なので、朝食は自室で。ゆうべのカムジャタンの汁でおじやを作り、6時ころ食べる。9時近くにまた腹が減るので、コンビニでツナサンド買って、缶コーヒーと一緒に食べる。

7月にちょっと某件で間をつないだT先生から、なんとかうまく話が進みそうだと連絡あり。もう、嬉しくてあっちこっちに吹聴しているらしい。大丈夫なのか?

いろいろネット駆使して、12月の芝居の稽古場、とりあえず11月中の場所確保。基本、11月中は安い公共施設中心で、12月の全日稽古になってから設備整ったところを使う予定。7月公演はどたばたで、応急で予約しなくてはならなかったりで、稽古場代がやたらかかってひどい目にあったからなあ。

夕方には風邪、すっかり回復。結局、対策らしきことをしたのはジキニン二包のんだのみ。安上がりというか、頑丈な男だ。6時ころ、下北沢へ赴く。ルナの芝居を観にいくのだが、3本の芝居をランダムにやっていて、今日はさて、何だったか(笑)。行ってみたら『南極(人)3』の初日だった。岩田くん扱いで料金払い、差し入れの栄養ドリンクを新人の泊くんに渡し、客席に入ったらグレート義太夫さんがいた。隣に座って、いろいろと話す。琴重ちゃんは骨折、顎の骨だったとか。自転車で真正面にコケたらしい。若手の小沼も事故でしばらく休団しているし、ちょっと不運続きだな。

不運というのでなく、劇場に入ってちょっとショック受けたこともあり。初日にこれでは、と、今は私はルナとは一応離れてはいるが心配になる。だから、これ専門にスタッフを入れて・・・・・・とかいろいろ改善策を思うが“部外者”として余計な口出しも出来ず、ちょっとイラついた。いや、人の劇団のことより自分のアタマの上のハエを追うべきなのかもしれないが、つきあいの長いところだけに気になる。

で、『南極(人)3』、初日にしては大きなカミや滞りもなく、無難にこなしたという感じ。大野由加里の椎崎も、いらだちキャラとしては鳥越夕幾子より似合いかも。ただ、長ゼリ続きのこの芝居、みんな自分の台詞を覚えてはいても相手役の台詞まではまだ覚えきれていない。そのため、相手が台詞をしゃべり終ったあと、一瞬の間があく。で、相手の台詞が終ったのを確認してから、次の自分の台詞をしゃべり出す。これでテンポがかなり削がれている

中大岡百太郎(かつての私の持ち役)は佐々木輝之がやっていたが、なんと帽子とメガネで、私のコピーの格好で演じていた(笑)。中大岡はモデルが中岡俊哉で、唇が分厚いので、劇中椎崎に“タラコ唇”と言われているが、そこらへんは全く修正なし。私のときには“帽子”と呼ばれていた。ここら、観ている人は混乱しないか?

何にせよ、まだ初日ゆえに未完成品という感じ。これではちょっと批評が出来ない。千秋楽にでももう一度観て、とは思うが、時間とれるかなあ。

終って、初日打ち上げに誘われてつきあう。ぴあぴあ。岡田に“最近テレビでまくってるじゃないですか”と言われる。それはTBSがやたら『時間ですよ』の番宣をやっているからだろう。そう言えば昼間乗ったタクシーの運転手さんにも同じこと言われた

松ちゃんや井上さん、大橋さんとも話す。みな、口々に“『カルネアデスの板』観てくださいよ”と言う。今回の一オシはこれらしい。岩田くんは体の調子悪く禁酒しているとか。飲み仲間が一人減ってしまったな。

喉がやたら渇いたので、緑茶ハイがぶがぶやる。ハッシーもちょっと酔って(舞台上でも、かなりバテているようだった。そりゃ、3本も芝居作って演出して出演して・・・・・・では仕方ない)、私の芝居についていろいろ意見言ってくる。御説ごもっともなところもありとはいえ、彼も自分のアタマの上に追うべきハエがブンブンのはず。お互い様(笑)。

終電あっという間に逃し、ハッシー夫妻とタクシー乗り合いで帰宅。タクシー代は講義料としておごる。

食べたもの。早朝:カムジャタンのおじや。朝:ツナサンドと缶コーヒー二本。夕方:下北沢の新開店ラーメン屋で味噌ラーメン。イマイチ。夜:ぴあぴあでの打ち上げに参加。発泡酒、緑茶ハイガブガブ飲んでほとんどものは食わず。

5日(金)ロボっ子ヴィトン
監督が大隅正秋、演出が富野喜幸、作画が安彦良和という高級ブランド。

6時ころ目が覚めたが、猛烈な二日酔いであった。あちゃあと思い、布団かぶってじっとしていたら、9時には完全回復、腹が減って(まあ、ゆうべ固形物をほとんど取らなかった)目が覚める。わが内臓系、いまだ衰えておらず。

