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2011年12月2日投稿

三ケ条

朝起きると毎日、台本をざっと読み返して、今日の稽古はどう
やろうかとプランを立てる……のが、稽古に入ってからの、
演出家の日課です。

私が私なりに、これまで小劇場の芝居を面白い物つまらなかったもの
とりまぜて観て、基本と思っている要素は三つ。これを私は小劇場
芝居三ケ条
と呼んでいます。

一に笑い。これは観客の情動を最も快くつかみ、芝居の中に誘導する
働きを持ちます。芝居を見馴れていない、つまりなかなか話の中に
入って
こられない観客でも、笑いの中にならスッと入っていけます。
笑いの要素が(ことに冒頭に)たくさんある芝居が、一般観客に優しい
芝居と言えるわけです。

二に感心。仮にも3000いくらの代価を支払ってくるお客に、それ
だけの金を支払わないと見られないものを見た、と思わせる、鍛練を
重ねた技術を見せることです。長ゼリをすらすら言う、複雑な動作を
ミスなくやってのける、さらには歌や殺陣など。あくまで観客の目から見て、
「ああ、稽古を重ねたんだな、努力したんだな」
とわかるものを見せないといけない。お客はそこで芝居に満足するのです。

三にメッセージ。笑いだけの芝居も結構、アクションだけ見せても
面白いものにはなるでしょう。だが、それだけでは見終ったあと、一抹
のもの足りなさが残るのです。なぜかというと、人間は得た感動を、
言葉にしないと明確に記憶できず、人に伝えられないからなのです。
一ユニットの公演はせいぜい一年に二、三回。次の公演にも足を運んで
もらうためには、この芝居のポイントを言葉にしてお客に伝えること。
そうすると、お客はその言葉を反復することで、芝居の記憶を次の公演まで
つなげることが出来ます。いわばメッセージは、お客様にお持ち帰り
いただくお土産と言えるでしょう。

私は芝居の実地の経験はまだ浅いのですが、観客としては大学時代から
年期が入っています。観客の立場で拍手したり、感心したり、笑い転げたり、
眠くなってしまったり、実際に眠ったりを繰り返していました。途中で
席を立って帰ったこともありました。客の立場で芝居の最低限の満足感を
得る要素として、上記の三つが基本であるという結論に達しています
(もちろん、その上で基本をはるかに跳び超える傑作が希にあることも
承知していますが)。

台本を読み、稽古場に臨み、この三つがうまく混淆して作用しているか
をチェックする。私の作劇・演出法はこれしかない、と言ってもいい
かもしれません。そして、それ以上の満足感を得られたら、それは役者
さんたちの力、キャスティングがもたらした組み合わせの妙、ということ
になるでしょう。

昨日の稽古で、そこがとどこおっていたところを、時間は思ったより
かかったが、ひとつツブせました。さて、残りの稽古日で他の部分も
全部ツブせるか?

初日まで一週間を切りました。
お早めにご予約を!
『タイム・リビジョン/時間修正作戦』
↓予約フォーム
http://noandtenki.web.fc2.com/time/

《タイムテーブル》
12月7日(水) 19:30〜
12月8日(木) 19:30〜
12月9日(金) 15:30〜(*) 19;30〜
12月10日(土) 15:30〜    19:30〜
12月11日(日) 13:00〜    17:30〜

料金 前売3000円 当日3500円
*平日マチネ割引/前・当共2500円

電話予約/03-6805-4984(play)14:00〜20:00

下北沢小劇場楽園 東京都世田谷区北沢2-10-18藤和下北沢ハイタウンB棟地下1F

※写真は稽古中、に見えて実は休息中。役者さんたち、休む間も惜しんで
自主稽古の景。

Copyright 2006 Shunichi Karasawa