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2011年11月22日投稿

『タイム・リビジョン』稽古場日誌

『タイム・リビジョン』稽古、先日の日曜日(20日)で5回目
になります。最初の2回を読み合わせに使い、現在は、その次の
段階。台本をまだ持ちながらですが、取り合えず立って、
大ざっぱな動きをつかんでいくステージです。これを演劇の
世界では“あらだち(粗立ち)”と言います。粗立ちを経て、
自分の動きが最終決定されるとこれが“ほんだち(本立ち)”
になるのですね。粗立ちは

「Aくん、ここでBくんにこのセリフを言ったら、ツラ(舞台
前面)を横切るようにして上手からハケ(退出)ね。そしたら、
入れ替わるように、下手の方からCちゃんとDくん、駆け出て
くる……、ハイ、立ち止まる、Cちゃんセリフありぃの、Bくん
受けて、そこで二人ウロウロ歩き回りぃの、ハイ、そこで銃声、
二人、倒れる……まで、やってみようか」

みたいな感じで動きをつけていく。演技のしやすい位置か、
客席から死角になってないか、役者の出入りはスムーズに
出来るか、次の出の役者とカチ合わないか、などを確認しつつ、
何度も修正を加えていきます。

一方、演出補の秋葉さんの主な仕事は、役者たちのセリフ回し
などを通してのキャラ作りです。今回、ほとんどのキャラは
アテ書き(演じる俳優さんを頭に置いて脚本を書くこと)なの
ですが、主役二人はオーディションで選出しました。二人とも
まだ新人で、舞台経験も数えるほどしかありません。だから、
まず主役たちのキャラから作っていかなくてはならない。
今回の主役は高校1年生の設定です。ごく普通の高校生が
不可思議な事件に出会う。そのときの反応はどう演じれば
高校生の反応に見えるのか。口調、セリフとセリフの間、
アクセント、口の開け方などの発声方法にいたるまで、細かく
指示がなされます。

役者には、すぐにその役を把握して入りこんでしまう人も
いれば、スロースターターもいます。稽古のときから絞り込んで
一つの演技の型を磨きあげて役作りをする人もいるし、稽古は
稽古と割り切って、いろんな演じ方のパターンをやってみて、
「どれがいいですか?」
と演出家に判断を求めてくる人も。十人十色の性格の持ち主
たちが、ひとつの稽古場で、ひとつの舞台を作り上げるために
試行錯誤を繰り返しつつ、次第に舞台の全貌が見えてくる……。

と、いうとやたらカッコいいですが、実際は冗談が飛び交い、
「えー」とか「やだー」とか言う声があがり、笑いの絶えない
渾沌とした雰囲気の場なのです、私の稽古場というのは。
演出指示の言葉より、
「静かに! はい、集中! シューチュー!」
と叫んでいる回数の方がずっと多い(笑)。
怒声が飛ぶピリピリした稽古場というのはスキじゃないんです。

風邪が流行っているのにも気をつけないといけません。
ひくなら稽古前半にひいて、大事をとって二日間は休んで、
完全に直してから出てこい、と指示しているので、稽古には
各所に穴があきます。ここで代役をつとめるのも、若手には
いい経験。なにしろ、主役クラスの大役をつとめたりも出来て
しまうわけですから、引き出しを増やすいいチャンス。今回、
ルナティックシアターから借りた右田ひだりと石川ルカの
若手二人、実に積極的に代役もつとめ、自分の役にも真剣で、
張り切ってやってくれています。

今回初めて使って案外使いやすいと気に入っていた稽古場は
残念ながらスケジュール的にはこないだの日曜で最後の使用。
最初から気になっていた稽古場真ん前の大衆焼肉店『ゴチニク』
でワンクール終了打ちあげ。来週からは別の稽古場に移ります。

月曜日は稽古休み。本業の(笑)原稿書き、近々の出版物のゲラ
チェックなどの他、衣装部から上がってきた制作状況写真の
チェック、映像部、音楽部との打ち合わせ、翌日からの稽古場の
鍵受け取り、舞台立込み設計図描きなど、細かい仕事はいっぱい。

さて、『タイム・リビジョン/時間修正作戦』、初日、千秋楽、
平日マチネはかなり席も埋まってきました。お早めの予約を
お勧めします!
↓予約フォーム
http://noandtenki.web.fc2.com/time/

《タイムテーブル》
12月7日(水) 19:30〜
12月8日(木) 19:30〜
12月9日(金) 15:30〜(*) 19;30〜
12月10日(土) 15:30〜    19:30〜
12月11日(日) 13:00〜    17:30〜

料金 前売3000円 当日3500円
*平日マチネ割引/前・当共2500円

電話予約/03-6805-4984(play)14:00〜20:00

下北沢小劇場楽園 東京都世田谷区北沢2-10-18藤和下北沢ハイタウンB棟地下1F

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