とはいえ、気圧のせいか何か、やたら怠惰な気分。本日は代々木の俳協で小林清志さんインタビュー。大ファンの方であり、行けば実に楽しくまた貴重な仕事だとはわかっていても、何とか行かないで済ませられないかと間際まで考える。出不精も極まれり、である。

まあ、そうも行っていられず出て、代々木まで。駅前でTくんと待ち合わせ、俳協事務所まで15分ほど歩く。新宿御苑裏手のビル。マネージャーのAさん相変わらず私を先生先生と奉って、こまめに気を使ってくれる。やがて小林さん、やってきて挨拶。この事務所は完全禁煙なのだが、小林さんは特別らしく灰皿が用意される

最初、これまでの声優さんインタビュー(大塚周夫さん、青野武さんなど)に比べ、ちょっと口が重く、また生粋の江戸っ子特有のテレ性とひねくれた表現で答えをはぐらかしてしまう部分あり、ややてこずる。が、やはり話が芝居のことになると口がどんどん滑らかになっていく感じあり。『群盗荒野を裂く』のラストの台詞の吹き替えと原語版の違いのことを言うと、よく見てくれてますねえ、と破顔されたのが嬉しかった。それと、落語が好きで、若いころは上野鈴本などにしょっちゅう通って聞いていた、というのは意外々々。
「文楽とか、文治とかが好きだったな。あと、円生をよく聞いた」
「それはちょうど戦後、ラジオで落語がブームになってた頃に・・・・・・」
「違うよ、戦前の話だよ。親父に連れられていつも畳敷きの鈴本の隅っこで聞いてたの」
どうも年期が違う。文治は八代目文治のことなのね。
「円生はねえ、下手だったねえ。説明ばっかしで、つまらなくてねえ」
昭和の名人もカタなしである。落語好きが高じて、俳協の声優さんたちを集め、落協会という会を作っていた。この話は『立川流騒動記』にもちょっと出てくるので非常に興味深かった。今度、そこを中心に田中信夫さんや近石真介さんなどにもお話を伺ってみたい。

2時間のインタビュー時間、あっと言う間。Aさんが“小林がこんなに語るのは珍しいですよ”と言ってくれた。Tくんも、
「ちょっと、今までのインタビューの中で一番緊張しました」
と興奮気味。何とか刊行ペースをあげられないか、しばらく新宿の喫茶店で打ち合わせ。

今日はそれから六本木に移り、シネマート六本木でパスカル・ロジェ(著名ピアニストと同姓同名)監督のホラー『トールマン』試写。マイミクのNさんのお誘い。舞台挨拶にたった監督、司会の「日本の観光はしましたか?」という質問に
「ハイ、行きました。特撮博物館」
(笑)。オタクだな、こいつww

映画はネタバレしないでくださいと注意があったので詳しくは書けないが、ホラーというよりヒッチコック的なサスペンス。寂れた元・炭坑の町で、次々子供が行方不明になる、というのが発端。やたら伏線がはりめぐらせてあり、一回観ただけではよく理解できぬ観客も多そう。ラストで全ての謎が解けるが、それよりも映画中盤での大ドンデン返し(普通はラストにドンデン返しがあるが、この映画は真ん中あたりにそれがあって、そこから前半に与えられていたイメージとは全く異なる方向に話が進んでいく)が衝撃的であった。監督は、実際にアメリカで1日2000人以上の子供が行方不明になる事件の、解答を示した、と言っていたが、確かにツジツマは見事に合っている。とはいえ、ちょっと意外性あるオチを希求しすぎてリアリティに欠けた一面もあるかも。

終って、交差点付近のラーメン屋『幸楽苑』でNさんと感想の述べ合い。映画観たあとはこれがないとね。小林さんの某エピソードも聞く。別れて大江戸線で帰宅。家でビデオ見ながら寝酒ちょっと。

食べたもの。朝:豚肉焼き、ナス焼き。漬物、果物。昼:代々木駅前の吉蕎麦で冷やしたぬき。夜:六本木交差点の幸楽苑でつけ麺とギョウザと生ビール。どちらもこの値段にしてはそこそこ旨い。帰宅してからニラおひたしと発芽大豆で黒ホッピー。ニラ旨い旨い

6日(土)都井ストーリー
津山三十人殺し、都井睦雄の生涯をピクサーが映画化!

7時起床。涼しくなったので生活リズムが通常に戻りつつある。朝方生活もさまで悪くはないのだがな。

池波正太郎『戦国幻想曲』トイレ読書で読了。「いたしまいた」とか「なり申(も)そう」などといった戦国時代の言葉遣いを交え、「愛敬」に「あいぎょう」という古い読みのルビを振っているが、そのくせ帝(みかど)のことを「天皇」と書いたり、スパイなどという言葉を平気で文中に(さすがに地の文だが)使うところ、融通無碍である。これが大衆文芸というものだ。また、そこは池波作品だから主人公渡辺勘兵衛を好男子に描こうとあっさり流して書いているが、史実での勘兵衛の後半生の元主君、藤堂高虎との憎悪のぶつけ合いはお互い意地づくで、凄まじい泥沼状態だったようだ。ここらを描いた小説はないかしら。

大滝秀治さん死去。晩年は飄々とした頑固な善人役が多かったが、『CASSHERN 』のような映画にまでちゃんと出演していたのがエラい。性格俳優という言葉を人間にしたらこういう役者になるだろう、と思わせる人だった。詳しくは訃報日記に。

ゲラ2つ、出版社から。赤入れ、書き足しなど。原稿書き上げてから届いた資料があって、ムダしたなと思っていたら、編集部から書き足し要請あり、見事役立つことになった。

TBSから送られてきた『時間ですよ!』の録画を見る。こないだ送ってきた第二回の記録DVDに何も録画されてなかったと言ったら、あらためて全回分、送ってきたが、やはりこのDVDにも、二回目は録画されてなかった(笑)。

それより驚いたのは、これまであの番組の収録は4回、放映済みは3回と思っていたのに、DVDが4枚あった。3回目でカットされていたと思った部分を、他の回のケツにくっつけて放送していたらしい。なるほど、それで岡田が“テレビ出まくってますね”と言ってたわけか。

まあ、毎回収録はわれわれCPUがノリノリで予定時間オーバーしてしまうので、時間的にカットせざるを得ないのだが、そのカットした部分ももったいないから使っちゃえということらしい。賢い奥さんの冷蔵庫掃除レシピ、みたいなもんか。

昼はレトルトでせんば自由軒のカレー。エビフライを添える。カレーとの相性はいいが、上に乗っけた生卵とエビフライの相性はよくなし(笑)。

7時、下北沢に。私が一番で劇場に入る。こないだと同じ席にグレート義太夫さんいて、こないだとほぼ同じ席に座る。義太夫さん、
「先生、骨折事件知ってますか」
というので、琴重のことはこないだ話したし、と思ったらそうでなく、なんとハッシーが今日の昼間、新人がポカをやったので楽屋裏でひっぱたいたら、小指を骨折してしまったそうである。あちゃあ、と思いつつ、
「だから、あいつに、牛乳を飲めと言っていたんですよ。カルシウムが足りないから、人の頭を張ったくらいで骨折するんだ」
と憎まれ口をたたく。しかし、真面目に心配である。

で、『カルネアデスの板』観劇。ルナメンバーの他に井上勝実・山本尚寛・松山幸次・大橋健一・竹村太吾・梶原槙人・歳岡孝士・帯津千春といった芸達者たちが大量出演。商店会長誘拐事件の捜査と推理が主眼だが、登場人物全員がバカをやり、全く話が進まない。冒頭の緊張感に満ちたバカの連打は最高。いつものルナのアドリブとは違う、きちんと構成されたバカギャグは新鮮であり、安定感がある。電話ネタひとつでこれだけパターンをを出せるのがルナの凄いところだろう。・・・・・・が、クライマックスの謎解きが中間に置かれていて、その先がちょっとグダグダになっていくあたりが残念。これも、千秋楽までにはきちんとまとまっていくか? これは絶対もう一度観たい。南極のときにも思ったが、井上勝実の存在感が際立っていた

あと、この線での前作『アラン・スミシー』のときもそうだったが、思わせぶりなタイトルをつけてバカギャグをやる、というアイデアはいいが、その用語の意味(劇中で説明がある)がどっちもちょっとズレているのが気になった。アラン・スミシーは正体不明な謎の人物、という意味ではないし、カルネアデスの板は選択不能命題ではない。

ハッシーは手に包帯をまいての出演だったが、別段つらそうな様子もなく、ホッとする。ちょっと痛々しいが、まあ大事なくてよかった。客席に可愛い女性おり、話しかけてくる。どういう関係者かと思ったら、単なる通りすがりの人で、面白そうだから入ってみた、とのこと。ナンパしようかと思ったが、同じく客席にいた麻衣夢が“このセンセイは色魔ですから気をつけた方がいいです”などと余計なことを言って失敗(笑)。芝居始まってからも彼女、大笑いしていた。

終って、しら〜さんと久しぶりに『いくどん』へ。ハッシー夫妻もやってきた。今日はさすがに大人しくウーロン茶のんでいた。いろいろと人の悪口などで盛り上がる(笑)。バイトの女の子、ニコニコと笑顔のいい子だったが、“おろしニンニク頼んだけど来てないよ”と言うと、忘れていたことに気がついて、“ハアッ!”と息をのんで眉をひそめ、“申し訳ありません!”と小さく叫んで奥へかけこむ役者だったら名演技だねえ、とみんな大感心。まあ、演出家から“たかがおろしニンニクでそんなオーバーアクトするな!”とNGが出るだろうが(笑)。

あと、冷しトマトも頼んだのだが、このトマトがおいしい! すぐさっきの子に銘柄を訊いたが、携帯で検索しても出てこず、不得要領。桃太郎トマトではないかと思うのだが。

12時過ぎ、タクシーにみんな乗り合わせて。タクシー代、しら〜が出してくれた。感謝。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa